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名探偵はあてにならない。  作者: 龍
CASE:7 竜宮湖畔殺人事件
23/34

第23話  女王の負傷

◇あらすじ◇


 ゴールデンウィークを利用し、山梨県の竜宮湖畔で行われる謎解きゲーム「レイクサイド」に参加した出町と古野。だが、そこで本物の殺人事件が発生。そして、新たな悲鳴が……。


◇事件関係者◇


 魚原真吾(うおはら しんご)・・・ジャーナリスト。元々はまともな記事を書いていたが、最近はゴシップ専門。初日の夜、ボート乗り場で撲殺された。


 浦島光治(うらしま みつじ)・・・竜宮湖畔リゾートホテルのオーナー。「レイクサイド」の企画、運営を担当。


 鳥羽明夫(とば あきお)・・・初老の歴史学者。地元の大学で、竜宮湖の歴史について研究している。


 新藤雪彦(しんどう ゆきひこ)・・・鳥羽の助手を務める若い男性。事件当夜のアリバイがないため、疑われている。


 八重崎岳(やえざき がく)・・・気鋭の推理作家。代表作は『湖畔に死す』。園と気が合う様子。


 園真沙美(その まさみ)・・・少女漫画家。代表作は『センチメンタル・レイクサイド』。八重崎と気が合う様子。


 弓丘(ゆみおか)いずみ・・・話題のクイズ女王。得意分野は文学と歴史とのこと。


※浦島以外は、「レイクサイド」の参加者。

 悲鳴の主は園だった。出町と古野が階下の一室に駆けつけると、園は開け放たれたドアの前にへなへなと座りこんでいた。


「園さん、どうしたんですかっ!?」


 出町が声をかけるが、園には反応する気配がなかった。仕方なく出町と古野は、園の横をすり抜けて部屋へと入る。


「弓丘さん!!」


 その部屋はクイズ女王、弓丘の部屋だったらしい。その弓丘は、頭から血を流した状態でフローリングの床にうつ伏せに倒れていた。すぐさま出町は脈をとる。


「……よかった、まだ脈はある。古野、救急車だ! 早く!!」


「お、おう」


 相変わらず、普段のナマケモノっぷりからは想像できないような、探偵モードのきりりと鋭い出町だ。とはいえ、今はそんなことを考える余裕があるはずもなく、古野はまず救急車を呼んだ。



***



 ロビーに一同を集めた不動警部の顔は晴れなかった。古野は最悪の結果を覚悟した。


「警部さん! 弓丘さんはどうなったんですか!?」


 詰め寄る八重崎を警部は手で制した。


「地元の病院に搬送され、すぐに処置がなされました。幸い後頭部の傷は浅く、大事には至らなかったようです」


 それを聞いた一同は皆、安堵の吐息を漏らした。


「それはよかった。ということは警部さん、彼女に話を聞けば犯人が誰か分かるんじゃないですか」


 鳥羽が思いついたように声を上げると、警部は静かにかぶりを振った。


「いえ、彼女は後頭部を殴られています。もしかすると、犯人に不意打ちされたのかもしれません」


「そ、そうでしたか……」


 それならば弓丘は、犯人の顔を見ていないかもしれない。鳥羽は落胆の色を顔ににじませながらソファーに腰を下ろした。


「不動警部、ちょっといいですか」


 沈黙を守っていた出町が挙手しながら警部を呼んだ。


「……君か。どうかしたのか?」


「犯人が弓丘さんを殺そうとしたのは、想定外の事態だった、とは考えられませんか」


「……どういう意味だい?」


「魚原氏の殺害は周到にやってのけた犯人が、今度は誰かに目撃される危険性が高い中で弓丘さんを襲撃し、しかも彼女を殺すことはできなかった。明らかに計画的とは言いがたい乱暴な犯行ですよね?」


 警部は無言で何度もうなずいている。それを見た出町は続けて言う。


「恐らく犯人は、弓丘さんに何か都合の悪い物を見られたか、あるいは知られた。そこで急遽、口封じのために殺害を決意したと考えるのが妥当ではないでしょうか」


 なるほど、と古野は一人で感心していた。一方、警部はしばらく無言のままメモ帳に何かを書きこんでいたが、不意に顔を上げて出町に向かって拍手をした。満面の笑みをたたえている。


