エモーショナルセイバーズ!
「何故殺した?」「ごめんなさい」「私達は生きたかった!」「ごめんなさい」「お前に殺す権利があるというのか!?」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」
「親も親なら子も子だな。」
冷や汗をびっしょりかいて目を開く……。今夜は寝れそうもない。目を閉じると顔も名前も知らない人達の声が脳内に響くのだ。脳内で一斉に私を罵倒する。それは全て正論で、私は謝ることしかできない……。
「ごめん………なさい……。」
私は虚空に向かって謝罪し、部屋でただ独り涙を流していた……。
♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥
「ご、ごめんね〜。皆……心配させちゃって……。」
私達3人と妖精さん達に見守られてラクちゃんが目を覚ました。
「よかったぁ。」
「身体は大丈夫ですか?」
「本当よ!あなたねぇ!…………」
あぁ。歩みよってきたヨシミちゃんとドッシャがお説教を始める。
ヨシミちゃんはそういう印象があったけど、珍しくドッシャも声を荒げてお説教してる。まぁ、アニマッルがいない以上、私達は死んだら終わりだからね。なんだか、哀しいなぁ。
「ま、まぁ、皆生きてるんだし、そのくらいに……」
「それは結果論でしょ!最悪誰かが死んでもおかしくなかった。実際、あなただって傷ができてしまったわけなのだし。」
後半は勢いが落ちていたし、目を背けていた。自分を責めているんだろうか。
「ええと、ラクちゃんも目を覚ましたことですし、状況の確認と今後の方針を立てませんか?」
イカリちゃんがひょこっと手を挙げて提案する。
「………そう……ね。……一番年下の子が一番しっかりしてるなんて………本当に情けないわね……。」
ヨシミちゃんが落ち込んでる所なんて見たことがない。多分だけど、今回のはそれくらい酷いものだったんだ。私ももっと頑張れていればなぁ……。
「そうムシな。ヘッビ。お前から説明するムシ。」
なんだろう、ムッシーの声がいつもより鋭い。
「分かったヘビ!ヘッビは全体の動きを捉えながら応戦してたから、だいたいの戦況は掴めてるヘビ!」
対してヘッビは元気いっぱいだ。ムッシーの声の違和感に気付いていないのかも。
「まずは影になっていた人々ヘビ。その人々はアニマッルの影響で衰弱状態ヘビ。だからそこで皆と一緒に寝かしてるヘビ。」
あっ、確かに皆にご飯を食べさせた後に近くでラクちゃんがいびきをかいて寝てるの見てた時に量が多いなって思った。なるほど。人数が増えてたんだ。
「次はアイのことヘビ。といっても途中から家を離れられた以上、ヘッビに分かることは特に無いヘビ。ただ、アイのお腹に未来の技術の雰囲気を感じるから、おそらくアイが戦ったのは滅亡論信者ヘビ。」
「いや、あれは紛れもなくクソ親父ですよ……。誰にも乗っ取られていません。」
え?
