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 裏口の戸を叩く音に思考の海に潜っていた意識を浮上させるアマーリエ。

「なんで鳥居だったんだろ?」

 さらに裏口を叩く音が大きくなる。

「はーい、今開けます」

 裏口の鍵を開けると、旅の間に仲良くなった騎士が立っていた。

「おはようございます! ミカエラさん。久しぶりですね」

「おはよう。リエ! 砦のパンを受け取りに来たわよ」

「今日は見習いさん達じゃないんですか?」

「あの子達は准騎士たちと一緒に行軍訓練中なの」

「なるほど」

「はぁ、パンのいい香りねぇ。そうだ、内緒でお菓子も買っていきたいんだけど、いい?」

「いいですよ。あ、でも先にパンの確認と納品書にサインお願いしますね」

「まっかせてー」

 アマーリエはアイテムバッグと納品書をミカエラに渡し、今あるお菓子の在庫を地下に取りに降りる。

「ラスクとクッキーでいいかな?」

 地下のアイテムボックスから一袋ずつ取り出すとアマーリエは厨房に戻る。

「大丈夫よ、数は揃ってる。で、お菓子は何?」

「バゲットのラスクとアーモンドのクッキーです」

「両方もらうわ!」

「毎度!」

「うふふ。バレないようにしなきゃ。見習いの子に気づかれたら集られちゃうから」

 受け取ったお菓子の紙袋を大事そうに自分のアイテムバッグにしまうミカエラ。

「あはは。今度は休暇にでも遊びに来てよ」

「ええ、そうするわ! さ、もう戻らなきゃ! じゃあね、リエ!」

「また! さて、わたしも開店の準備しなきゃ」

 アマーリエはミカエラを見送ると、焼きあがったパンを籠にならべて店に並べはじめる。

 こうしてアルバン村の一日は、忙しいパン屋のパンの焼ける香りから始まるのであった。

長らく、ありがとうございました。道行き編はこれで完結です。

幕間の話を入れるか閑話を入れるか悩み中ですが一旦ここで完結と致します。

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