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chapter 91 武器

ご愛読ありがとうございます

 村長との話を終えてみんなの元へ行く。


「みんな、長旅ご苦労だったな。疲れているとは思うけど状況があまり良くない。状況報告だけはしっかりしてくれ」


 ジェロ、カナデ、ルナ、ルドネ、そしてルドネの店の者達が館の1階に集まっている。


 商人ルドネが進み出て話をする。


「ナック様、王都の武器屋を一時的に閉店してアルカディア国の支援をする事にしました。ジェロ君とも相談して各村に鍛治師を配置する事にしました。武具の整備はお任せください」


「おお! それは助かります。訓練も激しくなってきて、アオイ1人では大変な状況です。よろしくお願いします」


 簡単な整備くらいなら自分達でやるけど専門家が整備してくれた方が安心だ。


「王都には冒険者が各地から集まって来て、連日ダンジョンに向かって旅立って行ってるぜ。良い武具が手に入るんだとさ」


「魔王はそうやって餌を与えてダンジョンに人を招き入れるそうだ」


「あちこちのダンジョンで揉め事だらけだそうよ。宝の取り合いで殺し合いまで起きているみたいね」


 カナデがゲンナリした顔で報告してくれた。このままでは負の力が増すばかりだ。


「ダンジョンに行かないようには出来ないのだろうか?」


「冒険者は無法者が多いぜ? 元々、社会的に身分の低い者達だ。その日生きるので精一杯の者達が宝さえ手に入れれば、しばらく暮らしに不自由しないのだからみんな行くぜ」


 そんなものなのか……全く想像のつかない世界だな


「ナック様、冒険者達には誰が作ったダンジョンなど関係無いのです。儲かればいい。良い武具を手に入れて強くなれば兵士として優遇されます。もちろん売って遊んで暮らす者もいます」


 とてもダンジョンへの出入りを禁止出来そうもないな。逆に禁止したら暴動が起きそうだ。


「ルドネさん、王都の店は大繁盛ではないですか? 商売を投げ捨ててここに来ていいんですか?」


 ダンジョンに行く為に冒険者が武具を購入するはずだ。大きな商機じゃないか。


「商人失格ですね……私は夢の為に生きています。目の前の利益より大切なものがあります。今は何の利益にならない様に思えても必ず大きくなって戻ってくると信じています。ナック様が木を植えるのと同じです」


 素晴らしい商人だ……いや……素晴らしい人物だ。


 ここが正念場だ。


 良く見定めてくれた


「ミスリルのインゴットを用意しています。鋼、鉄、銅、もちろん木、皮、布、全て存分に使って下さい。付与も行えます。最高の準備をして長城の門を閉めに行きます。あまり時間はありませんが……」


「「「おお!!」」」


「ミスリルとは豪華だな。みんな! 培った全ての技術を使いアルカディア国の武具を整えるぞ!」


 茶色のモジャモジャヒゲのドワーフが大きな声で職人達に声をかけた。王都の武器屋にいた俺の剣を作った人だな。


「王様はまだ俺の作った剣を使っているのか?」


 腰に装備している剣を見つめて尋ねてきた。


「普段はこれですね。最近の訓練では皆と同じ物を使う事にしています」


「アオイには作らせてないのか? かなり腕を上げたと聞いているが……」


「素晴らしい腕の職人になりました。ぜひ見に行って下さい。自分はあまり戦闘が得意ではありません。アオイに武器を作って貰う腕では無いのです。遅いですがこれから鍛えます」


「武器が人を育てる事もある。その武器は『王』が使う武器ではないな。自分の作った武器を悪く言いたくはないがな」


 そうなのだろうか? とても良い武器だ。ずっと使っていて不満に思った事がない。


 自分の腕が足りていないから不満に思わない……


 ドワーフに剣を渡して点検して貰った。


「しっかりと使い込んでいるな……かなり鍛錬しているようだが?」


 真剣な表情で剣身を見つめている。


「ゴブリンから国を守り、オークとの戦いでも使って来ました。1度も不満に思った事が無いのです。素晴らしい剣だ」


「ふむ……それは嬉しいんだが……」


 どうもドワーフの歯切れが悪い。何か言いたい事があるようだが言えないみたいだ。


「ナック……」


 ルナが心配そうにこちらを見ている。なぜかみんな自分に注目している。さっぱり分からない。


「すまない。何かあるのであれば教えてくれないか?」


「やれやれだぜ……本当に分かってないぜ? コイツは自分が王と思っていないし、戦いに関する事は全く駄目だ。ルナ、教えてやれよ」


 ジェロが呆れた顔で俺を見ている。


「ナック……アオイはアルカディア国の全ての武器を作ってきたわ……でも……『王』であるあなたの武器は作らせて貰っていないのよ? 他国の人から見たらあなたに認められていないと思われるわよ?」


「いや……俺はそんなつもりはないよ……あまり武器に興味が無かっただけで……」


「あなたはそうでも他の人から見たら違う様に見えるわ」


「そうか……全く気が付かなかった。知らない間にアオイを追い詰めていたかもしれないな」


 この忙しい状況で自分用の剣を頼むのも気が引ける。でも、ルドネの店の者達が助けてに来てくれたし、多少はアオイにも時間が出来るかもしれないな。


 アオイに自分用の武器を頼んでみるかな


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