あなたはわたしの秘密
See you…
やっと出会えたっていうのにさ
もうお別れしなくちゃいけないなんて…
※
さっき君は僕の部屋でなにをしていたんだろう?
君の影響でサリンジャーを読み始めた僕は
君に近づけたかな?
簡単に言えるようなことは
簡単に消えていくんだね
ウイルスも人も同じように生きてる
嘘みたいな話だ
君はTVに釘付けになっている
僕はお皿を洗っている
わからないまま怖がって
わからないまま忘れてく
だからなんでも繰り返すだけだって
身に沁みて分かるだろう?
大丈夫
これはただの独り言だから
※
僕の国は生まれた時から戦争ばかりしていて
平和な国に行きたいとずっと願っていたんだよ
僕は少しホッとして、すぐにまた怖くなった
理由なんて分からない
あの月のクレーターには誰かが閉じ込められている
そんなビデオを観たんだよ
だから今度は月に行きたくなったんだ
毎晩、お祈りまでしているよ
※
約束の時間は夜の11時
厚手のコートを着て
手土産にドーナツでも買っていこうかな?
なんて考えているところ
あと、重たいのはなんだろう?
なにかしっくりこないんだ
なにかが僕を重たくしているのに
自分のことなのに
分かんないことばっかりなんだ
ドライブに行こうね、なんて約束は
どこに消えていったのだろう
俺は、なにも信じないことにしてるんだ
そんなことあいつは言ってたな
感じることを犠牲にして
新しいビデオを探してる
哀れで寂しい誰かさん
「答えなんてないから間違いではない」なんて
言う為の手筈は100年前から用意してたんだろうけど
バカだなって罵られたから
笑っちまったよ
少しは君に似てきたかなぁ?
※
素晴らしいね
お別れの言葉があるなんて…
See you…again