「ブラボー。さすがに素晴らしいですね、出町くん」


「……はい?」


 出町を厄介者扱いしていた先ほどまでとは打って変わった高評価に、出町は眠そうな目をぱちくりさせている。


「いやあ、君のことを調べさせてもらったんだよ。そうしたら、何度か殺人事件を解決に導いた名探偵だっていう評判じゃないか。何で黙ってたんだい?」


「ああ、いや……まあ、自分から言うほどのことでもないかと思ってるんで」


「まあ、気づいたことがあったら何でも聞かせてくれないか」


「ええ、いいですよ」


 警部は満足そうにうなずいている。仮にも刑事ともあろう者が民間人の助けを借りていいものだろうかと古野は疑問に思ったが、この方が出町にとってはやりやすいだろうから、助手として黙っておくことにした。

 その後、形式的なアリバイ確認がなされたが、第一の事件とは異なり、誰一人としてまともなアリバイをもっていなかった。



***



 不動警部と出町、古野は食堂に移動し、そこで一人ずつ話を聞くことにした。古野は出町の助手ということで同席を許された。


「何でも質問してくれていいからね」


 警部がそう言うと、出町はあくびを一つしてからゆっくりとうなずいた。それを確認した警部が合図をすると、ドアが遠慮がちに開けられて鳥羽が入室してきた。腰をさすりながら、古野たちの前の席にテーブルを挟んで座る。


「えー、鳥羽明夫先生ですね」


「はい。竜宮湖とその周辺の歴史を物好きで研究しています」


 警部の質問に答えてから鳥羽は一つ咳払いをした。


「アリバイについては既にうかがいましたので、ここで質問したいのは以前この湖を訪れたことがあるかどうかということと、魚原氏を知っているかということなんですが……前者はどうやら愚問のようですね」


 警部はそう言いながら頭をかいている。


「ええ、まあ。研究のために何度も訪れています」


「湖の底に遺跡が見つかったとか」


「はい。まあ、話せば長くなるんですが、この湖自体は数万年前の火山活動でできたものなんですね。何しろ美しい湖ですから、ここを中心に栄えた集落もあったと考えているんです。それがちょうど縄文の頃かなと。ただ、小判なんかも出土しておるもんですから、それ以降もここにムラがあったのではないかというのが私の説なんです」


 鳥羽は研究のこととなると相変わらず饒舌だったが、どことなく元気がないように古野には感じられた。2つも事件に遭遇すれば無理もないとは思うが。


「では、魚原氏のことは知ってましたか?」


「いえ、今回が初対面です」


「そうですか……。出町くん。何か質問は?」


 警部が出町に声をかけると、出町は「じゃあ、一つだけ」と言って鳥羽をしっかりと見据えた。


「助手の新藤さんですが、彼はいつから助手になられたんですか?」


「新藤くんか……。彼が私のところに来てからまだ1年も経ってないんではないかな。昨晩君に言ったと思うが、私は妻を亡くしていてね。それから研究一筋になったんだが、何しろ年寄りで腰も痛めてね。これではフィールドワークが厳しいと思って助手を募集したところ、彼が来たんだ」


