腕って光るの?
冥界のBarに一人今にも魂が抜き取られたように抜け殻になった死神がいた。その死神はカウンターの席でジャックローズを飲みながらぶつぶつと独り言を喋っていた。
なんでだよ。この俺様がよぉー。
あんなチンケなガキにビビるなんてー。
やってられるかってんだよー。
おいーマスター。
1番キチー酒をよこせー。
荒れてるな。ガナトス。
どうした?ほらよ。プルートーだ。
飲んだらまず呼吸も出来ないから気をつけろよ。
ゴクゴクガァァー
息ができないだ?
俺を誰だと思ってんだ。
う、ヴォ、ゴボォ。
オイ?ガナトス?
こんなもんじゃなかったんだ。
あいつのオーラーはーよー。
死なない俺が死ってやつを覚悟してしまったんだ。
大丈夫か?体が震えてるぞ?
マスター、あんた会った人間の中で死神を目視できる奴なんていたか?
俺はーよ。
あのガキは何か特別な血筋だと見て間違いないと思ってんだ?
酔いすぎておかしくなったか?
死神ともあろう者が人間なんて、ましてはガキなんかにビビるなんて。
しっかりしろよ。
そういえば、アルベドどうした?
アルベド?あ〜、あ〜、あー、あ、ああああああー、
シマッタ!!!!
こんなことしてる場合じゃーあーね。
マスターあーがとよ。
下界のある村で、みゅうはギルドを探していた。
どこにあるん?ギルド?
どこにもないし。木ばっかりで暗いし。
もう疲れた。眠い。
みゅうは村の外の妖怪の森にいた。しかしみゅうはまだ気づいてはいなかった。すっかり夜になった森の中でみゅうは静かに眠った。無理もない彼女はまだ6歳の少女、お腹が空くと食べ物が欲しいと思うし、お腹が膨れれば眠くもなる。小さい少女のできる事は限られている。
しかし、そんな少女に近づく影があった。それは妖怪たちだ。少女の血肉に釣られて群がっていた。妖怪たちがみゅうに飛びかかった。妖怪はみゅうに噛みつかれた。
だが妖怪たちの鋭い歯や牙は柔らかなみゅうの肌には傷をつける事はできない。みゅうの肌は超合金の強度かと思われるほどであった。一般的に妖怪は人間を一方的に蹂躙するのが当たり前であるがみゅうに関して例外であった。妖怪の中には妖術で内臓を破壊しようとしたり、溶岩や酸を発生さして溶かそうと試すが、みゅうの前では無意味に終わってしまう。
すると妖怪たちは諦めて周りの木を怒りませに個々の力で薙ぎ払い去っていた。
そんなこんなで朝になり、みゅうは何事もなかったように可愛らしいあくびしながら目覚める。
みゅうの左腕が光っていた。みゅうは周りに木が半径五百メートルくらいなくなっているのには気づく事はなかったが、きらきらな光には驚きを隠せなかった。
みゅうは一言こう言った。
なんで光ってるん?!!?!!!
遠くから一人の死神は光を感じる。
なんだ?あの光は?