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君のお母さんを殺したのは、僕だ

父と娘の交流は4話から始まります

 泡立つ酸の海の中、一つの肉塊がうごめいていた。


 それの名は、ピオ・コンティ。


 かつて彼は、柔らかな亜麻色(あまいろ)の髪と長いまつ毛が特徴的な、10歳の少年の姿をしていた。よく少女と見間違われる、可愛らしい少年だった。

 かつて彼は、多くの人々から畏敬と崇拝を集める、栄誉ある職位についていた。人類を守護し亜人を滅する、強力な戦士だった。


 しかし今では、かつての美貌を、栄光を見出すことはできない。今の彼は、ただの黄色い(うみ)を垂れ流す、赤茶けた肉塊となっていた。


『純血教会』。人類の繁栄と純血の維持を教義に、魔物の討伐や、魔族や獣人などの亜人やその混血の絶滅を目的とする宗教団体。ピオはかつてこの純血教会に所属している『司祭』だった。


 第二次性徴を迎える前の少年少女が特殊な人体改造を施され、不老不滅の再生力と圧倒的な身体能力を獲得した、超人的な存在、それが司祭だ。


 そんな強大な力を持った司祭であったピオは、処刑すべき魔族の混血の赤子を救ってしまった。その結果、酸で肉体を焼かれ続けるという極限の拷問を、10年以上も受けていた。


 酸がピオの肉体を焼くたびに、彼は己の肉体を再生した。溶かされ、焼かれ、また再生する――この繰り返しの果てに、もはや彼は人の形を失い、肉塊と呼ぶしかない異形の存在となっていた。


 ーー痛い……熱い……痛い……かゆい……苦しい……


 脳に絶え間なく送り込まれる苦痛の電気信号。どんなに屈強な精神の持ち主でも数日で発狂するような、途方もない苦痛に(さいな)まれながらも、ピオは辛うじて正気を保っていた。


 彼の心の支えは、18年前に出会い、8年間を共に過ごした少女。自身の娘として育てた、シャーリアとの思い出の記憶だった。


 高濃度の酸に満ちた瓶の中で、ピオは何度も記憶を手繰り寄せる。


 出会い、育み、そして別れるまでの、かけがえのない8年間の記憶を。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 一斉に首が飛ぶ。老若男女、獣人にエルフにドワーフ、魔族に混血。年齢も性別も種族も違う、様々な人々の首が、鮮血をまき散らして宙を舞う。


「フィア先生!やめてください、こんなの間違っています!」


「まったくもう、ピオ、邪魔をしないでください。『大人しく見ていなさい』」


 糸を操り殺戮を繰り広げるフィア先生の腕に、僕は(すが)りついた。しかし彼女は僕を振り払うと、魔力のこもった魔性の声、喉に移植されたハーピーの声帯で、僕にじっとしているように命じた。

 その力に(あらが)えず、僕の体は石のように重たくなり、動けなくなってしまった。それを確認すると、先生は再び指を躍らせて糸を操り、人々を殺していく。


 悲鳴、怒声、命乞い。様々な声が響いていたけど、それも徐々に減っていく。そしてついには、静寂が訪れた。


「う……待ってください……こんなこと……ああ……!」


 ノガレ村。50人ほどの人口の、様々な種族の住人が暮らす村。小さな畑を耕して、外部との接触を()って自給自足の生活をしていた村は、たった今、滅んだ。

 糸がきらめき、最後の村民の首が飛ぶ。僕よりも背の低い、幼い少年の首が。残された胴体は血しぶきをあげながら、どさりと崩れ落ちた。


 家々と共に人肉が焼ける生臭い匂いが漂う中、その虐殺の実行犯は、師匠のフィア先生。僕よりも少し背の低い、三つ編みの黒髪の少女。彼女は、両親を失い孤児となっていた僕に、司祭になる道を示してくれた、敬愛すべき姉のような存在だった。


 そんなフィア先生が、僕の目の前で、僕の制止を振り切って、大量殺人を実行した。僕はその事実に、眩暈(めまい)がしそうなほどの衝撃を受けていた。


 動けない僕をよそに、先生は最後に殺した少年の生首を興味深げに持ち上げた。小さな獣耳以外は人間と見分けがつかない、恐怖と憎悪に歪んだ、子供らしからぬ表情をした生首を。


