第零話:異世界への憧れってありますよね。
割とよくある異世界転移ものです。
プロローグ部分になります。
本編は次話から。
皆さん、こんにちは。こんばんはかな、おはようございますかも。まぁ、ともかくはじめまして。
昨今、異世界転生とか、転移とか、そういう物語が流行ってますよね。色んな趣向を凝らした物語の数々、私も好きです。数多ある物語を読んできました。大学も3年目になっての現実逃避の合間にね。片っ端から、というには語弊は有りますが、多くの物語に目を通してきました。
乙女ゲームの悪役令嬢だったり、魔法世界の勇者だったり、タイムリープしたり。楽しいことばかりではありませんが、苦難を乗り越えて幸せを掴む。その中で愛を知ったり、教えたり。波乱万丈な人生に疲れてスローライフを送って見たり。神様の気紛れに振り回されてえらい目見たり。感動的な物語はやはり見ていると楽しい物じゃないですか。ワクワク、ハラハラ。次はどうなるんだろうと期待に胸を膨らませながら次のページを捲る。今の時代ならスクロールかな。
ともかく。現実にはあり得ない非日常。もしかしたら、という願いの塊みたいなそれは、キラキラと輝いて見えます。そしたらやっぱり、夢見るじゃないですか。
自分も異世界に行ってみたいなぁ、なんて。
その程度の憧れは、現実逃避にちょうどいいんですよ。私としてはカラオケで歌うくらい、日常的なことではあったんですよ。でもそれは、夢物語だから、許されるというか。現実逃避だから想像するものじゃないですか。結局、現実には魔法なんてものはないし、波乱万丈な人生なんてさほどあるわけでもないし。多くの人を意識改革できるような気概にあふれた人物なんてそうそういない。精々、今の生活に満足できないなら、変わりようのない現状が維持されている間に今後のための資金調達をするくらいでしょう。
憧れは憧れであるからこそ、意味を成すものである。まぁ、それが現実として実現できるような将来の夢であるのなら、憧れは憧れで終わらないのかもしれませんが。しかし大抵の人は憧れが現実になることはないのでしょう。そうであったらいいのに。その淡い願望が現実に即したものであるとは限りませんから。
つまりね、何が言いたいかって言うと、現実にならなくても良かったのになぁ……って。
私達の前には、いかにもな王様が玉座に座っている。