「それまで彼は何をしていたんでしょう?」


「さあ、それはよく知らんな。私もあれこれ詮索はしなかったし」


「そうですか……俺からの質問は以上です。ありがとうございました」


 鳥羽はまた腰をさすりながら食堂を出ていった。


◇◇◇


 次に入ってきたのが新藤だった。やや不機嫌そうなのは不動警部に疑われたからだろう。


「……新藤雪彦さん。鳥羽先生の助手をしていらっしゃるんですね?」


「はい」


「ではまず、以前にこの湖を訪れたことはありますか」


「先生に同行して何度か。それ以外で来たことはないです」


「魚原氏と面識は?」


「だから、ありませんよ! 自分は殺してません!」


 つい熱くなった新藤に警部は一言謝ると、助けを求めるかのように出町にバトンタッチした。後を受けて出町が質問を始める。


「新藤さん、鳥羽先生の助手になられた経緯について聞かせてもらえますか」


「……去年の今頃だったかな。ちょうど職を探していたとき、先生に助手として雇ってもらったんだ。まあ、自分はあまり優秀じゃないから先生には苦労をかけてるけどね」


「そうでしたか。分かりました。ありがとうございます」


 新藤は警部を見つめてフンと鼻を鳴らしてから、そそくさと出ていった。


「一応、鳥羽先生の話ともおおよそ合致してるな……」


「でも出町、第一の事件でアリバイがなかったのは彼だけだったろ?」


「いや、そこで結論を出すのはまだ早すぎる」


 出町は静かにかぶりを振ると、警部に先を促した。


◇◇◇


 園は泣きはらした顔で入ってくるなり「あたしは犯人じゃありません!」と大声を出した。不動警部が何とかなだめると、園はようやく席についた。


「お名前は園真沙美さん。漫画家ということでよろしいですね?」


「……はい。主に少女漫画を描いてます」


「では園さん、以前にこの湖を訪れたことはありますか」


 園は少し落ち着いた様子で、しばし首をかしげてから答えた。


「あります。『センチメンタル・レイクサイド』という作品に出てくる湖のモデルが竜宮湖で、その取材に」


「なるほど……。では、亡くなった魚原氏との面識はありますか?」


「知りません。あたしは、あまり世間に敏感なほうではないですから」


「そうですか……」


 そこで警部は出町に目で合図を送った。だが、出町はあくびを噛み殺していたので古野が脇腹を小突いてやるとあわてて園に向き直った。


「あ、えーと、そうですね……。八重崎さんとかなり親しくされているようですが、彼との面識は?」


「ありません。初対面です。彼とはクリエイターどうし、気が合っただけのことよ」


「ああ、そうでしたか。ではこれで結構です」


 園は、自分は犯人ではない旨を警部に念押ししてから早足で食堂を出ていった。


◇◇◇


 右手をズボンのポケットに突っこみながら入ってきた八重崎は、やや固い表情で席についた。不動警部が「緊張しなくても大丈夫ですよ」と明るく言ったが、あまり効果はなかった。


「ふう。ええと、八重崎岳さん。推理作家でいらっしゃる?」


「はい。そうですが」


「では質問させていただきます。今回の企画以外で、以前にこの湖を訪れたことはありますか」


「取材でならあります。『湖畔に死す』という作品ですが……」


「ははあ、竜宮湖がモデルになってるわけですか」


「まあ、そういうことです」


「魚原氏のことはご存じでしたか」


「はい。実は以前、彼に取材を受けたことがありまして」


「ほう。それはいつのことでしたか」


「3年くらい前かなあ。彼は真面目そうなジャーナリストでしたけどね」


 八重崎がそこまで答えると、今度は出町が身を乗り出して質問を始めた。


「魚原氏について聞きたいんですけど……」


「どうぞ。僕に分かることなら」


「彼はレコーダーを持っていましたか」


「? ああ、たしかいつも2つ持ち歩いてるんじゃなかったかなあ。1つは予備でね」


「そうでしたか……。あともう1つ。彼は以前どのような取材をしていたかご存じですか」


「僕が聞いたのは歴史専門だということぐらいかな。ああ、それと皇族の歴史についても彼は詳しかったと記憶してるよ」


「……よく覚えてますね」


「記憶力はいいほうなんだ。また聞きたいことがあったら何なりと」


 少しおどけた口調でそう言うと、八重崎は少し緊張の和らいだような顔で出ていった。


「……なあ、出町。レコーダーがどうしたんだよ?」


 だが、出町は古野の質問には答えず、腕組みをしたまま何かを考え続けていた。


◇◇◇


「いえ、私には魚原様との面識はございません」


 最後は浦島オーナーだった。額に浮かべた汗をブルーのハンカチで拭いながら、いつも通りの丁寧な口調で不動警部の質問に答えている。


「もう一度聞きたいんですが、『レイクサイド』の参加者の選考は本当に無作為に行われたんでしょうか?」


「もちろんでございます」


「そうですか……出町くん、何かあるかい?」


 出町はここでも何も答えなかった。警部が浦島に礼を述べると、浦島はゆっくりと食堂を出ていった。



***



「なあ、出町。さっきから黙って何を考えてるんだ? いい加減教えてくれよ」


 不動警部が出町に何かを耳打ちされて食堂を出ていった後、古野は出町の話を聞こうとしていた。ワトスン特有の直感とでも言うべきもので出町が何かをつかんだことに気づいたからである。何度か呼びかけた後、ようやく出町は口を開いた。


