ゴーレン
「厄災とは、かつてこの世界に降臨した魔族の王、『魔王イヴァール』のことです。」
「イヴァール?魔王?何のことだ?」
「………?今の時代には魔王の名が知られていないのですか?」
魔王イヴァール?聞いたこともない。確かに魔族という種はいるが、魔王という王の名前は知らない。
「………どうやら何者かが正しい歴史を隠蔽してしまったようです。いいでしょう。これからお見せするのは、『種族戦争』の映像です。」
「え………何をいって………」
すると、ゴーレムの目から光が出て、映像が写し出された。
そこには、かつて栄えたゴーレンがあった………
『~~~~!!!急げ!魔王軍が来るぞ!』
誰だ………?
『マスター!!これ以上は防壁が持ちません!!』
01……?じゃあ、この人がマスターなのか……?
『………やむを得ん、私が直接戦う。ゴーレム達は国内にいる他の種族の脱出に専念するのだ。』
『!?マスター!!その命令はできません!!
我々はマスターを置いていくことは……!!』
『心配するな。土魔法は他の魔法に比べたら劣るかもしれん。だが私はこの世で唯一ゴーレムの土魔法を作った男だ。私以上の土魔法の使い手はいなかろう。』
『し、しかし……』
ドガァァァン!!
『ぼ、防壁が……』
『くっ………もう持たないか……早く行け!このままでは全員死ぬぞ!』
『できません!!』
『………仕方ない。』
………!?あの魔方陣は………!?
『ストーンウォール!!』
『ま、マスター!?ここを開けてください!!』
『………早く行け!その壁も長くは持たんだろう、行け!』
………そこからは酷い映像だった。
マスターと呼ばれる男が土魔法を使い、魔王軍を蹴散らしていくが、最後はやられてしまったのだ。
「………」