代表取締役社長・U氏による謝罪会見の書き起こし
以下は、U食品グループ代表取締役社長・U氏の記者会見の一部始終を記者が書き起こしたものである。
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(開始と同時に立ち上がり、顔を覆い、しゃくり上げながら)
「うっ……うっううぅう……
このたびの件は報道にありましたとおりでぇぇぇッ!
U食品グループのッ!! 社会的責務をッッ!!
大きく、大きくッ!! 踏み外してしまったことをッッ!!!
痛いほどにぃぃぃッッ!!! 実感しておりますウウゥゥゥゥアアアアアアアアアアア~~~~~ッッッ!!!(嗚咽)」
(鼻をすすりながら、音を立てて椅子に座る)
「食のッ!! 信頼ッ!! 安全ッ!!
命の循環に対する……リスペクトゥッッ!!それをッッッ!!
我々は……我々は……
一部の、ほんの一部の処理手順において……(涙)
非常に独自性の強い判断をしてしまいましたアアアアアア~~~~~~~~ッッッ!!!!」
(マイクに顔を近づけ、声が割れるほどに)
「愛していたんですゥゥウウウウウウウウッ!!!
あの子たちをッ!! ひとりひとりをッ!!!
適材適所という言葉をッ!!
ワタシなりに……解釈したつもりだったんですゥゥウウウウウウゥ~~~ッ!!!(涙)」
(会場に冷たい沈黙が流れる中、両手で顔を覆い、南米の鳥の鳴き声のように甲高い声を漏らす)
「だってぇッ!! あんなにも素直でぇ!! 静かでぇぇぇん!!
運ばれてもッ!! 文句ひとつ言わずにぃぃぃッ!!
ラベルひとつ剥がさずに……
……あッちがう……違うんです……
そういう意味じゃ、ないんです……ないんですゥウウウウウ~~~~~ッッッ!!!」
(声を震わせながら額を机に打ちつける)
「これが……業界の新鮮さへの、答えだったなんて……
……誰がッ!!! 誰が……予想できたでしょうかアアアアア~~~~~ッッ!!!」
(ふと、泣き止んだように静まり返り、虚ろな目で前を見据えて)
「これからのU食品は……
“人”を、もっと……自然な形で扱ってまいります……
ナマのままで……そのままで……
最後まで、ていねいに、扱います……
食材じゃなくて……人材として……」
(うつむき、深く、深く頭を下げる)
「……皆さまには……
長い時間をかけてでも……
我々の姿勢を、見ていただけたら……と、思っております……
そして私は……私の全てを賭けて……
本件の責任を取らせていただきます……」
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