二話 幻の国 ゴーレン
「はぁ……はぁ………ここか!!」
とうとう、俺は幻の国、『ゴーレン』へたどり着いた。ここまで来るのは長かった………
「………行くにしても、無一文でどうやっていこう………?」
地図を見る限り、『ゴーレン』は孤島にあるらしい。であれば船に乗らなくてはならない。しかし、船に乗るのは金がかかる。どうしたものか………
「あ!そうだ!クエストだ!」
そうだ!クエストがあった!確か……薬草採取が銀貨二枚だった。船に乗るのが一回金貨一枚だから……五回薬草採取をすれば乗れる!
そうと決まればギルドへ急ごう!!
「うおおおぉ!!!」
26歳、全力疾走。疲れはててギルドに向かった。
「ど、どうしたんですかカイルさん!?」
受付嬢が心配してくれた……なんだか申し訳ない。
「す、ずみまぜ………や、薬草採取のグエスド………ありまずか……?」
「や、薬草採取ですか?もちろんありますけど………?」
「ご、五回!五回分やりましゅ………」
「わ、わかりました!!!」
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「お、終わった………やったよ………俺。」
五回終わらせた。お陰で金貨一枚分の金は手に入った。幸い、このギルドは港が近い。急いで船に乗ろう。ゴーレンは他の国だ。かなり遠いのだろう。
「すみません、この場所までお願いします。」
俺は船長らしき人地図を見せた。すると彼は首をかしげた。
「あぁ………?ここ、ゴーレン島じゃねえか。お客さん、あんななにもない島に何しに行くんだい?」
「少し冒険に。」
「ガハハ!!そうかそうか冒険か!アッハッハ!!おいみんな聞いたか!?あんななにもない島に冒険だってよ!アッハッハ!!」
「アッハッハ!!」
他の船員にも笑われてしまった。ゴーレンってそんなに人気ない国なの?それに、『なにもない』って一体………?そう思いながら、俺は船に乗った。
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「オェェェェ!!」
船が動いてからどれくらいたったのだろうか………俺は絶賛船酔いに悩まれている。
誰か助けてくれ。この苦しみから助けてくれ……
「お客さん、大丈夫かい?」
そういって先程の船長が水を持ってきてくれた。
「ありがとうございます………」
少しは気分がよくなった。
ゴーレンはまだなのだろうか。早く見てみたい。
そわそわしてると、船長がこう言った。
「そろそろ着くからな。お客さん、荷物忘れるなよ。」
着いた!ここがゴーレン島、いや、幻の国、ゴーレンだ!と思ったがまだなにもない。あるのは木ばかりだ。
「ありがとうございました。」
船長にお礼を言って、俺は森の中に入っていった……
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「はぁ………はぁ………ここか!」
かれこれ一時間半ほど歩いただろうか。ようやく門のような物がある。やっと着いたのだ!
洞窟の入り口に門が構えてある。まさか、ゴーレンは地底国かなにかなのか?
………しかしここに来るまで人や他の種族を見かけなかったな。住民は国の中なのだろうか。
「………?あれ、門が開いてる…」
おれはその門の中に入った。
ようやく、自分が見たかった国を見れる……そう考えるとワクワクしていた。
そろそろか……洞窟の先に光が見える。きっと、あれもゴーレンの魔法かなにかなのだろう。
「……………なんだこれは。」
俺は洞窟を抜け、国の中に入った。
しかし、国の中は、俺が想像していた物とは
全く違ったのだ………