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最期の舞台1

連合国軍は太平洋側から進軍していた。全てが集まるのは東京だ。ならばそこを狙うのは後あり前のことだろう。だから私は進軍方向の海上に”立って”いた。

「連合国軍諸君、直ちに進軍を中止し、国へ帰られよ!このまま進み、我が国へ攻撃をするというのならば、貴殿らの国は即刻厄災の渦に飲み込まれるであろう。」

船は止まる気配を見せない。だが、返答はあった。

「お前は誰だ!」一番先頭の船首に降りて答えた。

「ああ、失礼。自己紹介をしていなかったな。我が名は(つき)(はな)。第114代月帝である!」

「月帝は表舞台に出てこない、飾りの王だろう。それに、いなくなると聞いたが何故ここにいる?」おそらく、この軍全体のトップなのだろう。この男がずっと話している。それに軍服の装飾が多い。何をしに来たんだ、この男は。ここは舞踏会場ではないぞ。

「この力の脅威がなくなったのを良いことに、我が国に向かって進軍している者たちがいるとなれば対処せねばなるまい?それに、何も知らずに攻撃させるのは不憫かと思ってな。」

「それで?お飾りの王様は何を見せてくださるおつもりで?」

「そなたらの攻撃をそっくりそのまま、祖国へ帰してやろう。威力を増強させるのも(やぶさ)かではないな。」

「何を言い出すかと思えば!ずいぶんな夢物語ですな。」男は肩を揺らして大笑いしていた。その時、部下であろう兵が小走りに近づいてきて、こう言った。

「攻撃準備、整いました。いつでも可能です!」

「そういうことですので。止めようと単身乗り込んできたのだろうが無駄だったな。攻撃用意!一斉に打て!」

その一声によって、数多の砲弾が、ミサイルが日本全土に向けて放たれた。


結論から言うと、日本には砲弾も、ミサイルも着弾しなかった。警報すらも鳴らず、国民は自らの命が危機にさらされていることさえも知らなかった。軍人たちが首をかしげていると、船上にいる各国の軍のトップへ慌ただしく連絡が入り始めた。

『国が攻撃された』と。


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