「おや、この瞳……魔力が籠っていますね。魔眼でしょうか?持ち帰って検査してみましょう」


 そう呟くと、憎悪に見開かれた生首の目へと手を入れて、眼球を取り出し始めた。首の断面から血が噴き出してもお構いなしに、鼻歌すら歌いながら。

 ただ殺すだけではなく、死者の尊厳まで踏み荒らす。そんな禁忌を平然と犯すフィア先生に、僕は強い嫌悪感を覚えた。


 本を読み聞かせ、眠れない夜は子守唄を歌ってくれた、家族を失った僕にとって新しくできた、姉のように思っていたフィア先生。

 そんな彼女が、今や全く違う価値観を持った異種族であるかのように思えて、気持ち悪くて仕方がなかった。正しいはずの先生が行う正しくない行動に、僕は頭がクラクラとしていた。


「先生……どうして、こんな……」


 命令のせいで、僕はただ立ち尽くしたまま、かすり声をあげることしかできなかった。

 そんな僕に、物分かりの悪い子供を(さと)すように、先生は(ひか)えめな笑顔を浮かべた。


「ピオ、いいですか?私たち司祭は、強大な力を持っています。人類の枠にとどまらない超人的な身体能力、殺されても死なない再生能力、移植した魔物の能力、ついでに不老不死まで。そんなとても、とても強大な力は、いったい何のためにあるのか、分かりますか?」


「人類を……守るため……?」


「そうです!その通りです!だから、魔物を倒したり、災害に立ち向かったり……醜悪(しゅうあく)な亜人どもを、絶滅させないといけないんですよ」


「でも彼らは!彼らは人類とほとんど同じじゃないですか!」


 人類の繁栄と存続のために、魔物や亜人を討伐する。それが司祭の役目だと、他ならぬフィア先生から教えられて生きてきた。

 だから今日、魔物ではなく亜人と戦うと聞いた時も、緊張はしたけど、自分の役割を果たそうと、司祭という力への責任を全うしようと、張り切っていた。人を襲う野蛮で危険な亜人を討伐するのだと。


 でも、実際のところはどうだっただろう。彼らは、武器を掲げ人肉を貪る邪悪な蛮族だっただろうか?


 そんなことはない。耳の形が変わっていたり、手足が毛深かったり、角が生えていたり……その程度の違いしかない。僕たちと同じ言葉をしゃべる、守るべき人類と、ほとんど見分けがつかないような、ただの人だった。


 フィア先生が言うのだから間違いない、こう見えて彼らは凶暴で残虐な亜人なんだと、最初はそう自分を納得させようと思っていた。だけど無理だった。


「……うん?こんなにも違うのに、どこが同じなのですか?」


 フィア先生は瞳をむしり取った生首を掲げた。空っぽの眼窩(がんか)に空虚を(たた)えるそれを、僕は直視できなかった。


「何もかも、ほとんど一緒じゃないですか!言葉まで同じで、命乞いも悲痛に聞こえて……!」


「ううん?仮に似ていると思っても……人でないくせに、人のふりをしていることに、嫌悪感を覚えませんか?言葉も、ヒトモドキのくせに、何を人の言葉を使っているんだと。そうは思いませんか?」


「なぜそうやって区別できるんですか!」


 感情が高ぶりで命令の呪縛(じゅばく)が切れた僕は、先生に詰め寄って大声を出した。


 先生が口を開きかけた直後、泣き声が聞こえてきた。まるで大声にびっくりして目を覚ました赤ん坊が、泣いているかのような声が。


 瞳をはぎ取られた生首を放り出して、フィア先生は歩き出した。声の聞こえる方へ、崩れ落ちてはいるが、まだ燃えていない小さな家へと。


「まだ生き残りがいたとは…いい耳をつけているつもりなのですが、交換した方がよいでしょうか?」


「先生!フィア先生!赤ん坊なんて、放っておけば、すぐ死にますよ!」


「だめですよ、ピオ。油断をしては。亜人は皆、幼くても普通の人間より、高い身体能力と魔力を有しています。そうやって見逃すと、すぐに人間に危害を加えるようになりますよ」


 廃屋(はいおく)に辿り着いたフィア先生は、柱や瓦礫をどんどん片付けていく。すると、中から頑丈そうなタンスが現れた。もう泣き声は聞こえなけど、中に何かが潜んでいる気配がある。


「さてと…さあ、ピオ。あとはあなたがやりなさい。ただ見て学ぶだけではつまらないでしょう。それに、戦果なしでは、司教から小言を言われてしまいますよ。(ゆず)ってあげますから、始末して見せなさい」


