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異世界賛歌~貧乏くじ聖女の異世界革命記~  作者: ArenLowvally
あまりにも、よくある話。
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第二十六話:異世界の勉強は大変です。

多分、最短じゃないかな。でも情報を詰め込みに詰め込みました。

こういうの、考えるの楽しくて好きなんですよね。

次回も似たようなものになります。


あ、あと、今回で連載開始から1年になりました。

開始当時から読んでくださった方、途中から読んでくださった方、今回から読んでくださった方。

様々な方がいらっしゃるとは思いますが、お陰様でここまで続けることができました。

本当にありがとうございます。

皆様の暇潰し、できるなら人生のちょっとした楽しみになっていると幸いです。

まだまだプロローグ中ですので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

毎日同じ授業、ということではなく日ごとに学習する内容は違います。

今日はシャングリラ王国そのものについての勉強会です。

講師の話を聞きながら板書していきます。

高校時代まではやってたことですね。

大学に入ってからは、まぁ、無くはなかったですけれど、あんまりやらなかったなぁ。

ともかくとして。この国は王制の階級制を敷いていて、その階級によっていろいろと立場とかいろいろ違うっていうよくある奴です。


「公爵、侯爵、辺境伯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵の8つの位を持つ一家を、我が国では貴族と呼んでおり、それ以外の人間は等しく平民です。公爵、侯爵、辺境伯爵の上位3位は特別、上位貴族と呼ばれており、国の各地方に領地を持っております」


基本的な知識は今まで読んで来た数々の異世界ファンタジー小説を思い返せば大体、補完できる感じですね。

王都を中心として国の領土が広がっていて、王都に近い領地を持っている貴族が公爵。

少し離れた場所に領地を持っているのが侯爵。

国境線付近に領地を持っている貴族が辺境伯爵。

国の中でも大きな力を持つ貴族たちです。

その中でも公爵は政治に関わる職に就いている方が当主で、王家に次いでの力を持つようです。

領地と合わせて国そのものの擬人化と言って差し支えない存在のようですね。


「伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵の下位5位は下位貴族と呼ばれております。伯爵、子爵、男爵は領地は持たないものの、各家系で行ってきた事業などで国に大きく貢献しております」


下位貴族は経済の要、と言ったところでしょう。

領地を持たない代わりに商業や事業に力を入れて、国の経済を発展することに貢献している。

上位貴族の持っている各領地に家を置いて、その場所で特化した事業を行っている一家もあるそうです。

上位貴族が一次産業、下位貴族が二次・三次産業、ってことですかね。

で、その中でもどれだけ資産を持っているかとか、どれだけ国に貢献しているかで賜る爵位が変わってくる、ということみたいです。


「準男爵、騎士爵は平民が特別な功績を上げた時に賜るものです。準男爵は商会や、個人の研究機関など文化的な功績を上げた場合に賜ることが多く、騎士爵は武勲を上げた場合に賜るものです」


準男爵はお金で買える爵位って聞いたことがあります。

言葉は濁していますが、この世界でも似たようなものかもしれません。

騎士爵は、騎士団に入った平民が功績を上げた時に賜るものでしょうね。

どっちも一代限り。

そこから更に功績を上げ、その成果を続けて出せると判断されれば男爵に陞爵されるのだとか。

チャンスがあれば貴族の仲間入りできるっていうことですね。

そうすればもっと大きな事業とか、誉のある仕事とかできるようになりますし。

平民にとって数少ない千載一遇の機会の一つ、ということみたいです。

大きな変化は起きなくとも、緩やかな新陳代謝を繰り返して生きている国、ということですね。


「お配りした資料に記載されているのは上位貴族の一覧です。英雄・聖女教育が終わる頃までにはすべて覚えていただきます」


マジか、と隼の小さい声が聞こえてきました。

気持ちはわからなくないけれど、これも貴族社会の中にいるなら必要なことなんでしょう。

公爵は政治に関わりますし、侯爵は一次産業を担ってて、辺境伯は国防の要。

不意に会談することもあるかもしれませんし、私たちの仕事に大きく関わる可能性も大いにあります。

頑張って覚えましょう。

生きる為には必要なことだ。

公爵7、侯爵12、辺境伯5で、全部で24ならいける気がするし。

……いけると信じたい。

中高のひとクラスの半分なんだからいけるって!


