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専属護衛騎士

公爵家はその身分に合わず領民との距離が近いらしい。

ヴィクトリアはアレックスに領地の中を案内している間に、領民達に敬われながらも挨拶をされ返事をし、時には子どもたちから花をもらったりしていた。

子どもが一輪の花を持ってきた時のみ受け取ると前から決まっているようで、領民達も心得ているようだった。それでも彼女の腕には色とりどりの花で花束が出来上がっていた。


ヴィクトリアと領民との距離が近いことからか、領地では彼女に専属の護衛が付いていた。25歳の青年で、リヒター公爵領で長く仕えている子爵家の次男であった。剣の腕が凄まじいようで、王太子の滞在中にリヒター公爵領に残る王国の騎士達とも手合わせをし、連戦連勝しているようだった。燃えるような赤毛に強い光を宿す紫色の瞳をしている。市井の女性達からも黄色い声を受けているようだが、彼がその瞳に映すのはヴィクトリアのみのようだった。


ヴィクトリアも当然のように彼を近くに置いている。アレックスは、二人の親しく話さないものの醸し出される親密な空気に気が気ではなかった。


「お姫様、領地にいらっしゃらない間に指示されていた西への道路の整備が終わっております。」


「わかったわ。ヒュー。あと姫様は止めて。

アレックス様、宜しければ最新の技術を使った道路が完成したようなので、一緒に視察致しませんか?」


「是非そうしよう」


ウィリアムはヴィクトリアができれば領地に残るよう考えているのかもしれない。ヴィクトリアの騎士、ヒューバートにはウィリアムもめくじらを立てていないようだ。私にはあんなに煩いのに。ウィリアムはあいつにヴィーを嫁がせようとか考えているかもしれない。

アレックスはぐるぐると考えながら、移動のためにと促され馬車に乗り込んだ。

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