黒魔道士2
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私もとても嬉しい限りでございます!
これからもエモーショナルセイバーズをよろしくお願い致します!!
「一応、言っておくが、儂は操られてはおらん。」
私がした結構前の質問にしれっとお母さんが答える。操られてても多分、操られてないって言うと思うけれど私的にはお母さんらしさを感じたから、信じることにしましょう。
「お母さん。さっきからの疑問なのだけど、仕方ないって何がどう仕方ないのかしら?」
沢山ある聞きたいことを抑えて、今のお母さんの状況を手早く知る為の情報を聞く。
「そうさね。かなり難しい話になるよ。」
そう言ってお母さんは淡々と今、置かれている状況を語ってくれた。
お母さん曰く、私達の文明はそろそろ未来の文明によって滅ぼされる。
理由は文明レベルが低く、商品としての価値がないからだそう。ちょっとよく分かんないわね……。
つまり、未来では文明を商品として扱ってるという認識になっているということだと思うわ。
だから、滅びを回避する為に文明レベルを上げる必要がある。これを成し遂げる為に沢山のものを仕方なく犠牲にした。全ては私達の文明の未来を思ってのこと。
しかしながら、文明レベルは思ったようには上がらず、処分されることが決定した。どうやら文明の維持費は未来人側が払ってて、商品価値のない文明に払うのは無駄と判断したらしい。
それでもお母さん達は諦めなかった。処分されるくらいなら別の文明に移動する。この計画も私達を思ってのこと。当然、莫大な犠牲を払うことになった。
ただ、これには1つ問題があるみたい。
文明の移動は未来では文明法違反になり、未来人によって移動した私達が消滅させられてしまう。
その為、消滅に抗う必要性が出てくる。黒い騎士は対策用データ採取の為の犠牲だとか。
簡潔に纏めるとお母さん達、滅亡論者が払ってきた犠牲は全てこの文明の為だから仕方ないということ。
……これが本当ならヘッビーが言っていたことは嘘になる。
なぜならば、滅亡論者達の行動はこの文明を壊す為ではなく守る為の行動だから。
流石の情報量にアイちゃんはともかくイカリちゃんまでも難しい顔をしている。
私自身も上手く飲み込めていない所が多い。と言うより飲み込めるわけがないじゃない。聞いてた話と全然違うのよ!?
「口の中の水分が全部持っていかれたわい。水が欲しくなるのぉ。」
お母さんは説明を終えて疲れてしまったようね。元の位置に戻って腰を下ろしてる。
私はさっきの情報で頭がこんがらがる前にはっきりさせたいことを聞く。
「ねぇ、未来じゃ、戦争があってるのよね……?」
「知らん。儂は未来人じゃねぇでの。」
…………………………。
疑ってもしょうがないわよね……。
でも、こっちを信じたらヘッビーを信じないことになる。
気持ちいいことじゃないけれどヘッビーはクロとして扱うしかなさそうね。
そうすると、疑問が湧く。
何故、ヘッビーは私達を騙したのか。
そして、何故、滅亡論者達を倒そうとしているのか…。
「…ヘッビーっていう蛇の妖精さんのことは知ってるかしら?」
お母さんは鼻で笑って答える。
「知ってるも何も、ありゃあ未来の生命体だからね。文明の危機を伝えに来た張本人さ。ただまぁ、儂等の味方でもなけりゃ、あんた達の側でもないだろうね。」
私の疑問は解決されなかった。
世界を救う側でも、滅亡論者達を倒す側でもない。とすると…
「中立……なの?いや、待って。だとしたらエモーショナルセイバーの力は何のために……?まさかとは思うけれど黒い騎士と戦わせて未来のデータを取るためだけの力…?」
エモーショナルセイバーは未来の力だ。ならば、データ採取用の黒い騎士を使用し未来のデータを入手することができる。
でも、たった、それだけの為に人を集めて、村を襲う必要は無かったはず。
「詳しい所は儂も知らんね。そもそもエモーショナルセイバーズは最近になって出された計画じゃ。流石の儂でも目的を探り出すことは不可能じゃったわ。」
お母さんでも分からない……。
一旦保留にするしかないか……。
「いい加減、会話は飽きたじゃろうて。そろそろ消えてもらおうかの。」
そう言ってお母さんは立ち上がる。
「家族を捨ててまで、私達に対抗する理由は何なんですか!家族よりも世界が大事なんですか!?」
臨戦状態に入ったお母さんにイカリちゃんはまだ、質問を続ける。
「飽きぬものよのぉ。とはいえ、実際そうじゃろう。世界がなければ家族は生まれぬ。世界を優先するのは理に適っていると思うがね?」
杖を構えつつあるお母さんの返答にイカリちゃんは首をブンブンと横に振って
「いいえ!世界があっても貴方の家族がそこに生まれるとは限りません!貴方の家族は奇跡が重なり合って生まれたんです!だから世界よりも家族の方が」
「大事とでも?あんたの言い分だとまるで自分達の家族以外どうでもいいような感じじゃないか。これじゃあ、反論にゃなっておらん。あんたの言ってることはまるで妄想だ。現実を見ることだね。」
イカリちゃんはお母さんに論破されてしまい押し黙ることしかできない。
お母さんの杖の先には既に魔法陣のようなものが浮かび上がっている。
なんとかして気を引かないと…。
「……どうしても、争わなきゃいけないの?」
私よりも先にアイちゃんが言葉を放った。
「命令だからね。」
お母さんは答えながらも魔法陣を完成させていく。
「お母さんは命令だったら、何でも聞いちゃうの!人も、命令されたら殺しちゃうわけなの!?」
私の言葉で魔法陣は消え、お母さんは杖を下ろした。
「あぁ。殺したさ。数え切れない程にね!命令されたからやったんだ!だって、方法がそれしかないじゃない!他に方法があったんなら進言したよ!実行したよ!でも、たった1つしかなかった!そうしないと皆死ぬ!私だってやりたくてやったわけじゃない!できる人が私しかいなかったの!だったらやるしかないじゃない!全部!全部!全部!やるしかなかったのよ!」
お母さんの堪忍袋は私の一言で破れて、取り乱している。
とても心苦しいけれど、なんとか気を引くことに成功したわ。お母さんも限界だったみたいね。
「あんたに、私以外の誰かに、私の気持ちが分かる!?」
「分からないわ。けれど、分かってあげようとすることはできる。」
お母さんがこれまでどんな気持ちだったかは想像することしかできない。でも今、確かに苦しんでいることだけは分かる。心の支えが必要なことも分かる。
私はお母さんを抱き締める為に一歩を踏み出した。
「ッるせんだよ!クソババァが!」
不機嫌そうなダミ声が響き渡り、巨大な口がお母さんに喰らいついた。




