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チエ4

900pv突破致しました!読者の皆様方、誠にありがとうございます!


ここまで続けてこれたのも読者様方のお陰でございます!


これからもエモーショナルセイバーを宜しくお願い致します!!

「ごめんくださーい。」


私は早速、サイトに書いてあった場所にヘビに瞬間移動させてもらった。


人のいなさそうな廃墟だ。実際、声をかけても返事が一切ないということは人がいないのだろう。


「失礼しまーす!」

一応、挨拶をして開けっ放しの入り口から入っていく。

玄関からひたすら真っ直ぐ進んでいくだけなのだが、とても暗い。昼過ぎでここまで暗いと時間感覚がずれそうだ。


スタスタ歩いていると、いきなりピカッと奥の方で光った。

…人が居るのではなかろうか。


「すみませーん。話したいことがあって来ましたー。」

 

私の声に反応して、ザワザワと低い声で話し始めたのが聞こえる。

その様子に私は少し冷や汗をかきはじめた。あれ〜。これってまずい?


恐る恐る、光源のもとに足を進め、ちょっとした広間のような所に出ると、そこにいた骸骨のように痩せた人達が一斉に私を凝視した。


無言の圧に私は後退る。


「……あ、あの……。ダイソン球についてなんですけど…………。」


「……それ以前に、不法侵入なんじゃないかな。お嬢さん。」


聞き慣れない単語に思わず首を傾げる。フホウシンニュウ?


『やってはいけないこと。犯罪ってやつさ。君はいまから悪人として逮捕されちゃうんじゃないかな。』 


ヘビが私の脳内に直接語りかけてくる。

ってか、私、捕まんの……?

いや、待て…。だとしたら、このタイミングでヘビが伝えるのはおかしい。普通、私が犯罪を犯す前に伝えてくれる筈…筈だよね……!?


「待つのだ。ダイソン球に興味を示す女というのは誠珍しい。何。話を聞いてから決めようではないか。」


白い白衣にKの文字のついた胸ピンを装着している人物が場を制する。

骸骨人達の親分なのだろうか。


「え、えぇと。皆さんが足りてないっていうダイソン球の部品を調達できるかもしれないんです。だから、力を貸してほしくて……。」


「口だけなら何とでも言えよう。まずは、そのモノを出せ。」


先の親分が眉毛をぐっと持ち上げて威圧的に要求する。


「ヘビ。」


そう言うと、光が私の足元に集まり、そこに宝石の殻を纏ったダンゴムシとヘビが姿を現す。


この光景に骸骨人達は一斉に驚いて、感嘆の声を漏らしている。


「さては、貴殿、この時代の人間ではないな。」


いきなり、貴殿呼ばわりか。未来人って本来は尊敬するべきなんだろうか。

まぁ、兎にも角にも畳み掛けるなら今だ。


「私はこの時代の人間。ただ、このヘビは未来人みたい。それで、協力の件はどうするんです?」


「モノはこの宝石か?見たこともないが、これが未来の宝石であれば手を貸すのも吝かではないだろう。」


未来の宝石だと偽ってもいいが、いつかボロが出た場合の対処が面倒だ。

だが、未来の宝石とは言わずとも、この宝石には隠された能力がある。


「この宝石は未来の宝石ではないです。しかし、この宝石は皆さんの望む性質に変化することができ、数も無制限に増やすことができるモノです。これでも、未来の宝石ではないからという理由で手を貸しませんか?」


正確に言うと、この宝石の能力ではないのだが、アニマッルに頼めば先に述べた事は全て可能だ。


骸骨人の親分は5分程熟考した後、ゆっくりと目を開けて、言葉を紡いだ。


「いいだろう。手を貸そう。だがな、システム、材料が揃ったとして、そこからダイソン球を完成させるというのはかなりの時間がかかる。途中で手を切る等ということはあるまいな?」


よし。交渉成立だ。


「ありがとう。手を切るなんてことは断じてないと思うよ。」


ガタガタと震えながら細い腕が伸ばされる。

私はその手を力強く握った。

いかにも、壊れそうなほどか弱く、冷たかった。


 ♥  ♥  ♥  ♥  ♥  ♥  ♥


2年半後、ダイソン球は遂に完成した。


その間に様々なことがあった。

例えば、研究施設はアニマッルやその他妖精の影響を存分に受ける為に私達の村近くの森林地下に移動した。


妖精達との距離で受ける影響が変わるということを知ったのもこの時だった。


ただ、1つだけ誤算があった。 

生物の性質を好き勝手に変えるのはアニマッルでも不可能ということを知らなかったのだ。


アニマッル曰く、元々は出来ていたが、生物の自由を尊重し、その能力は封印したとのことだ。どうしても封印は解きたくないらしい。


ならば、現存する生物の精神構造を強制的に変えるしかない。


幸運なことに、外側の世界では虫と人間は隔離されて生きている。つまり、虫だけの、人間だけの社会が存在しているわけだ。


虫だけの社会から複数の虫を採取してそれらを生物実験に使い精神構造を変化させる。


その過程で私はエシマ ヒダという自然研究者に出会った。というのもヒダさんは虫社会の監視者らしい。だから、虫社会から虫を採取するには彼女の許可がいる。


面白いことにヒダさんは私の話を誰よりも真剣に聞いてくれる人だった。

話を聞いた上で生物実験に協力してくれた。本人は生物実験は非人道的だからやりたくないけど、背に腹は代えられないからと言っていた。


けれど、人間よりはマシだったじゃないか。


一度だけ、生物実験が必要だと分かった段階で研究者の家族を使って実験を実施した。結果は失敗。家族は死亡。当時、死んでも生き返るという考え方しかなかった私は、その後の起きた事柄に絶句し、衝撃を覚えた。


その研究者には家族が死ぬことはないと伝えられていたのもあり、想定とは反した現実を受け入れることが出来ず、病的な発狂を繰り返し、他の研究者を殺そうと刃物を振り回し、最終的には楽しそうに笑いながら喉を刃物で刺して死んだ。


恐怖を感じた。禁忌を感じた。だが同時にうっすらと悦楽を感じた。

理由は分からないし、誰だって感じることだ。私はそう考えることにした。


話は戻って、ダイソン球の完成は骸骨人達の研究者だけでなく、気付けば世界規模の開発になっていた。


世界の叡智、未来の叡智、未知の叡智、そして溢れんばかりの生命資源。その全てをフルに活用することで私達の目標であったダイソン球は見事、恒星のエネルギーを巻き上げることに成功したのだった。

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