第4話
説明回と言いましたが説明が少なくなってしまいました。
あと3話位で本格的なダンジョン経営なると思います。
暗闇の中で俺は目が覚めた。昨日の疲れも残っていない。
俺は頭の中でスイッチを押して電気をつけるイメージをする。
すると突然、明るくなって周りが見えるようになった。
昨日、しばらくかかって、やっと見つけた灯のつけ方と消し方だ。
次に隣のコントロールルームへと行く。この部屋には常に灯がついているのだ。
モニターで時間を見てみると、午前8時だった。遅いわけではないが、決して早くはない。
もう1つの扉をノックしてみる。返事がない。寝ているのだろうか。
もう1度ノック。
やはり、返事はない。
鍵はついていないので扉を開けようとする。
すると、中から声がした。
「ちょっ、ちょっと待っ・・・。」
俺は慌てて開けるのをやめようとするが、急に止めることなどできるはずもなくそのまま扉は開いてしまう。
扉の向こうでは着替える途中だったのか、下着姿の樹がこちらを向いた状態で固まっていた。
そして
「きゃああああ」
と、普段からは想像もできないかわいらしい声で悲鳴をあげた。
俺は慌てて扉を閉める。
普段の口調と、中性的な見た目のせいで分かりにくいが、樹はれっきとした女の子だ。
だが、俺はそのことを忘れて男として接してしまうことが偶にある。
普段は注意しているのだが、1ヶ月程会ってなかったため油断してしまった。
ノックに返事をしなかった樹にも非があるが、俺も不用意に開けるべきではなかった。俺は先程の行動の行動を反省する。
ただ、1つ気になることがあり、俺は呟いた。
「俺って、いつの間にあんなイベントを起こすような、主人公体質になったんだ?そういうのは、あいつの役目だろ。」
「確かにね。そういうのは間違いなく、克也の役目だ。」
答えを期待していないただの独り言だったが、どうやら聞かれていたらしい。
いつの間にか、樹が着替えて部屋から出て来ていいた。
樹の頬が若干赤いのは、さっきのが原因だろう。
「さっきは悪かったな。」
「いや、あれは僕も悪かった。早く返事をするべきだったよ。」
さっきのが、偶然が重なった事故だとわかっていいるようだ。
そして自分にも非があると理解し、むやみやたらにと怒ったりしない。
着替えを見られたのにだ。
こういうところが樹のいいところであり、俺が女子であっても親友と呼べる程仲良くなれた理由である。
他の女子ではこうはいかない。
そして、樹は真顔になって言った。
「だけど、僕の下着姿を見たからには責任はとってもらうからね。」
「なっ!?」
・・・前言撤回。
他の女子より、厄介だった。何で仲良く出来たんだ、俺。
まあ、今回は仕方ない。
どちらにも非はあるといっても、見たのは事実だからな。
「冗談だよ。驚いた?」
と、いたずらっぽい笑みを浮かべながら樹は言ってきた。
真顔になった時、冗談で何か言ってくるとは思ったが、まさかあんなことを言ってくるとは。
不覚にも驚いてしまった。
「はいはい。驚いた驚いた。」
「ふふ、本気で驚いたくせに。」
「くっ、まあいい。それより朝飯だ。昨日は何も食べずに寝たからな。」
「そうだね。僕もかなりお腹が空いてる。」
「それは、1ヶ月間ずっと点滴だったからじゃねえのか?」
「それは・・・あるかもしれない。」
「それじゃあ、固形物はまずいな。お粥かなんかにするか。」
「そんな。別に僕に気を使わなくても、裕人の好きなようにしたら・・・。」
「いいって、いいって、気にすんな。」
そんなことをいいながら、ショップでお粥を2人分購入。モニターの前に現れたそれを1つ、樹に渡す。
「あ、ありがとう。」
樹は何やら顔を赤くしてそれを受け取る。
何をそんなに照れてるんだか。
