戦勃発?
何事もなくお昼になった。
ヴィクトリアは珍しく予定がないため、食堂でご飯を食べるつもりだ。
席を立とうとすると声がかけられた。
「ヴィー、よかったら昼食を一緒に食べないか?」
王太子のアレックスだ。相変わらずキラキラしていて目に痛い。彼も忙しいだろうに、リヒター公爵家とのつながりを保つために、こうやって私が予定がない時に声をかけてくるのだ。
この視野の広さとコミュ力の高さは羨ましい。
私は今日は一生分喋ったので極力話したくない。
幼馴染という気安さもあり、頷くだけで了承の意を示した。
するとローラがいつのまにか席までやってきた。
「ヴィクトリア様。私も一緒にお願いします。」
ニコニコしながら誘ってきたので、転入生のお世話の一環だとこちらも了承しようとして、アレックスにも大丈夫か聞いた。
「アレク、いい?」
「勿論だよ。ヴィーと一緒なら大歓迎だ。」
アレクはローラの琥珀色の瞳をじっと見つめ、爽やかに笑って応えた。
不敵に笑いながらローラもありがとうございますと返した。
「ヴィーと友達になりたいとか。
私は昔から彼女と親しくしていてね。しっかりと彼女の周りを見守るよう、彼女の母親にも頼まれているんだ。
お手柔らかに頼むよ。」
「まぁ、恐縮です。〝親友″になりたいと思っているんです。
王太子殿下はヴィクトリア様の大切な幼馴染と、私が市井におりました頃よりお聞きしておりました。
これからは私がお邪魔することも多いかと思いますが、〝幼馴染″として、快く受け入れてくださると嬉しく思います。」
茶色っぽいローラときんきらきんのアレクを見ながら、お腹すいたなぁとヴィクトリアは呑気に思っていた。