「ど、どういうこと?クソ親父ってそれは……。」
私と同様、ヨシミちゃんも驚きが隠せずに言葉に出る。ラクちゃんも目を見開いて動揺している。
「少し、話をずらします。アイちゃんを襲った最低野郎は私の…………父……で間違いありません。声、髪、性格、全てクソ親父です。」
ただ、淡々となるべく感情を抑えようとしているのが見て取れる。イカリちゃんは言うのが辛いんだ。
「イカリちゃん。無理はしなくていいよ。私達はイカリちゃんが嫌なことまで……」
「いや、これは聞く必要があるわ。話せる範囲でいいの。あなたのお父さんのことを聞かせてちょうだい。特にどうしてあなたのお父さんがアイちゃんを襲うようなことをしたのかとか。」
それは……哀しいことじゃないかな……。人が嫌がることをさせるって……どうしてそんなことを……。
「はい。分かっています。アイちゃん、私は大丈夫ですから。でも、ありがとうございます。」
イカリちゃんは私に微笑んだ。
……イカリちゃん……目に隈が出来てる……。やっぱり無理してるんだ。
「イカ……」
「ヨシミちゃんの知りたいことについて詳しいことは分かりません。しかし、あいつは人の指示で動くような奴ではないです。どうして向こう側についているのかは不明ですが、きっと気紛れでしょうし考えるだけ無駄になると思います。」
イカリちゃんの使う下品な言葉が新鮮に感じる。わ、私に対しても使ってくれないかなぁ……。イカリちゃんが真面目に話しているのに私は何を考えているのだろうか……。反省……。
「クソ親父についてもう少し詳しく話しましょうか。クソ親父はお……か……あ……さ……ん………。……………と私を捨てた最低野郎です。あいつは女性の身体を目当てに生きてる異常者で、子供を孕ませては自分は逃げるってことを繰り返してます。」
「最悪じゃん……。い、イカリん。トラウマになってることは話さなくていいからね。人のトラウマをほじくり返してるみたいでこっちも気分が悪くなっちゃうよ……。」
明らかにさっきのイカリちゃんは苦しんでた。呼吸もしづらそうだったし、これ以上は……
「ねぇ、イカリちゃん。何度も繰り返すっていうのはおかしくないかしら。今どき性犯罪は殺人の次に重いのよ。一度逮捕されたら、中々出ることはできないはずよ。」
「同時に証拠調べも厳格に行われますよね。つまり、子供がいるってことも政府にバレちゃうってことです。」
えっと、それがどうしたっていうのかな……。私にはさっぱりだ。
「少子高齢化対策が必要なくなった今、子供を産むこと自体が悪くみられる風潮にありますし、なにより子供を育てる費用は2人がかりで互いに我慢し合って出さないとやっていけません。」
「………性被害を隠す……。そんな……。」
イカリちゃんはコクリと頷く。よく分からないけど、多分、外側だと子供を創るのが大変で子供を産んだことを隠さないといけないってことだと思う。いまいち納得できないなぁ。
「……イカリちゃん。お父さんは子供を孕ませるって言ってたわよね?」
「はい。あ、あぁ。人の子宮を黒くする能力はきっと向こう側について得たものです。元々はちゃんと子供を孕ませる機能が備わっていました。」
ヨシミちゃんは「なるほど」と頷いて考え込む。
う〜ん。元々は子供を産む機能があったけど、今は私のお腹みたいにしちゃうようになった?なんで?
「なるほどっシャね。ヨシミの考えていることと同じと思うっシャけど、この村を襲った影はイカリのお父さんが襲った女性達の可能性があるっシャ。」
「………そうすると外側の女性を襲うだけで戦力の増強ができる。わざわざこの村で妖精を襲わなくて済む訳よ。」
妖精さん達の代わりに外側の女性達が犠牲になってるっていうの!?
「…………皆……被害者だった………。あ……あ……。」
イカリちゃんが小声で何か……。いや、それよりもイカリちゃん、小刻みに震えて目の焦点があってない。昨日と同じだ。この話題はイカリちゃんの前じゃしちゃいけない!
「イカリちゃん!大丈夫。大丈夫だからね。イカリちゃんを責める人なんて何処にもいないよ!」
抱きしめて頭を撫でる。それでもイカリちゃんは自分に抱かれる資格がないと言わんばかりに私の肩を押して離れようとする。
でも、私は絶対に離さない!
イカリちゃんを力強く抱きしめるとイカリちゃんの震えが直に伝わってくる。
「あのさ……イカリちゃんの前で影の話はやめて欲しいんだ。」
震えるイカリちゃんを撫でながら皆に話す。
当然、皆、困惑してる。でも、これは納得してもらわないといけない!
