戦うの活用形
幹部からの命令が下った。
「戦え。死ぬまで戦え。死んでも戦え」
連兄弟の兄、用が答えた。
「これまで戦った経験を基に戦います。戦って戦って戦い続けます」
弟の体が続けた。
「私も同じ考えです。我々は戦うことのみが生き甲斐です。戦うときの戦う心こそが全てです」
幹部は感心して言った。
「ほう。その意気だ。存分に戦え」
連用、連体「はっ。承知いたしました」
連用「ということだ。戦いまくるぞ」
終止丸「俺、戦う」
羊飼い「私は戦わないぞ」
連体「戦うことを恐れるんじゃない。だからお前は未だに名も無き羊飼いなんだよ」
羊飼い「そんなこと言われても私は戦わぬぞ」
終止丸「俺、戦う」
連体「そうだな、終止丸。共に戦うときが楽しみだな」
男「戦えば家族に楽をさせることができるぞ」
一同「お前は誰だ」
男「そうだな。ここでは仮に、定とでも名乗っておこうか」
定(仮)「戦えばかなりの褒美が出るそうだ。羊を飼う必要などなくなるぞ」
羊飼い「戦わないと一生羊飼いとして貧乏暮らしか」
連体「そうだ。戦うことを恐れるな」
終止丸「俺、戦う」
連用「うむ。戦いまくるぞ」
羊飼い「わかった。私も戦おう」
定(仮)「皆で力を合わせて戦えば、大丈夫だ」
連体「戦う前に、羊飼いよ。お前も名を名乗ってはどうだ」
羊飼い「そうだな。広大な自然で羊を飼う。未然なんてどうだろう」
連体「戦うときも羊のことを忘れない。良い名だ」
定(仮)「戦えば羊を飼う必要も無くなるがな」
連体「生きて帰れたらな。まぁ共に戦う者が多いと心強い」
未然「おう。共に戦おうぞ」
これがのちに語り継がれる、戦うの活用形の乱である。
未然「共に戦おう」
連用「戦い続けるぞ」
終止「俺、戦う」
連体「戦うことが全て」
仮定「戦えば良いのだ」
命令「そうだ。戦え」