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第65話決着、そして波乱

 カグヤとの戦いに終止符をつけた俺は、何とかしてココネを鎖から開放。ココネ自身、まだ目を覚ましていないが、大丈夫なのだろうか?


(とにかく今は、ここから出ることが最優先だよな)


 俺はココネを背負い何かが起きる前に、部屋を出る。カグヤは……目覚めたら自分で何とかするだろうから心配ないだろ。


(これで本当に終わったんだよな?)


 ココネは無事に救出したし、この後もしかしたらこの世界にいる魔物を除去することができる。そうすれば今まで起き続けてきた惨劇にも終止符がつくし、この先の世界は安泰だろう。ただ、一つだけ不安要素があるなら、ココネ自身の体だ。刻印の力を使ってしまった以上、この先彼女に何が起きるのか分からない。


(でも大丈夫だよなきっと)


 もうこいつは一人じゃない。仲間がいるし、俺だっている。だから……。


「う……ここは……?」


 そんな事考えながら歩いていると、ようやくココネが目を覚ました。


「ようやく目覚めたか、ココネ」


「ケイイチ? どうしてここに」


「お前を助けに来たからに決まっているだろ」


「そっか……。そういえば私捕まっていたんだっけ……」


「忘れていたのかよ」


「気づいたら真っ暗闇の中にいたから、分からなかったのよ」


「そっか」


 会話をしながら歩くこと五分、ようやく入口が見えてきた。


「私お腹空いたから、帰ったらすぐに飯にしなさいよ」


「俺だってお腹ペコペコだっての」


 そして外へ出る一歩を踏み出す。これで全てが終わるんだ。そう、全てが……。


「え?」


「な、何だよこれ」


 しかし外で待っていたのは、一面に広がる大海原。橋がし っかりとかかっていたのに、その気配すら見えない。


「もしもの事に備えておいて正解ですよ。あなたが渡り終えた直後に兵士ごと橋を壊させていただきました」


 その光景に唖然としていると、背後から声が聞こえる。


「ケイイチ、危ない!」


「え?!」


 ココネの声とともに俺は突き飛ばされ、海に落とされる。俺を突き落としたのはカグヤではない。ココネだった。


「ぶはぁ。い、いきなり何を……」


 突然の事で驚いて慌ててココネの方を見ると。そこには……。


「ココ……ネ?」


 俺がココネを助けるあまり、置いてきてしまっていた剣で腹部を貫かれているココネと、その背後で狂気じみた顔をしているカグヤの姿があった。


「どうやらこの勝負、私の勝ちのようですね」


「ケイ……イ……チ」


 剣を引き抜かれ、その場に崩れ落ちるココネ。そしてそのまま彼女は海に落ちていった。


「ココネぇぇ!」


「ウフフフ、アハハハハハ」


 完全に狂っているカグヤの笑い声を最後に耳に聞きながら、俺はココネを追い海深く潜っていく。


(こんな、こんな事って……)


 早いうちにココネの救出に成功。しかしこのまま海に上がれば、カグヤが待ち受けている。どうすれば……。


(もう息がもたない)


 どこか安全なところに行きたいが、ココネを連れた状態じゃ、大きな移動なんてできない。つまり完全な手詰まり。


(ちくしょう!)


 俺はココネを抱きしめながら、もうすぐ迎えるであろう死を覚悟して、ゆっくりと目を閉じるのであった。


■□■□■□

『……では、無事なんですね……』


 声が聞こえる。どこか遠くから。


『このまましばらく安静にしていれば……』


 しばらく安静? もしかして俺の事を言っているのだろうか? でも俺はあのまま海の中に落ちていって……。


『波打ち際に打ち上げられていた時は、どうしようかと思ったけど、無事でよかった』



 どんどん声がはっきり聞こえてくる。聞いたことがない声だ。


(もしかして俺……助かったのか?)


 波打ち際とか言っていたから、恐らくどこかに流れ着いたのだろうか。


(ココネは? ココネは大丈夫なのか?)


 確認したくても瞼が重たくて開けられない。どうやらまだ寝ておいたほうがいいのかもしれない。


(とりあえず今はゆっくり……)


『そういえば聞きました? 彼と一緒に流れ着いた彼女、重傷らしくてもしかしたら……って話』


『ああ聞いた聞いた。結構危ないらしいわね』


「その話詳しく聞かせて!」


 話題が突然ココネになった事に反応した俺は、重い瞼を無理やり開けて、思わず大きな声を発してしまった。


「え?」


「あ、起きた」


 俺が突然起きたことに驚く女性二人。まあ、それは驚くよな。


「あ、え、えっと……ど、どうも」


「よかった目が覚めたんですね。二日くらい寝込んでいたから結構心配していたんですけど、無事でよかったです」


「もしかして助けてくれたのは君たち?」


「うん。私達だよ。二日前にこの島の波打ち際で倒れていたところを助けてあげたんだ」


「そっか……ありがとう」


 見た感じ二人は姉妹か何かだろう。顔立ちと体格がすごく似ている。とりあえず二人に感謝の言葉を述べたあと、肝心のココネの事を聞いてみることにした。


「それよりももう一人の子が危ないらしいって言っていたけど、詳しく教えてくれないかな」


「えっと彼女のこと? 実は何かで刺された跡があって、そこからの出血が酷くて重体みたいなの」


「重体? ココネが?」


「そうなんです。って、ココネってもしかしてナルカディア王国の……」


「あ、えっと。実は……」


 ここで早めの種明かし。別に隠すつもりはなかったけど、重体と聞いたら無視できない。


『えー!』


 そして二人の反応は、当然驚きを隠せないご様子。さすがは姉妹。息がピッタリだ。


(でもそれよりも……)


 ココネが重体って、折角助け出したのにこれじゃあ全てが水の泡じゃないか。


(どうしてこんな事に……)


  由奈達の事も心配だし、果たして俺達はどうすればいいのだろうか?




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