表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/27

ボルクス村 2

「さて、これから忙しくなるな」

「そうね。特に現魔王様の容態もよろしくないと聞きます。その為に魔王候補を集めて次期魔王となる教育学校を聖教国を始め各国が協力して創設するとも聞きます」

「へえ、それは凄いな」

「それと、現魔王様の力の衰退と合わせて悪魔付きが多くなっているみたい」

「やはりそうか」

「世界が次の世代に変わろうとしてるのでしょう。その為にもルダ達には頑張ってもらわないとね」

「ああ、そうだな」

「騒がしくなるけど、レジーよろしくね」

「任せとけ! わが愛しき姫巫女」


真正面からリエナの瞳を見つめるレジー。


「その言葉、聞くのは十数年ぶりかしら? ちょっとキュン! としちゃったじゃない」

「いずれ近いうちにルダ君も、シェリーもここを離れる。そしたらまた一緒に暮らすか?」

「もう、旦那さんはどうするの?」

「あれはあれで愛してるわよ? でもシェリーに負けるのが怖くて逃げ回ってるんだから当分帰って来ないわよ」

「まあ、そう言う事なら・・その時に考えましょう。ふふ」

「さて、明日も忙しいからもう寝るか?」

「泊まってく? シェリーちゃんも居るから」

「・・・・そうだな。じゃあそうしようかな」

「何? 顔赤いわよ?」

「ふん! どうでもいいだろう! 行くよ!」

「はい、はい。あ、そうだシェリーちゃんには赤眼の民の事は話してあるの?」

「ああ、だけどその役目までは話してないし、ルダ君が対象になる可能性があるとも言ってないよ」

「そうなんだ。それにしてはシェリーちゃんってルダにベタ惚れよね? 何かあったのかしら?」

「まあ、そうだな。あったと言えばあったみたいだよ。ただ詳しくは聞いてないからね」

「ふ~ん、まあそのうち聞いてみようかしら?」

「何を?」

「ルダのどこが良いのか?」

「そんなの聞いてどうするのよ?」

「え~、だって親としては気になるじゃない?」

「そうか? 私は気にならないけどな?」

「レジーは昔からそうよね。色恋沙汰には本当に疎いものね?」

「ふん! 好きになった時が好きなんだよ!」

「何、それ?」

「自分が好きだと分かれば良いんだよ。他人の好き嫌いなんか興味ないんだよ!」

「じゃあ、いつ好きになったって分かったの?」


じーっとリエナがレジ―を見つめだした。

それに気付いたのか、プイっとそっぽを向くレジー。


「ずーっと昔だ!」

「ええ、教えてよ」

「・・・・・・・・・・知ってるくせに」

「ふふ、まあ知ってるけどね」

「あ~もういい! 今日は帰る!」

「え~、私を残して帰るの?」


さらに近づいて見つめ続けるリエナ。


「ああ! もう! そんな目で見つめるな! 分かったから! はあ~私をおちょくって面白いか?」

「だって、いつも凛として弱々しいところを見せないんだもの。ちょっとは慌てさせてみたいじゃない?」

「リエナじゃなかったら瞬殺しているわ」


膨れているレジーの頬に指を這わすリエナ。


「ごめんね」

「もういいよ。それでどうするの?」

「こうするのよ♪」


リエナは立ち上がると自分の人差し指を顔の前で立てると、テーブルの上に置かれた燭台に灯る火を、フーっと吹き消した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