レッツ制服チェンジ
学園に行く前、ヴィクトリアは自分の制服を見つめて考えていた。公爵家の力を掛けてレースや宝石、フリルやリボンでデコレーションがされているその制服は、かなり重量があると。
幼かった時、レスターは今より変な子だった。王太子の側近としての教育を受けていたので、ストレスが溜まっていたのだろうか。
ある日、レスターが後ろから走ってきて『スカートめくりだっ』とドレスの裾を捲り上げようとした。
だがドレスが非常に重く厚いために少ししか捲れず、その中はパニエが幾層にもなっているため、彼は素足をカケラとして見る事はできなかった。
彼はその場で『重いっっ!!!絶対身体に悪いよこれは』と叫んだ。
その場を目撃したのがアレクと兄だけだったため、その場でボコボコにされるだけで済んだが、そうでなかったらレスターは大変なことになっていただろう。
そこで彼は『ヴィクトリアに蔑んで踏んで欲しかったのに!』と叫んで余計に二人に絞られていた。
その後レスターの言うことも確かだと、ヴィクトリア基金で自分が過ごしやすい軽くて動きやすい服を作れる者を募集した。お金も増えてきたし、採算度外視で始めたことだった。
予想に反して爆発的なヒットを飛ばし、貴族社会で女性は軽いドレス、男性はスーツを普段着るようになった。同時に市井でも女性がズボンを履くようになったりと、動きやすい服が主流になっている。
王立学園でもドレスなど各々が好きな格好で通うのではなく、男女ともにスッキリとした制服が作成された。
だが学園では残念ながらそこでは終わらず、個性を出す為に貴族の多くが自家の威信をかけてカスタマイズを始めた。
リヒター公爵家でも当たり前のようにゴテゴテした制服が用意されていた。それでも今までのドレスよりはだいぶ軽かったため、特に気にしていなかった。
だが、ニクソン家三女のローラの制服はシンプルでとてもヴィクトリア好みだった。
ニクソン家の長女と次女は孔雀のような制服を着ていたので、派手好みの家なのだと思っていた。彼女達の制服には羽がついていたのだ。それは流石に学園でも目立っていた。
「よしっ」
ヴィクトリアは今まで侍女に用意された物を着ていたが、クローゼットをゴソゴソと漁り、ワクワクと自分の身体にフィットさせただけの制服を着た。
「やっぱり良い」
ヴィクトリアは鼻歌を歌いながら家を後にした。




