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物語の、卵

作者: ユウギツネ

浮かんでは沈んで

産まれては消える

物語の原形、卵

どんな話にしようか

どういう話を作ろうかと

卵を産み落としては

これじゃない これは違うと云う

そうして思考の海へ旅立ち

その道程に卵を棄てて

海の果てで正しい物語を見つけて

育まれる卵は 愛されて形を伴う

なら 棄てられた卵は

人に産み落とされ 人に棄てられ

二度と卵は日の目を見ない

育て書こうとしたならば

きっとそれも良い物語に成る筈の

卵は

別の人が 産んだならば或いは

大切に育てられ 形を 作られた筈の

卵は

その人が産みその人が棄てたばかりに

思考の海へ沈んで 眠り

きっと二度と目覚める事無く

深く深い海の底で 泡となって

消えていくのだろう

その音を、残滓を、聴けるのは

産み落としたその人だけ

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