「イカリちゃんは、私達と違って浄化する力を持ってないんだ。だから、」
「………なるほど。えぇ。分かったわ。皆もそれでいいわよね。」
ヨシミちゃんの言葉に皆頷く。よかった。
「こんな小さい子に何させてるんだか……。よく、頑張ってくれたわね。ありがとう。」
ヨシミちゃんは私達に近付いて2人纏めてギュッと抱きしめた。すごい。なんて包容力だ………。
「お母さん………みたいです…。」
うん。少しは元気になってくれたね。
「あたしもオギャりたいいい!」
「安静にするっシャ!」
私達が抱き合ってるところに飛びつこうとしていたラクちゃんをドッシャが土を上から載せて押さえつける。
「ヨシミちゃーーん!あ、あたしもギュッてしてえええ!」
「はい、はい。分かったわ。」
ヨシミちゃんは私達から離れて、ラクちゃんの方に向かう。ヨシミちゃんがラクちゃんの目の前に来たからドッシャが土をのける。すると、ラクちゃんが勢いよく抱きついてヨシミちゃんの胸に顔を埋めている。
「スゥゥゥゥ……。」
「え!?ちょっとあなた何してるの!」
ヨシミちゃんが驚いてラクちゃんを身体から剥がすと、ラクちゃんが蕩けた顔をしてフラフラとしている。
「………だ、大丈夫……?」
「ママぁ〜。」
今度は顔をヨシミちゃんの顔に近付けてほっぺをスリスリし始めた。これじゃあ、まるで犬さんみたいだ……。
「おっぱい大きくて、お姉さん味ある割にはウブな所もあるんだねぇ。食える!ブハァ!」
顔を真っ赤にして鼻血を出しながらベッドに倒れるラクちゃん。
私達は終始困惑することしかできなかった。
「………これが、外側の人間の生態っシャか……。」
「そんなわけないでしょう!!」
ヨシミちゃんの反論のお陰で家中、笑いの渦に包まれた。
「それじゃあ、話を戻すヘビよ。ラクナは気絶した後すぐさまここに運ばれたヘビ。その後で家全体を改造していたベビね。」
その迅速な対応が功を奏してラクちゃんはなんとか無事なんだ。頭をぶつけちゃったけど生命に別状はなくて、記憶も問題ないって本人は言ってる。
「次はヨシミヘビ。ヨシミは妖精達と協力して、皆がいる部屋を守っていたヘビね。被弾もあったヘビが、エモーショナルセイバーの回復効果で無事ヘビ!」
私がいなくなった後も、1人で守ってたんだね。当然、妖精さん達の助力はあっただろうけどそれでも凄いや。それでいて無事だからね……。
「イカリについては家にいなかったからよく分からないヘビ。その他の点では、畑や田んぼが荒らされてるヘビね。農作物の生産に影響が出るヘビ。」
そうなんだ……。滅亡論信者はこの村に何の恨みがあるんだろう。とても哀しい。
「総合的に見れば、今回の目的はアイであり、この集落に被害をもたらすことでもあると言えるヘビ。アイの誕生日に集落を襲う。つまりは嫌がらせヘビね。ここでヘッビはあの工場への報復を進言するヘビ!」
納得の声と疑問の声が同時に上がる。私は疑問よりだ。確かに酷いことをされたけど、仕返しなんて必要あるのかな……。謝りに来てくれればそれでいいと思うけど。
「そりゃ、当然だよ!やられたらやり返すのが筋だからね。ボコボコにしてやらないと。」
「ラクちゃん。それはあまりにも短絡的よ。そもそも今回の襲撃は私達を煽る為って目的も含まれている筈。それに乗ってしまっては完全に相手に主導権を握られるわ。」
腕を回しながら言うラクちゃんに片目を閉じて腕を組んだヨシミちゃんが反論する。
「ムッシーもヨシミと同じムシ。問題はこのままだと確実にジリ貧なことムシ。」
「なら、やっぱり……」
「罠にかかって一気に全滅させられるよりは、ギリギリまで粘って全滅するルートを選んだ方が全滅回避に近付くと思うっシャ。」
?どういうこと……。全滅を選んだのに全滅回避?ドッシャの言っていることが分からない。
「つまりっシャ。ギリギリまで粘ると考える時間が生まれるっシャ。それにっシャ。相手の攻め具合でパターンが分かってっシャ、対抗策を講じることができるようになるっシャ。上手いこと行けば、ジリ貧回避も夢じゃないっシャ。」
