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え、プロポーズ?
「あの!ヴィクトリア様!」
始業間近で焦るヴィクトリアを転入生が引き止める。
「ローラ様。お話は後で。とりあえずはホームルームに間に合うことが優先です。」
ヴィクトリアは足を止めずに言い切った。
だがローラはヴィクトリアの腕を掴んで引き留めた。
ヴィクトリアは腕を掴まれることなど人生で初めてに近かったため、硬直してしまった。
ローラはその腕の柔らかさと細さに驚いて頬を染めた。
「ヴィクトリア様、これからの人生をずっとそばに居させてください。」
ローラはハッキリと大きな声で言った。
ヴィクトリアはこれがどういう意図なのか分からず固まった。行動や表情、発言どれもが新鮮で戸惑ってしまったのだ。だが、毅然とするべきだとなんとか自分を立て直した。
「私はリヒター公爵家の娘です。私の周りのものは私の意思では選べません。優秀で有能だと選ばれたものが私とずっと寄り添う配偶者、友、専属侍女になります。」
こんなに喋ることになるなんて。やっぱりこの子は侮れないわ。なんか怖いし。ヴィクトリアは今度こそ振り返らずに教室へ急いだ。