「とりあえずアリバイの謎は解けそうだ。これで新藤さん以外でも犯行は可能ということになった」


「本当か!? 犯人はどんなトリックを使ったんだ?」


「その話は後回しだ。それと、ダイイングメッセージか……」


 出町はだるそうにスマホを取り出すと、何かを調べ始めた。


「古野、ダイイングメッセージ、何だっけ?」


「ええと……。『74』じゃなかったか?」


「それだ! うーん……74……74。おお、あった。やっぱり思った通りだ」


「解けたのか? メッセージが」


「ああ。ついでに、なぜ弓丘さんが狙われたのかも分かったよ。これで九割九分、犯人はあの人だ」


「誰!? 誰だ!?」


「あわてるなって! まだ動機と証拠がない」


 そう言って出町がのそりと立ち上がるのと、不動警部が息を切らせて食堂に入ってくるのがほぼ同時だった。


「不動警部、分かりましたか」


「ああ……何とかね……ふう~」


「……まずは息を整えましょう」


「ふう。……ああ、そうだね」


 警部はしばらくゆっくりと息を吸ったり吐いたりしているうちに、少しずつ呼吸を整えていた。よほど急いで走ってきたのだろうか。


「ふう。さて、まず魚原の過去について。八重崎の言う通り、彼はずっとフリーで皇族の取材を繰り返していたらしい。大学時代も日本史を専攻してたようだな」


「ふーむ……続けてください」


「転機は2年前に訪れた。ある交通事故に遭遇した彼は、事故直後の現場の様子を写真に収めて事故の凄惨さを正確に伝えたことが評価され、その年のジャーナリスト大賞を受けてるんだ。そのことが彼を酔わせたんだと思う。ずっと地味な取材を続けてきた彼にとって、突然転がりこんできたスクープの味は魅力的なものだっただろう。それ以来、彼はゴシップ記事ばかり書いて世間の評価を得ることにばかり腐心するようになってしまったらしい」


「事故……ですか」


「ああ。ただ、彼のジャーナリスト精神は評価されたわけだが、一方で彼が事故の被害者を救出できたのに、それを怠ったのではないかとの批判も受けてるんだ。現に、その事故で女性が1人死亡している。その女性が何と……」


 警部の口から出た名前は古野にも聞き覚えのあるものだった。


「ま、まさか。あの人が……」


 愕然とする古野をよそに、出町は何度もうなずき、納得の表情を浮かべていた。


「それで警部、レコーダーについては……?」


「ああ、念入りに調べさせたんだが、魚原はどこにもレコーダーを持っていなかったよ」


「2つともですか? 八重崎さんの話では、魚原氏はレコーダーを常に2つ持ち歩いているとのことでしたが……」


「1つもなかったよ。間違いない」


「うーん……。おかしいな、1つないのはいいとして、もう1つもないというのはどういうことだろう……?」


 何を考えているのか、古野にはさっぱりだった。不動警部は一つ息を吐くと、メモ帳を取り出してまた何かを書きこみ始めていた。


「……警部さんは相当なメモ魔ですね」


「ああ、まあそうだね。書いとかないとすぐに忘れてしまう気がして……ん、どうした出町くん」


 警部につられて古野も出町を見る。出町の視線は、メモをとる警部の手に釘付けになっていた。


「そうか……。そういうことだったのか……」


 そう言って出町は苦笑いを浮かべている。


「やっぱり俺はダメダメだな。こんなことに気がつかなかったなんて」


「出町、それじゃあ……」


「ようやく真相が見えたよ、古野」



***



 夜の竜宮湖もまた美しい、とその人物は思った。おまけに今日は月夜だ。弱い風が吹き抜けるたび、湖面が静かに揺らいでいるのがはっきりと見える。

 その人物は手近なボートに乗りこみ、オールを手に取った。


「素晴らしい夜だ……」


 無関係の弓丘さんに危害を加えてしまった以上、もう自分に生きている資格はない。それならば、せめてこの美しい湖の真ん中でひっそりと命を絶ちたかった。もうすぐそれが叶う。こんな美しい夜に、こんな美しい場所で死ねるのなら案外悪くないことのように思えた。

 ふと流れた涙を拭い、オールに力をこめていざこぎ出そうとしたその時だった。


「待ってください!」


 後ろから声をかけられてその人物は飛び上がりそうになった。事実、やや体が揺れたせいかボートが少しばかり動いて、あわててバランスをとった。


「あなたにはまだ話してもらいたいことが山ほどあります。ここで死んでもらうわけにはいきませんよ」


 声の主は出町という高校生だった。見ると彼だけではない。懐中電灯を持った彼を囲むように、刑事や「レイクサイド」のメンバーが集まっていた。


「……よく分かりましたね、出町くん」


「最悪の結果を想定したまでです」


 出町は少しずつにじり寄ってくる。


「やっと分かりましたよ。あなたが魚原氏を殺し、弓丘さんを襲った……そう、あなたが犯人ですね」

◇被害者◇


 魚原真吾・・・撲殺

 弓丘いずみ・・・(未遂)


◇犯人は誰か?◇


 浦島光治

 鳥羽明夫

 新藤雪彦

 八重崎岳

 園真沙美


 次回、いよいよ解答編! お楽しみに!!

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