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ボルクス村 7

読んでやってください。

「ふぁ~あ~・・・・あ、寝てしまってた」


辺りを見廻す。

扉の開いた鉄格子。

石造りの壁に掛けられた幾つかの火の灯りがユラユラと蠢く。

門番のおじさんは階段の上かな?

この地下には今は居ない。


「つまり今は僕だけか・・・どれくらい寝てたんだろう?」


「コツ、コツ・・」


ん? 誰か降りて来る?

僕は階段の方に視線を固定した。


「ルダ君。晩御飯を持って来ましたよ」

「あ、ファルナ様。え? 僕の為に晩御飯を持って来て下さったんですか?」

「他に誰の為だと言うのです? 見た所誰も居ませんけど?」

「あ、その、すみません」

「何故謝るのです?」

「・・・・何となく」

「ふふ、ルダ君は優しい方ですね」

「そんな事ないですよ?」

「そんな事あるんですよ。それよりどうです居心地は?」

「えっと、悪くないですよ? むしろ静かに色々考えられるので」

「そうですか。それは良かった」


そう言いながらファルナ様は視線をチラッと後ろの方に向けた気がしたので、ぼくも追ってみると、階段下の地下牢入り口の影に隠れて人が一人立っているのが分かった。


「あれは?」

「気付かれましたか。あれはゴージャスさんの使用人の方です」


使用人? 暗くて良くは見えないけど、細く鋭い目がこちらを見ているのだけは分かる。


「使用人とは言ってますけど用心棒か何か、金で雇われた人でしょう。ちょっときな臭い感じがしますね」


僕に近寄り小声でそう教えてくれた。


「私がルダ君に何かしないか監視役で付いて来てるだけですから」


つまり、不穏な動きをすると随時ゴージャスさんに報告する役目があるのか?

それにしては異様な殺気を身に纏ってないか? ってそんな事まで分かるの僕?

これもラフタラーテ様の仕業か?


『おかげと言って・・』


「ん? ファルナ様今、何か言いました?」

「いえ?」

「そうですか」


誰かの声がしたような気がしたんだけどな?


「それにしても、何も無いわねここ」


辺りを観察するファルナ様。


「でも、窓も扉もない・・あれは通気用の換気口ね。それに・・」

「申し訳ありません」


ファルナ様が地下牢の様子を観察していると、後ろからその使用人が声を掛けてきた。


「あまり長くは居られません様に・・」


無表情でボソボソと話す男性。


「別によろしいではありませんか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


黙ってジーっとファルナ様を見る男性にファルナ様も強い視線で返される。

それでもジーっと見続ける男性にファルナ様の表情が少し強張った。


「分かりました。まああの場所にこれ以上姫様を一人で置いておくのも可哀想ですしね」

「何かありました?」

「ゴージャス殿がどうしてもと晩餐に招待なされたのですが、ずーっとご自分の自慢話と珍しい調度品や宝石類を貢ぎたいと執拗に言われておりまして、そろそろ戻ってあげないと爆発するかもしれません」


それは大変だな。


「しかしこのボルクス村の領主は、王家にも公爵家にも属さない、武闘派貴族の一派だったはず。その村の有力者とあまり関わると、色々面倒な事になるかもしれませんし、そろそろ帰ってあげましょう」


なんだか貴族というのも大変なんだな。

でもそうだよね。

フィネーナ姫様もファルナ様も貴族の方なんだよね。

しかもフィネーナ姫様はもしかしたらこの国の王位を継ぐ事も可能なお方なのに僕なんかにここまでしてくれるのはどうしてだろう?


「どうかしましたか?」

「いえ、その僕なんかにここまでしてくれるフィネーナ姫様やファルナ様に申し訳なくて」

「そんな事ですか」

「え?」

「ルダ君、あなたとあなたのお母様の話し私達は聞いていたのですよ?」

「そうですね?」

「でしたら、あなたの立場がこれからどんな事になるか想像がつきませんか?」

「・・・・・・夢の魔法師にはなれるかもしれませんね!」

「それだけですか?」

「他に何かあります?」

「はあ、自覚がないようですね。まあ今は良いでしょうけどそのうち分かります。という事でまた来ますね」

「え? あのうどう言う事でしょうか?」

「・・・ゆっくり考えておいてください。それと私達はこの地下牢の上の屋敷に滞在いたしますが・・・今晩辺り注意してください」


最後の言葉は僕が聞こえるかどうかの小さな声を残し来た階段を上がって行かれた。

今晩か、本当に皆が言うような事が起こるのだろうか?

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