序章
気づくと俺は光に包まれていた…
光はどこか暖かく懐かしい感じもしそれとは別に悲しみや怒りがあるなんとも説明のしづらい光であった。
光が弱くなっていくにつれて、周りが見えてくる…
前を向くと、大きな椅子に豚のように肥えた偉そうな人、その横には数人の女性。
右を向くと、同じ銀色の鎧を着た騎士達、左には、魔法使いの帽子をかぶった人達。
「………ここ…は……?」
光が収まると同時に俺はそう呟いた。
「ようこそ、勇者よ、我はバビロン王国国王バビロン18世だ」
豚のような人がそう言った。そして続ける
「実は、魔王がこの国に侵略をしようとしておるのだ、それを乗り切るために、お主を召喚させてもらった。さてーーーーー」
バビロン18世が話を続ける中俺は状況を整理する事にした。
(はぁ〜、勇者としての異世界召喚なんて、アニメかよ…てか、異世界召喚ってことは俺チート能力持ちなのか?今は解らないからから置いておくとして、他にも異世界といえばハーレムとか奴隷を助けるとかケモ耳をモフるとか!キタキタキタキターーーーー!!!ちょうど日常に飽きてたんだ、これはとんでもないプレゼントだ!)
変な妄想を膨らませながら、早く旅に出たいとばかりに、王の話を遮り
「解った、任せてくれ魔王は俺が倒すッ!」
自信ありげにドヤ顔で言い放ってやった。
「ふむ、いい意気込みだ、では魔王討伐はお主に任せた自軍は国の防衛に当たる。して、主の名前を教えてくれぬか。」
そう訪ねてくると、大きな声で
「俺の名前は、紅昴だ!」
と、堂々と名乗った。
「ふむ、スバルよ、ではここにある武器と装備を、後活動には金がいるだろうから活動資金だ、持っていけ、後武器は剣が嫌なら槍なり弓なり見繕う」
そう言って、王は俺の前に大きな袋3つ分の金貨と、すごく性能の良さそうな武具と防具をくれた
「ありがたくいただきます。では、武器の方なのですが、鎌って、ありますか?」
そう訪ねた。
え?なぜ鎌なのかだって?それは俺が鎌を振り回すのに憧れているからさ!
すると王は
「鎌とはまた珍しいやつだのぉ、確かとても性能のいい鎌があったはずだ、おいアレク持ってこい」
アレクと言われた男…銀色の鎧を纏った騎士の中で1番大きな男が、はっ!と答えてすぐに部屋を出ていった。
「さて、鎌を探させているうちに主には文字を覚えてもらおう、流石に文字が読めないのは不便だろう、そこの魔道士に付いていけ教えてくれるだろう」
王はなんだか楽しげにいった。
「では、そうさてもらいますね。」
そう言い残し俺は魔道士達と部屋を後にした。
そして気のせいだろうか、豚王のとても愉快な嗤い声が聞こえた…