ヴィクトリアは回想した
夜になり、やっと家に帰れた。
明日は休みなので問題ないが、疲れ切ってしまった。何故か王宮ではヴィクトリア様!と技術者達の大歓迎を受けたが、私は話に全く役に立てなかったので、もう呼ばないで欲しい。
ヴィクトリアは明日は大叔父の命日のため、墓参りに行く予定だ。幼い時、彼のことがヴィクトリアは大好きだった。
彼は隣国の防衛戦に騎士団長として赴いた。前衛で指揮を取り、敵将と一騎討ちをして勝ったものの、その傷が原因で亡くなった。
祖父は厳格で、ヴィクトリアを大事に思ってくれているのだが、小さな頃は少し怖く感じていた。
だが、祖父の弟の大叔父は柔和な顔をしており、大きな体格をしていて、よく小さなヴィクトリアに高い高いをしてくれていた。
隣国が征服されれば我が国にも戦火が及ぶだろうと言い、大叔父は出立していった。
彼は立場上も身分上も一騎討ちを申し込まれても無視することができた。だが、我が国の武力を示すことが今後の我が国の平和につながると、受けて立ったのだ。
彼が亡くなった後、自分には何かできなかったのか考えた。だが、私はちっぽけな少女で、何も持っていなかった。父に人脈を作るようにと指令を受けた時に思いついたヴィクトリア基金は、こんな自分でも、有能な人に少なくないお小遣いのお金を出す事はできると思って始めた事業だった。
彼の墓の前に行く度に、自分の無力さを実感する。
明日の墓参りも、彼の冥福を祈ると共に、少しでも周りに何かを寄与できるようにと決意表明をさせてもらおう。




