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白雪姫のものがたり  作者: ポク塚
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第二場 第一関門・第二関門・第三関門:バナナ・カキ・メロン

双子、かみしもそれぞれバラバラにハケ(画面の動きをつくるため)。なにやら話しながら、上手から鏡と黒雪がでてくる。



黒雪:ほーっほっほ。あのじじいに聞いたところによると、あのクソガキ、疑いもせずに食べてたそうですわよ。何でも、「さすが高級品!」とか言ってたらしくてっ。ほほほほほ。


鏡:あんたも、人がわりーなあ。そりゃあ、厳選したバナナなんて言ったら、たとえ市場で買った安物でも喜んで食べまっせ。なんせ、黒雪様が()()()()届けに来たバナナなんだもんよ。


黒雪:わざわざ、ですね。そりゃ、最初は一番大事なので。しかし鏡、あなたやるじゃない。まさかこんなにいい策を思いつくだなんて。


鏡:まあな。なんせあっしは、鏡の中の鏡だからな。謀略・策略、ちょちょいのちょいよ。


黒雪:少しだけ気になっているのですが……なぜ、あなたはそこまでしてくれるのですか? 質問に答えていただいた後も、わたくしの目的のための作戦まで考えてくださるだなんて。至れり尽くせりすぎて、逆にちょっと不安になってきましたわ、おほほ。



それまでニコニコ笑顔だった鏡の顔が急に引きつり、真顔になり、そして邪悪に笑いだす。鏡が、最前列の観客にのみ聞こえるような小声でつぶやく。



鏡:なんでそこまで、ねーぇ……。


黒雪:か、鏡さん?


鏡:あ、ああ。ごめんごめん。そりゃもちろん、面白そうだからだよ。あんたがあっしに、次期女王の名を聞いた時からすでに、この物語は始まってるんだよ。


黒雪:ふ、ふーん? まあいいわ、変なこと訊いたわね。


鏡:次期女王は白雪。そんな未来、あっしらで捻じ曲げてやりゃーしょ。とりあえず、計画の第一関門は無事突破。ここ乗り越えたら、あとは簡単だ。あっしがおぜん立てした最高の舞台、下手こくんじゃねーぞ、黒雪さん。


黒雪:もちろんよ。なにからなにまで本当にありがとうね、鏡さん。


鏡:おうよ。この国の次期女王は、白雪じゃねえ!



黒雪はうなづいて、軽快な足取りで下手にハケ。それを見送って、完全に黒雪ハケ後に鏡のセリフ。



鏡:……だからといっててめーでもねえけどな。



鏡、すっきりしたような表情で背伸びをする。



鏡:ん~、ぷはあ。しかし、知能指数の低いやつと話すのは疲れるぜ。おっとこうしちゃいられねえ、あっしにゃまだ、やることがあったんだわ。



やや駆け足で、かみてハケ。完全にはけてから、ナレ。



ナレ:一週間後、双子の家。


白雪:あれから一週間たつけど、やっぱり今日も来るのかな、アレ。


しろゆき:さあ、どうでしょうね。でも、七日間も毎日バナナを食べ続けてると、いくら最高級のものとはいえ飽きてきますよね。


白雪:そうよね~。あ! ノックの音がしたわよ、しらゆき。


しろゆき:はいはい。どうも、今日もバナナ……え?(ここはわざとらしく驚く。もともと、知っているため)



従者は一言も発さず、柿を渡してすぐ帰る。




白雪:どうしたのー? いつも通り、黒雪おばさんの従者さんがバナナを届けてくれたんじゃないのー?


しらゆき:あのー、なんだろう、いつもの従者さんなんだけどこれ、見たことない果物もらったんすよ。これって、いわゆる「軽犯罪法」に触れちゃってる可能性あるんすよ。だって、知らない食べ物を突然送り付けてるんだから。あなた、それ裁判で勝てますよ。


白雪:誰に話してるのよ、しらゆき。というか私、わかったわ。このオレンジさは、「柿」よ。小さいころ、城の図鑑で見たことがあるわ。


しろゆき:初めて見ますね……。どうです姉さん、先食べます?


白雪:い! いや遠慮しとくわ……しらゆきは食べないの?


しろゆき:それ、いわゆる毒見ですよね? まあいいんですけども。それが僕の使命なので。


白雪:ううん、そういう意味じゃいの! ごめんねしらゆき。


しろゆき:うん、甘くてこれまた美味ですね。何というのでしょう、鼻からカカオのように濃厚で甘美な香りが抜けていき、後味が最高です。


白雪:ほんと!? じゃあ、私も! ほんとだ、すっごいおいしい!



しろゆきは、それを見てにんまり笑う(できるだけ気味の悪い感じ)。



ナレ:その一週間後。


白雪:はあー、柿も、最初はおいしかったけどさすがに毎日はやっぱきついわね。あれから一週間たったわけだし、もしかして今日も別の果物が送られてくるのかな?


しろゆき:そうだったらいいんですけどね。僕も、そろそろ新しいものが食べたくなってきましたし。それと姉さん、どうしても柿が食べたくないなら、「生活保護」をお勧めしますよ。生活保護は嫌かもしれませんが、自己破産とともに行ってすっきりしちゃいましょう。


白雪:はいはい。あなたの、ことあるごとに生活保護を勧めてくるクセにはうんざりだわ。



ノックの音。



白雪:はいはーい。今日は、わたしが出るわ。



従者、メロンを渡して、先ほどと同様にすぐ立ち去る。



しろゆき:お。やっぱり今日は新しい果物になっているのですね。 それは……メロンですね。会食で、食べたことがあります。とてもおいしいですよ。


白雪:そうなの? じゃあ早速切ってたべよ。私切るから、しらゆきは待ってて!


しろゆき:おお、それはありがとうございます。



なんか背景で白雪がメロン切るふりだったり、食べるふりしてる中でナレ開始。ただし、ここでしらゆきが先に食べ始めちゃだめ。必ず、切ったメロンは白雪が最初に口にする。



ナレ:ふたりは毎日仲良く、黒雪からもらったフルーツを食べています。それにしても、黒雪と鏡の怪しげな策略とはいったい何なのでしょうか?(←ここ、ナレが自我もってるからかットしてもいい)

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