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そろそろ冬休み

テストは終わり、冬休みが近づいてきた。

自領があるものは帰省をするのが一般的だ。

ヴィクトリアもリヒター公爵領で災厄への対策をしながらも、概ねはまったり過ごすつもりだ。

仲が良いものは自領に誘ったりする事もよくあり、そこからより仲が深まったり、婚約に繋がったりもする。

ヴィクトリアはクラスメイトから熱い眼差しで見つめられていた。


「あー、今度の休みどうしようかな。綺麗な港町でも散策したいな」


「お前の領地には海あるだろ!うちには海がないから、冬の広い海に行きたいな。特に大きな塔に登りたい!」


「お前んところも何か塔とかあっただろ!そこに登っとけ!」


リヒター公爵領には大きなドルッセル塔という見事な展望塔が建っている発展した港町がある。


「何か最先端のファッションが集まる街に行きたい気分ですわ」


「そうですわね。冬は以前のドレスだと重いし寒くて。

新しい軽くて暖かい冬服が欲しいですわ」


リヒター公爵領では、ヴィクトリア基金が始めた軽くて動きやすい服を超えた高機能な服が次々と生産されている。


どうにかして冬休みにヴィクトリアと関係を深めようと男女共からの猛アピールが繰り広げられる。


ヴィクトリアはどこ吹く風でぼーっとしていた。

そこに兄、ウィリアムがやってきた。周りへの牽制をしようと遥々やって来たらしい。


「ヴィクトリア、お兄ちゃんと二人で楽しく行こうね!

普段あまり一緒にいられないからとっても楽しみだよ!」


ヴィクトリアはこのテンションとまた二日間旅しないといけないのかと辟易してきた。リヒター公爵領は王都から遠くないが何分広大なため、領地の中心地近くにある屋敷までは馬車で二日間かかる。


そこに憂鬱そうな顔をしたローラがいることに目がいった。ヴィクトリアはニクソン伯爵家に帰れないのかもしれないと珍しく気が利いたことを思い付いた。


「ローラ様、良ければ一緒にうちの領地にいらっしゃいませんか?

我が領を貴女に見ていただいたらまた新しい意見が聞けると思いますの」


ヴィクトリアが声を掛けると非常に申し訳なさそうな顔をしながらも感激したように言った。


「ありがとうございます。ヴィクトリア様。

遠慮しなければならないとは思うのですが、行くところがなくて困っていたので、お言葉に甘えさせていただいてよろしいですか?」


ヴィクトリアは気付いといてよかった。下手したら国交に響いていたと安心した。


「いいの」

「えーっ!!」


人の言葉を遮って兄が大ボリュームで失礼な事を言い出した。


「だって未婚の令嬢と一緒の馬車に乗るなんて、婚約間近だと噂されてしまうだろう」


確かに男女複数ならまだしも、妹と未婚の御令嬢の三人で一緒の馬車だとあまり外聞が良くないだろう。

でもヴィクトリアは兄だけ違う馬車で行けば良いのにと白い目で見た。


「では、私とレスターも一緒に連れて行ってくださいませんか?

三月の災厄の対策を、リヒター公爵領にも実際に視察に行きたいんです。

そのメンバーならあまり誤解されないと思います」


アレクがちゃっかりとやって来た。前から彼は王都でも災厄への最大の対策をしているが、リヒター公爵領に実際に行く事で何か新しい事を発見できるかもしれないと考えていた。

勿論ヴィクトリアと仲を深めたいという気持ちも多分にある。


「まぁ、構いませんけど、馬車ではリアは私の隣ですからね」


同じ馬車に乗るために、はっきり求婚を断られている王太子なら、いきなりリアとフォーリンラブしたりしないだろうとウィリアムは計算した。


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