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運命は迫りつつあるか

時は経ち、二月の下旬。

身を斬る様な寒さが深まってきた。


ヴィクトリアは大叔父の墓の前で手を組んで目を瞑った。三月が近い。未だに何が起こるのか、若しくは何も起こらないのかは全く分からない。


父は家に帰ってこない日々が続いている。

王宮は国全体に保護を行き渡らせようと最後の対策をしている状態で、私も少し前までは呼び出されていたが、後は大人達だけでの奮闘の時間のようだ。


西の隣国、カーティオ王国は少しずつ復興が加速してきたようだ。グラード公爵がローラを迎えに来るのも近いかもしれない。

リーンの開発した冬に強い作物だけでなく、様々なノウハウや物資を各地にヒューバートが送ってくれたらしい。

グラード公爵が自国の政情不安を重視し、ローラをこの国に留めたように、他国ではあまり三月の事は注目されていないと思われる。御伽噺だと思われているようだ。

だが、我が国ではアルトの言葉を残そうと千年前の言葉が石碑や古代書など様々な形で残っている。私はそれだけこの三月が危険だと重要視されていたと思っている。

どうしようもない災害が起こる可能性もあるが、それでもギリギリまで少しずつでも積み重ねていきたい。


細々と始めたヴィクトリア基金で他国に学びに旅立っていた人々も殆どがこの国に帰ってきてくれた。皆で未知に立ち向かおうと言ってくれている。


これも全て大叔父のお陰だ。彼が身を賭して守ってくれたここステアリル王国をどうにかして守りたいと一心に思えたから始められた事だった。あの時の無力で無知な自分を少しは変えられただろうか。


考えられる事はやった。全てを賭けた。

最後まで足掻いて見せよう。それが遺された者の義務だと思うから。


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