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不思議と大人に見えた

二日目は午前は騎馬部門、午後は剣部門が開催される。



ヴィクトリアは今日は唯の観客なのでスッキリとした制服を着ている。因みに制服のデコレーションはというと、れ学園全体で着実に減っていっている。

上流の貴族令嬢たちはヴィクトリアに倣い、素の自分で勝負する事が出来るとヘアケアやスキンケアに力を入れていた。中流の貴族令嬢もそれに続き、流行に乗り始めた。

最近は段々と下流の貴族令嬢達にも浸透してきた所で、彼女達はお金がかからなくなって見栄の為に無理しなくて良くなったと変化を喜んでいる。

服装の一律化で階級間によるギスギスした空気が減り、学校全体の雰囲気も良くなってきていた。

このような女生徒達の変化の一因には、シンプルな制服の方が男性達から好評だった事が大いにある。




騎馬の選手は下の競技場に次々と集まっていた。

ウィリアムは今日は騎士服を着ており、美しい黄金色の髪が光を反射してキラキラと光っていた。

黙っていれば冷たい美貌なのだが、残念な事に先程からヴィクトリアに下から熱心に話しかけている。


「リアー!お兄ちゃん頑張るからねー!!」


ヴィクトリアは最初に頷いたきり、無視していた。恥ずかしい兄である。




だが試合が開始すると、ウィリアムは別人のようだった。

馬を自分の身体の一部のように操り、試合が始まると他者をどんどんと馬から落としていた。


彼の馬は子馬の時からウィリアムが育てた馬で、馬の名産地のサールタークの馬である。ちなみにゴーリックの生家である。サールターク男爵家は自然の多い領地らしい。

ロードという名の勇猛な雄の黒馬で、戦場でも耐えれるように教育されている。

ウィリアム以外には乗りこなせない気性の荒い馬であるが、その強靭さを上手く利用してどんどん周りを落としていく。

頭の後ろで結んでいる黄金の髪が鬣のように揺れている。

試合はあっという間に感じた。


最後に馬に乗っているのがウィリアムだけになると、審判がウィリアムの勝利を宣言し、観客からは大きな歓声が沸いた。



ウィリアムが爽やかにヴィクトリアに手を振り、ヴィクトリアは少し苦笑しながら兄にこそっと手を振り返した。

大叔父の様にリヒター公爵家には武術に才能のある人物がよく産まれる。

騎馬術に加え、剣術も槍術も秀でた兄が羨ましいなと自嘲するようにヴィクトリアは薄く笑った。


お昼になり兄が観客席まで戻って来た。

ヴィクトリアがニコッと笑って出迎えると、ウィリアムがいきなり声を掛けてきた。


「リア、エリック大叔父上に一番似ているのはお前だよ。」


内心を読み取った様なウィリアムの言葉に驚くと共に、そんな訳無いとヴィクトリアが苦笑いすると、兄が重ねて言った。


「ふふ。リアはそれで良いんだよ。

今度またロードに乗ってよ。

寂しがっていたよ」


ロードは私が乗ると暴走してすっ飛んで行くから、暫く乗っていない。


「もうお兄様ったら、変なの。

でもありがとうございます」


慰めてくれているのかなと思い、ヴィクトリアはクスッと笑って優勝した兄を労った。

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