なるほど。ドッシャは時間が必要だって言いたいんだね。
「だったら、初手で潰せば良い、襲撃を複数に分けずに次の襲撃でこの村を破壊する。こういう考えで来られたらドッシャのやり方は破綻するヘビ。滅亡論信者達が様々な可能性を考慮していないなんてことはまずあり得ないヘビ。だからどういう手を打っても確実に相手の手の上であることは覚悟しないといけないヘビ。」
ヘッビの発言に全員が押し黙る。未来からやって来た人達なんだから私達の考えなんて筒抜け……。だから手の内を晒した状態で対抗しないといけない……。
「……根本は未来の喧嘩ブツよね……。」
沈黙を破ったショクブッツに注目の目がいく。
「その過程でこの村が巻き込まれただけに過ぎないブツ……。ならブツ!話し合いで解決できないブツか?」
話し合い……。そうだね。それがいいかも!
「まずは滅亡論信者とヘッビ達がごめんなさいをするブツ!その後でこの村にも謝って貰えばいいブツよ!これで万事解決ブツ!」
「ショクブッツ……どれだけ頭がお花畑っシャ。それができなかったから戦争になって、この村まで被害を受けたっシャ!」
確かにドッシャの言う通りなのかもしれない。でも、
「私はショクブッツに賛成だよ!話し合いは何回でも出来るんだ。何度失敗しようと何度もリベンジしてお互いに和解の道を見つけ出すことができるんだよ!」
「アイまで……。そもそも向こうには話し合う気なんてない筈っシャ!そうでもしないと戦争なんて普通起きないっシャ!」
多分、ドッシャにとってはあまりにも無謀な考えだからなんとしてもやめさせたいんだ。けど、私はたとえ無謀でもやってみる価値はあると思うんだ。
「私も考え自体は支持します。滅亡論信者がどんな可能性を考えてるといっても相手が失敗するに違いない方法を取るとは考えないと思うんです。だからこの方法は相手の手中に収まらずに済むであろう方法かもしれないんです。」
イカリちゃんまで賛同したことにドッシャは呆れながらも考えを巡らせ始める。
「そうヘビね。話し合い……やってみるヘビ!」
「お前、アイ達を工場に行かせたいだけムシ?」
ムッシ―の明らかヘッビを敵視する声に場の空気が凍りついた。
「ヘビ?」
「お前、まんまとムッシー達の罠にはまったムシ。」
ムッシ―の冷淡な声が響いた所でいきなり場所が移り変わった。
『本日10:00ご予約アイ様御一行ご到着。』
何処にも人がいないのに声がする。
辺りは暗くて、端の方で水が流れている音がする。そして、私達の前には大きな階段がある。それ以外には何もない。工場?の中なのだろうか。
「………そう……。私達には選択肢すら与えないという訳ね……。」
右目に右手を当てて、左手を握りしめているヨシミちゃん。
私はいきなりすぎて何も分かんない。
オロオロしている私とラクちゃんにイカリちゃんが説明をしてくれる。
「私達は元々からここ、工場に来るように仕組まれていたみたいですね……。」
罠にはまったってこと?でも、さっき…。
「罠にはめられたのはヘッビなんじゃないの?イカリん。」
私と同じ疑問を抱いたラクちゃんがイカリちゃんに質問する。イカリはコクリと首を縦に振って、
「はい。見事にはまったんですが、あくまでヘッビがクロである可能性が高まった程度でしかありません。」
そう答えた。さらに、イカリちゃんは続ける。
「この移動をヘッビがやったかどうかは正直分かりませんが、少なくとも相手によって仕掛けられたことは確かで、相手にとってはこの罠で大きな収穫を得たといえるでしょう。」
な、なるほど……。この時点で既に相手の手の内ってことみたい……。
「………今からでも話し合いっていけるかな……?」
私は微かな希望にかけて皆に問いかける。
「……ヘッビがいない今、下手に動くのは得策とは言えないわ。」
え?ヘッビがいない…?