「では、次に国の地理について説明させていただきます。こちらがこの国の大まかな地図になってます」


測量の技術はあるんですね。

こっちの世界だと魔法があるから、そんなに難しくなさそうです。

王都を中心として、東西南北に広がる大きな国。

南東の方が海に面しているようです。

ほとんどが平原、北西には大きな山脈があります。

王都を囲うように7つの領地があり、その更に外側に12の領地。

そして東西南北各地と海に面した場所の5か所に更に領地。

領地同士は接地しておらず、王家の直轄領が必ず緩衝材のように広がっていますね。

内戦を避けるための措置でしょう。

他の家の領地なら攻めやすくとも、王家の直轄領には攻めづらいはずですから。

下手なことをすれば反逆罪で家どころか領地ごと死にかねませんからね。

その辺りの事情は話はしませんが、言葉の端々からそうだろうと推察できます。

それに功績の褒美として領地が与えられることもありますし、領土の全部が各貴族の物になるわけもないんですよね。

うーん、覚えられる気がしない。

社会科系の科目は元々苦手だったんですよね。

日本史も世界史も政経も地理も、壊滅的な点数しか取ったことがない。

日本の都道府県の位置さえ、まともに答えられなかった人間が、異世界の地理を覚えられるとは思えません。

まぁ、何か関連があれば覚えられるんですけれどね。

都道府県で区分けした陣取りゲームでやっと覚えましたから。

この世界の地理も何かしらの形でゲームにして覚えちゃダメかな。

……ダメか、怒られる気がする。

地道に暗記するしかないですね、頑張ろう……。

説明を受けるうちに、7つ目の鐘が鳴ってお昼休憩です。


「外国人の名前って覚えられないよね」


溜息交じりに明香里が言います。

考えることは皆同じらしいですね。

確かに、と隼が頷きました。


「しかもどの家がどんな稼業やってるのかまで全部覚えなきゃだろ?」

「こっちの世界の人は全部それを覚えてるんだよね。すごいなぁ」

「えーさいきょーいくってヤツか? オレにはムリだ」

「単語帳みたいなの作ればその内覚えるんじゃない?」

「その単語帳を作るのが面倒なんだよね」

「それはそう」


如何に勉強嫌いかがわかりますね。

私も暗記嫌いだったから、単語帳なんて使わなかったなぁ。

それを通り抜けた今なら、もうちょっとやっておけばよかったかもなんて思いますけれど。

必要だから義務としてやらなきゃいけない時には全くやる気が出ないのに、やらなくてもよくなるとやってみたりするこの現象。

結局はノルマがあるから嫌になるんですよね、きっと。


「まぁ、既に聞いたことのある名前とかもあるし、関連ある事項とかで紐づけて覚えて行けばいいんじゃない? ほら、メイドさんとか上位貴族の子女から選ばれるっていうし、その人達から家のこと聞いてみるのはありじゃない?」

「ああ、そういえばそうね。聞き覚えあるなって思ったら、そういうことだったの」

「確かに、実際の人の話の方が覚えられるかもしれないな」


助言してみれば、ちょっとは前向きになったみたいです。

やらないっていう選択はないわけですし、どうしたらやりやすいかを考えるのも重要ですね。

私も、寝る前にブラッドにちょっと話を聞いてみようかな、なんて思いながらお昼を食べて、午後のマナー講座に入りました。

基本の姿勢ができるまでは基本的にこちらはやることは変わらないそうです。

ただひたすらの反復練習なので、こっちよりは座学の方がまだマシかも、とか思っちゃいますよね。

座学をやってるとマナー講座の方がいいって思うのに。

本当、人間って面白いぐらいに都合よく物事を考えるものだ……。

まぁ、でもやっぱり繰り返してると少しはマシになるみたいです。

終わる頃にはかなり良くなったと褒めて頂けました。

社交辞令かもしれませんが。

でも褒められたらもうちょっと頑張ろうって思うから、やっぱり私ってチョロい人間なんですよね。

でもその方がこの世界では生きやすいかもしれません。

これから半年かけて色んな事を学びますけれど、こんな感じで進んでいくのなら気付けばちゃんとできてるかもしれませんね。

無理に覚えよう! って気張るんじゃなくて、できるようになるからやっていこう、っていう心意気でやりましょうか。

これを中高生時代に気付けてたら、もうちょっと勉強にも身が入ったんでしょうかね。

まぁ、今更悔やんだところで仕方ないんですけれど。

とりあえず、頑張りましょうか。

きっとなんとかなる。

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