床に座って飯を食いながら、今日の予定を話し合う。予定がだいたい決まると話は雑談、主に向こうの世界のこととなる。
「あっちはどうなってんのかな。」
「いきなり、どうしたんだい?」
「いや、いきなり俺が消えて騒ぎになってないかなー、って思ってな。」
「それなら僕の方が大変だね。なんの前触れもなく、動けない人間が消えたんだから。」
「いやいや。田舎のじいちゃんちに向かったはずの俺がいなくなるのも相当だろう。」
「いや、君の場合消える理由が色々と考えられるだろう。」
「なんだよ、その色々と考えられる理由って。」
「うーん、そうだねぇ。例えば、僕の目が覚める可能性の低さに絶望したとか。」
「おいおい、さすがにそんな理由で消えたりはしないぞ。」
「僕じゃ理由にならないのかい?」
いきなり、樹が少し不機嫌になった。表情は変わってないように見えるが、俺にはわかる。
「いやそうじゃないって。だいたい、可能性がなかったわけじゃないし。そもそも、俺がいきなり、消えたりするはずないだろうが。」
すると樹は何か呟いた。
「そう・・・・き・ない・・・って・・・・よ。」
「なんだって?」
樹がなんて言ったのか、声が小さくて聞こえなかった。
「いや、なんでもない。裕人は気にしなくていいよ。」
「うーん、まあいいか。それより重要なことがあるしな。」
「重要なことってなんだい?」
「向こうにいる克也のことだ。」
「何か問題でも?克也はいなくなったりしないと思うけど。」
「あいつ、俺達を心配してあちこち探し回るぞ。」
「あっ、そうか。」
「無茶してなきゃいいがな。」
克也とは俺達の親友であり、俺の幼なじみのことだ。
俺は少し、向こうのことを思い出す。
私立青学園高校の2年生である俺には、親友が2人いる。
そのうちの1人が、俺の幼なじみである小野田克也だ。
こいつのスペックはそんじゃそこらの人とは桁が違う。
身長180cm、成績優秀でスポーツ万能。
クラスの人気者で誰にでも優しい超美形。
まさに、神に愛された男だ。
こいつの名前は校内どころか、近所にも知れ渡っている。
もう1人が、ここにいる篠田樹。
こいつとは中学に入った時、俺がたまたま隣の席だったことがきっかけで仲良くなった。
樹は、肩にかからない程短く切った髪と中性的な顔は美少年にも見えるが、文句なしの美少女である。
こいつも克也には劣るが、成績優秀でスポーツもできる。
そしてこの俺、柳田裕人。
自分で言うのもなんだが、成績は優秀でスポーツも出来るし、顔も悪くない。
ただ、克也には少し及ばない。
向こうではよくこの3人で行動していた。
しかし、それは1ヶ月前に樹の事故によって変わった。
よく一緒にいるのが3人から、2人になった。
そして今度は、俺がいなくなった。
克也は間違いなく心配している。
だから、俺達は生き残らなければならない。
自分のためだけでなく、向こうにいる大事な人達のためにも・・・。
そんなことを考えているうちに、飯も食い終わった。
顔をあげると、樹がこちらをじっと見ている。
「なんだよ?」
「いや。突然黙ったからどうしたのかと思ってね。」
「なんでもねえよ。」
「克也に心配掛けないためにも、生き残らないとね。」
「わかってるなら聞くな。っていうか、なんで俺の考えがわかる?」
「考えを読める程度の付き合いの長さはあるつもりだよ。」
「どんなに付き合いが長くても、考えを読めるようにはならねえよ。」
「そうかな?」
「そうに決まってんだろ。」
「じゃあそういうことにしておくよ。」
「適当な返事だな。まあいいや、飯も食ったことだし始めるか。」
「そうだね、始めよう。」
ダンジョンを作るために、俺達2人はまたモニターに向かって作業を開始した。
次回も説明です。
また、これからは最低でも今回位の文章量はあるようにしていきたいと思います。