「ま、待ってください!そんな、そんなことは……!」


「『いいから、やりなさい』」


 魔性の声に、僕は抵抗しようと努力したけど、それは叶わなかった。


 自分の意志とは無関係に、僕の足は瓦礫を踏み越えてタンスへと近づいていく。


 取っ手に手をかけると、内側から抵抗を感じた。中に誰かがいて、必死に扉を押さえているのだろう。震える手が(わず)かに突き出た小さな金具を握りしめているのが、想像できた。


 力が、入らない。


「フィア先生……開かないです……」


「……『開けなさい』」


 その短く冷たい命令に込められた魔力は、拒否感を無視して僕の腕を動かす。筋肉が収縮し、引きちぎるように扉をあけ放った。


 中から出てきたのは、小さな赤ん坊と、その子を胸元に抱きしめながら、恐怖と憎悪を浮かべる若い母親の姿だった。


 赤ん坊は泣き疲れたのか、眠っている。その小さな手には、もふもふとした白い犬のぬいぐるみが握られていた。それは伝説の魔物、フェンリルを模した、僕がかつて両親からもらったものと、そっくりなぬいぐるみだ。


 ああ、亜人の子供も、僕と同じぬいぐるみが好きなんだ。


 亜人でも人間と同じ言葉を話すし、赤ん坊をあやすおもちゃは、似たようなものを使う。

 そして、そんな彼らの生活を、人間を襲うでもなく静かに暮らしていた彼らの営みを、僕たちが壊したのだ。切り裂き、焼き払い、全てを奪い去った。


「おや、2匹も…」


 僕には、この親子が人間と同じに見える。でも、フィア先生にはそうは見えていない。

 ただの害獣にしか見えていない。


 乳離れもまだに見える幼子と、その自分の子供をギュッと抱きしめて、僕を射殺(いころ)(いころ)さんとばかりに睨みつける母。

 側頭部から生えた角を除けば、人間と全く見分けのつかない、一組の親子。


 それを、僕が殺す?


 呼吸が浅くなる。心臓がバクバクと動く。全身から、寒気がする。

 普段は完璧にコントロールされている体の生理反応が、感情に引きずられて、不安定になっていた。


 今日、僕はどれだけの死を黙認した?フィア先生を止めるために、本当に全力を尽くしたか?

 これまで何もできなかった自分が、どれだけの罪を重ねてきたのか、その重みが耐えられないほどに胸に押し寄せてきた。


「い、嫌です…こんなのは、間違っています……!」


「『殺しなさい』」


「嫌です!」


 僕は耳をふさいでうずくまった。そのおかげか、体を支配する命令の効力は、意志の力でねじ伏せられるほど弱かった。


 僕は家族を魔物に殺された。大切な人を失う苦しみを二度と味わいたくなくて、司祭になった。

 司祭になるために、将来の可能性のすべてを捧げた。可能な限りすべの時間を修行に費やしたし、拷問のような肉体改造も耐え抜いた。

 守るために、司祭になった。こんな、こんな人間同然の彼らを…


「人を殺すために、司祭になった訳じゃありません!こんなの、間違っています!」


 耳をふさいだまま、僕は立ち上がり、振り向いて先生を(にら)んだ。

 ここで、フィア先生を倒す。それが無理でも、この親子が逃げるだけの時間稼ぎをする。


 その結果として、僕がどうなろうとも……僕は正しいことをする義務がある。

 今日、起きたたくさんの死に、責任がある。無力だったことへの、全力を尽くさなかったことの、償いをしなくてはならない。

 これ以上、過ちを犯してはならない。


 僕は命を懸ける覚悟で、フィア先生を睨んだ。


 フィア先生は無表情のまま、指を動かした。いつの間にか、僕の体は彼女の糸で覆われていた。


 体の自由を奪われた僕の顔へ、フィア先生の手が近づいてくる。脳が少し切断されたり、穴をあけられるくらいでは死なない。だけど、眼窩がんかから手を入れて脳をかき混ぜられたら、さすがに死んでしまう。

 