私とラクちゃんはヨシミちゃんの言葉の真偽を確かめるために周りを見渡してヘッビを探した。
実際、ヨシミちゃんのいうようにヘッビはいなかった。それどころか他の妖精さんもいない。いるのは私達4人だけ。
「けれど、このままじっとしていても問題は解決しない……。この状況下でどうするのがいいと思う?……ごめんなさい。私……名案が思いつかないの…。」
頭を抱えて涙ぐんでいるヨシミちゃんの肩をポンと叩いてラクちゃんが自信たっぷりに言う。
「進むしかないんじゃない?あたし達はさ、感情的な救世主なんだから、あれこれ考えて行動するよりも、その時の気分や直感で動いた方が性に合うんだよ。」
ラクちゃんらしいや。でも、今はそんな考えが一番頼りになる。私達に道を示してくれる。
そうだよ。考えて分からないなら感覚に任せて行っちゃえ!
「うん!ラクちゃんに賛成!私達なら何があってもきっと乗り越えられる!よし!行こう!」
ヨシミちゃんとイカリちゃんはクスリと笑って、私達4人は手を繋いで一緒に階段を上っていった。
♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥
階段を上った先の扉がガチャリと開く。
中はさっきよりはましだけど、やっぱり暗い。
部屋の中央におしゃれな黒い街灯が設置されてある。そして、さっきの部屋同様、部屋の端に水が流れている。その水路の奥には
「ミッズ………!?」
暗くて見えにくいけどミッズらしき小さい何かが壁に顔を向けているのが分かる。
私達がミッズらしきものに向かって走っていくと、私達の正面に影から黒い騎士が現れた。
「あなたはっ!?」
以前、村を襲ってきた騎士だ。
黒い騎士はミッズらしきものを引き寄せて、私達に見せつける。
それは紛れもなくミッズーだった。少し黒ずんでいるものの、大きなまん丸お顔に小さな身体は紛れもなくミッズーだ。
「この万象には我らが城の水質清浄を担当させていた。しかし、その務めもこれまでだ。」
「ミッッッッズゥ!」
背後から十字を刻まれ、その中心に紫のエネルギーが流れ込む。
「い………や………アアアアアアァァァァ!」
ミッズーの身体は巨大な球へと姿を変えた。
「フン……。この万象はかなり弱っていたようだ。我が毒の効きがいささか良すぎる。」
「………待って!私達は話し合いに来たの!戦う意思なんてない!」
「笑止千万!ならば、死ねぇい!」
私の言葉は全て無視されて、空中から大きな水の塊が私達を目掛けて飛んでくる。……交渉決裂……か。
「………いくよっ!皆!」
大きな水の塊が私達に届くのと同時に私達の身体を光が包み込む。
光が水を相殺し、塊が崩れた後に光が弾ける。
「誰かに届くメラメラの気持ち!『怒のエモーショナルセイバー』!」
「誰かと駆けるワクワクの気持ち!『楽のエモーショナルセイバー』!」
「誰かと紡ぐウキウキの気持ち!『喜のエモーショナルセイバー』!」
「誰かを想うハートの気持ち!『愛のエモーショナルセイバー』!」
「「「「感情出力!エモーショナルセイバーズ!!!!」」」」
変身した3人と片方の目が黒になったアイは真っすぐと相手を見る。
「いいだろう。晴天の空を仰ぎし無辜の者どもよ、我が剣で貴様らの歴史に罪の一文字を刻みつけよう!」
騎士は剣をブンと振り、剣先を4人に定めた――――――。