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アンナの理想(全年齢向け  作者: もちごめ


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3人で集まってはネックレス作りに明け暮れた。

アンナに至っては学び舎に行く事を放棄している程である。新しい商品作りの為だと連絡はしてあるし、ソフィアにも報告してあるのだ。

別に学ぶ必要は無いのだから何ら問題は無い。


一応は形になっているのだが如何せん魔力消費が大きくて数回使った所でダニエルがダウンしてしまうのだ。


「どうしたら良いのかしら」


「魔力を余裕がある時に充填させる事が出来たら良いのだが」


「それじゃ! 予め魔力を沢山入れておくのが良さそうだの。溜めておくにはヘッドの部分を大きくしなくてはいけないのぉ」


途端に楽しそうに魔石を弄り始めたダンカン。多量に買い込んだそれは未だ山とあるのだ。


「ダンカン殿、ヘッドが大き過ぎるのは.......例えば少し大きめにして小さな魔石を幾つか連なる形にするのはどうだろうか」


紙に書いて見せたデザインは小さな魔石が5個ずつ左右に広がり真ん中に少し大きめの魔石がある物だ。


「まぁ、可愛らしいわね」


「アンナ嬢にはこういった物が似合うと思ってね」


「ダニエル様に似合う物も考え無ければなりませんわね」


「うーむ、婚約者殿はブレスレットにしたらどうかのぉ。魔石を沢山繋げて少しでも魔力消費を減らせるように」


それを聞いて確かにネックレスに固執する意味合いも無いかと納得する。


「確かに、それでも良さそうだわ」


「私はアンナ嬢と会話が出来れば何も問題は無い」


「決まりですじゃ。ブレスレットを作りましょうぞ」


ダンカンは手際良く魔石を魔力紐で繋げてしまう。


「お嬢様、魔力を溜めて貰って良いですかな?」


「勿論よ、任せなさい」


髪をバサリと払ってブレスレットを受け取った。小さめとはいえ沢山の魔石が繋がっているからか思っていたよりも多く魔力を流す。


「あら? まぁ...魔力が思っていたよりも吸われるわ」


「無理はせず! 私がアンナ嬢と話したくて作って貰っているのだから、いつでも良い!」


「優しいですわね。心配はいりませんわ。余裕綽々ですのよ」


フフンと得意気なアンナに胸を撫で下ろす。

魔力を多分に含んだ影響なのかキラキラと淡く光っているようにも見えた。


「ほぉ、これは中々綺麗ですなぁ」


小さな魔石をただ繋げただけの無骨なデザインだというのに今は何だか高級感がある。


ダニエルはアンナからブレスレットを受け取り手首に通した。


「似合っていますわね。重ね付けもお洒落で良い感じです」


「有難う。アンナ嬢に褒めて貰えただけで十分だよ」


嬉しそうにブレスレットを見つめるダニエルの背中をぐいぐいと押し出すダンカン。


「ほれほれ試してみて下され」


部屋から出されたダニエルはアンナに届くようにと祈りながら囁く。


「この世で1番、愛しています」


震えた声で返事が返ってくる。


「私もですわ」





部屋の中ではボンッと真っ赤になったアンナが居てダンカンは大喜びである。


「どうやら成功したようですな!」


ぴょんぴょん飛び跳ねて喜び続ける。


そっと部屋に戻ってきたダニエルは顔を赤くした可愛らしい婚約者を発見して、堪らず距離を詰める。

顎をすくい上げて視線を合わせた。


「全く貴女は可愛すぎる。誰にも見せないように閉じ込めてしまいたい」


しかし、そんな2人の間にぐいぐいと入り込むダンカン。


「それで? どう聞こえたのですかな? ブレスレットに変化はありましたかな? 気分は悪くなってないですかのぉ?」


2人は少し気まずくなりながらも距離を取り質問に応える。


「耳元で囁かれているようだったわ」


思い出したのか頬を染めるアンナ。


「そう言えば魔石が1つ輝いてないな」


「ぉお! どれどれ見せて下され」


ガシッと腕を掴んでブレスレットを観察する。


「ほぅほぅ、短い会話を一度すると魔石に蓄えられた魔力が消滅するようですなぁ......音を伝える方が魔力の消耗が激しいのは面白いのぉ」


ここで、はたと気付いたダンカン。めちゃくちゃ失礼な事しまくってる。


「あ、いやこれはもっ、申し訳ない。魔法や魔法具の事になると、まっ周りが見えなくなってしまってのぉ」


あわあわと慌てて手を弄りチラチラと様子を伺うダンカン。


「あらぁ? 私に対しては何も無いのね?」


「お嬢様とは付き合いが長いですからなぁ。怒らない距離感というのは分かっておりますぞ」


ふぉっふぉっと朗らかに笑うダンカン。


「ダンカン殿、私は全く気にしていない。アンナ嬢の先生であろう? そうなれば婚約者である私にとっても上司の様なものだ」


「ぁぁ、わしはそんな大層な者じゃ」


恐縮しきりのダンカンの手を握り半ば無理やりに握手をする。


「貴方が居たから魔法具を作り出せたのだ。感謝しかない。本当に心からの感謝を捧げる」


「全くもう先生は...仕方ありませんわね」


こうしてどうにか会話出来る物を作り上げた3人。

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