 時間稼ぎすらできずに死ぬという可能性に、僕が震えていると、糸を伝って骨に直接、先生の声が届いた。


「『殺しなさい』」


「フィア先生!?」


「『まずは、母親を、その後に子供を。順番に、確実に、殺しなさい。首を握り潰すのです』」


「待って、止めてください!嫌だ!殺したくない!」


 最大出力の魔性の声。今まで感じたことがない程の、強力な強制力。

 何とか抵抗しようと意志の力を総動員するも、のろのろと体は動き始める。


「はあ、手間のかかる弟子ですね。少し手を貸してあげます。」


 手を伸ばしたり引っ込めたりする僕の体を、先生は操り人形のように動かした。

 腕が絡み取られ、先生の指の動きに合わせて体が操られる。


「嫌だ!いや、やめて!やめてください!離して!殺させないで!」


 僕の手が、母親の細い首筋へと延びる。ベヒーモスの筋肉が移植されている僕の腕は、素手でも鋼鉄を引きちぎれる。

 女性の細い首なんて、簡単に折ることができてしまうだろう。


 何とか命令に逆らおうと必死に歯を食いしばるけど、僕の手は母親の首に触れ、握りしめてしまう。糸に引かれて、指が動く。


「コヒュッ…シャーリア…愛しているわ…」


 気道が潰される寸前、彼女はかすれた声で呟いた。

 紫色の瞳を細め、まだしっかりと抱きしめている我が子の髪を、優しく撫でながら。


「『早く潰しなさい』」


 最期の親子の触れ合いを、まるで茶番劇でも見ているかのように、冷めた目で見つめ、フィア先生は淡々と僕に命じた。


 指に力が入り、喉へと爪が食い込んでいく。


 魔物相手とは全く違う。同胞を、人を殺しているこの感触に、僕は吐き気を覚えた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」


 この謝罪に、意味はない。ただの自己満足だ。そう分かっていても、僕はそう言わずには、いられなかった。


「いい……(ゆる)すわ」


「え……?」


 思ってもいなかった反応に、僕は目を見開いた。


 目の前の女性は、自分を殺そうとしている相手を前に、どこか申し訳なさそうな表情をしていた。まるで、僕に対して迷惑をかけることを()びているかのように。


「ただ……この子を…シャーリアを…愛して」


 その言葉と共に、彼女の瞳が、紫色の美しい瞳が、強く輝いたように見えた。まるで太陽のような、他の星々の光をかき消してしまうような、強い光が、瞳の中にあった。


 ボキッ――


 その輝きに僕が心を奪われていると、手元から取り返しのつかない音が響いた。

 指先に感じていた彼女の脈動が途絶え、紫色の宝石のように輝いていた瞳が、急速にその光を失っていく。


 ――やってしまった。

 超えてはならない一線を、僕は越えたんだ。


 目の前が真っ暗になるような、平衡(へいこう)感覚が失われて深い穴の底へと落ちていくような、そんな錯覚。

 取り返しのつかないことをしてしまった時に起きる、眩暈(めまい)がするような後悔の衝動が、僕の身を貫いた。


「さて、それではそちらの赤子の方も、『処分しておきなさい』。しっかりと、首を……」


 先生はそう僕に命じると、他に生存者がいないか、捜索を始めた。

 命令者の先生がこの場を離れても、僕の腕はその言葉に従って、赤ん坊の方へと延びていった。


 ――もう、いやだ。何もかも……。


 涙が頬を伝い、視界がにじむ。目の前で何が起きているのかも分からない幼い眠り子に、僕の手が触れた瞬間――


 僕はその子を、抱き上げていた。


「あ、あれ…?」


 赤ん坊を殺すことなく、むしろ優しく抱き上げていた。

 フィア先生の命令に背き、僕の意思に従って。


 持ち上げられたことに気が付いたのか、赤ん坊が目を覚ました。

 きょとんと不思議そうに僕を見つめ、何が起きているのか知らないその子は、無邪気に小さな手を僕に伸ばしてきた。


 今、僕の腕の中に、赤ん坊がいる。

 人間と同じ、誰かの助けなしでは生きていけない、小さな命がある。


 そのことを意識した瞬間、僕の中に不思議な温もりが沸き上がった。

 最悪感や後悔、殺人という禁忌を犯したことへの嫌悪感。そうした負の感情が吹き飛んで、ただただ温もりだけが僕の心を支配していた。


 この子(シャーリア)を助けなくてはならない。

 この子(シャーリア)を守らなくてはならない。

 この子(シャーリア)を、愛さなくてはならない。


 ――どうしてこんな感情になっているのか、自分でも分からない。でも、きっとこれは、正しいことなんだ。人を殺すよりも、人を愛する方が、よっぽど。


「…ピオ?ピオ!?どうしたのですか!?『止まりなさい』!」


 フィア先生の声が背後から聞こえてくる。

 だが僕はそれを無視して、走り出した。腕の中の小さな命を守るために。


 無計画で、無謀かもしれない。それでも、胸に宿る温もりに従って。


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