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チエ13

3年後


この日は珍しいことが起こった。

なんと森林内に生体反応が確認され、アニマッルのエネルギーを分散させてしまっているという報告があがったのだ。


森林に設置されたカメラからは2人の女が映っている。


「…こんなところに何の用…?」


そもそもここは人が来るような所ではない。なんなら、人里から離れすぎてここの存在を知らない人が殆どの筈だ。


「……誰かの知り合い?」


研究者達は皆、首を横に振る。

じゃあ、この人達は誰で何なんだ。

普通に親子に見えるが。


「そいつは俺がヤッた相手の1人だぜ。最近殴られたんだよ。」


変態の奥さんか。いや、結婚してるわけではないから彼女さんというのが正しいか。


「ここから追い出してくんない?あんたの知り合いなんでしょ?」

 

変態は鼻で笑いながら、チッチッと指を振る。


「いやぁ?あれは今からいいもんが見れるぜぇ。あの顔を見てみろよ。もうすぐで完成だ。」


私の肩に手を置いて変態はモニターに顔を近づける。

邪魔な者はすぐに排除したいのだが、どうやら変態には見たいものがあるらしい。


「おっ、離れたな。」


変態は鼻息を荒げながら親子がバラバラになったのを喜ぶ。

子供は必死に親を探しているというのに可哀想だとは思わないのか。


突然、親の動きがピタッと止まった。

そして徐に足元にあった石を拾い上げる。

次の瞬間、親は拾った石で自分の頭を叩き始めた。


「…自殺……?」


「来たぜッ!来たぜッ!来たぜェェェッ!そうだ!これだ!これが見たかったッ!見ろ!これは堪らねぇだろォ!」


変態は興奮し、汚い高笑いを上げている。


自殺か…。私にとっても新鮮だ。一度見たことはあるが、時間が経っていたのもあり、改めて見ると中々、見応えのあるものだ。


暫く見ていると子供が親の自殺を目撃した。モニター越しでも分かるくらい絶句している。

気付けた親はゆっくりと子供に近づき出した。


「ははは。子供にとってはトラウマだろうね。」


思わず乾いた笑いが出た。


「このまま娘も続くかもしれねぇぞ?そうなったら2人仲良く親子丼に出来るなぁ!ガハハハハッ!」


いいや、それはないな。子供の顔がまるで化け物を見ているかのようだ。

化け物を前にして子供が自殺を選ぶ訳がない。


子供は私の予想通り親を放置して村がある方向へ走り去った。

これはこれで親不孝もいいところだ。私が言えたことではないが。


結局、親は数分歩いた後にバタッと地面に倒れた。


「死体の処理はこっちでやんなきゃいけないんだけどな…。」


はぁ、と溜息をつき、モニターから目を離したところにヘビが顔を見せる。


「その必要はないんじゃないかな。君の計画に支障が出るわけでもあるまいし。それどころか死臭のお陰でここに近づきたがる人間が減ってくれるよ。まぁ、それでももし、ここを通る人間がいたとしたら、その人間は不運な体質なんだろうね。」


数分後、アニマッルのエネルギーの分散は収まった。


 ♥  ♥  ♥  ♥  ♥  ♥  ♥


さらに1年後


私達の計画が本格的に目に見えた形で動き出した。


この日、初めて私達は社会全体にバーチャルワールドの最高責任者と共に現在、この文明が置かれている状況と未来のネットワークに接続できる環境の公共化を宣言した。


この宣言は当然、殆どの人は与太話だと馬鹿にし笑い飛ばした。

だが、殆ど以外の人は信じた。

特にオカルトに興味のある人達だ。 


理由は3年前からこの情報を都市伝説としてネットに広めていったからだ。

結果として、この話を知っていた者達はこれが都市伝説ではなく現実に起きている問題だと信じることになった。


歓喜や絶望の声が飛び交うが、それでいい。大事なのは忘れられないことだ。今後は少しづつ話題を提供し、界隈を沸かせることが必要だ。


また、とうとう文明移住先が決まった。

その文明は現在の文明とは違い労働文明とされているが、文明移住の成功率は最も高い文明だ。


ヘビが言うには未来であっても経済があるため貧富が存在しており、貧しい者が所有している文明は価値は低いかもしれないがセキュリティも決して高いものでもないらしい。かつ、そういった者はまさか別の文明から誰かに侵入されるとは思わないため楽に入ることが可能だろうとのことだ。


それでも何かを怠る訳にはいかない。

さらに万前を期すために私達は村の方でもある準備をしていた。

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