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名探偵はあてにならない。  作者: 龍
CASE:1 或る村での出来事
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第1話  探偵クラブ

 よろしくお願いします。久々の投稿です。第一回はかなり短めですが、徐々に長くなる予定です。



 東都高校と言えば、都内ではけっこう名の知れた私立の名門だ。文武両道、質実剛健の具現化とまで言われるほど人気が強い。と、そこの生徒である俺が言うのはちょっとまずいか。


 俺は古野直翔。東都高校の2年C組だ。自分で言うのも何だが至って普通の高校生だ。勉強も部活も学校生活もあんまりパッとしない。何となく大人になっていくパターンの人間だ。そこはご理解頂きたい。


 では、そんなごく普通の俺がどうしてこんなもん書いているか?それが本題だ。


 さっき部活も普通だって言ったが、確かに俺は普通だよ。だけど、活動内容とそこの部長が普通ではないんだ。


 探偵クラブ。それが我が部活の名だ!


 うん、実はまだ「クラブ」であって「部」ではないんだ。まあ、それは良い。何となく想像できるとは思うが、探偵の真似事やってるしょうもないクラブだ。俺はそこのしょうもないメンバーの一人というわけだ。


 さて、そろそろクラブ長の説明をさせてもらおう。クラブのメンバーはたった2人。俺とそいつだけだ。これが女子ならラブコメの始まりを予感させるが、残念なことに正真正銘の男だ。名前は出町昇之介。俺と同じ2年C組。固い名前だが、とにかく俺とは正反対の優等生だ。探偵クラブの創設者で、探偵としてのスキルも本物。唯一の欠点は……。まあ、これは後に回そう。


 名門校の変人の吹き溜まりとからかわれる探偵クラブは、書庫という僻地にありつつ今日も頑張っている!




 小早川さおりから依頼が舞い込んだのは、もうすぐ冬休みに差し掛かろうかと言う師走の15日のことだった。


 さおりさんは、2年A組のマドンナ的存在。長野の名家の出身とは聞いていたが、あんまり詳しい話は入ってきていなかった。今時珍しい黒髪の美少女で、前からちょっと憧れていたりする。


 そんな子が依頼に来るとは夢にも思っていなかった。実際、一度は夢である可能性を疑った。


 出町はまだ来ていなかったので、とりあえず部室(書庫)に入ってもらった。彼女は雑然と積まれた古本に一通り驚嘆を見せた後、安い合成皮革のソファーに座る。


「ごめん。何もなくて」


 茶菓子くらいあればよかったのに。いや、その辺を探せば何かあるだろうが、とてもさおりに出せそうな代物ではないと思われるので遠慮しておく。


「それで・・・」


 とっとと依頼の話を切り出してしまおうかと思った時、ドアがするすると開いて出町が眠そうな顔を出した。やっとおでましか。にしても、せっかくの顔もこれじゃあ台無しだよ。


「相変わらず眠そうね。出町くん」


「あれ、小早川さん。どうしたの?こんなところで」


 あくびを噛み殺しながら来客に話しかけている。うん?今、相変わらずって言ったか?


「小早川さん、出町のこと知ってるの?」


「うん。噂には聞いてるよ。書庫の変人の話。廊下で何度か見るけどいつも眠そうな顔してるから覚えてたってわけ。それで今日、依頼に来たってわけなんだけど・・・」


 出町は状況を把握したのか、荷物をその辺に放ってデスクに突っ伏して寝息をたてていた。よくそんだけ眠れるもんだよな。


 そう、これが出町の悪癖。超がつくナマケモノ。一日の半分以上を寝て過ごし、疲労を極度に怖がるのだ。まあ、推理の凶暴性を讃えて好意的な意味でもナマケモノと呼んでいるんだけど。


「それで、その依頼というのは?」


 ナマケモノをよそに、さおりは依頼内容をゆっくりと語り始めた。


 次回、いよいよ最初の事件が起こる!!



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