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chapter 89 揺らぎ

ご愛読ありがとうございます

 各騎士団の訓練に参加してジョブ再鑑定と診察をした。


 戦士はグラディエーター、ナイト


 狩人はレンジャー、スナイパー


 槍が得意な者はランサー


 素早い者はアサシン


 魔法の訓練を受けた者達はウィザード、プリースト


 全員がクラスチェンジしてしまった。おかしい……こういう時はアイツの仕業だな。


「羊娘、みんなのジョブが変わったのはお前の仕業だな?」


「当然知らないわ。魔力が溢れ過ぎて把握は不可能なのよ?

ここで暮らしている人にプラスに働くのは当然ね」


「まあマイナスでは無いからいいんだがな」


「マスター、そんな事よりフグミンは何処にいるの?」


「フグミン? 居ないのか? ダンジョンで特訓すると聞いていたが?」


 レベルが上がるようになったからレベル上げをしているはずだ。


「もうレベル14になってるわ。幹部なのに無断で居なくなるなんて!」


 ビッケは北の防衛と訓練をしていると聞いているしな。


「防衛の手伝いでもしているんじゃないか? そんなに気にする事か?」


「当然ね! 『負』の勢力が増大しているわ。警戒してダンジョンの守りにつくのが幹部の仕事よ」


 羊娘にも分かっているのか……おかしな割にまともな事を言っているな。


「エルフも居ないし危険よ! 無防備だわ」


「ルナも関係あるのか? ダンジョンには無関係だろう?」


「当然関係あるわ! あのエルフはこの地の守護者よ。ダンジョンがある場所の守護者が離れるなんて信じられないわ」


 ルナはこの地の守護者……そうか……本人も感じているのかもしれないな。離れたくないと言っていた。

 

 『聖竜のいる山を守護するドラゴンの女王』


「もう帰ってくるよ。それにこの国の守りはとても堅い。ここまで攻め込むのは不可能だろう。もしそうなったら世界は滅ぶよ」


「私には外がどうなっているか分からないのよ。ただ感じるだけ。早く『負』を抑えないといけないわ」


「全力を尽くしている。計画も立てたよ」


 ファリスの計略が動き出している。それに合わせて軍の訓練も激しくなってきている。


 全員レベル14を目指す事になった


 今はレベル15になる条件を探しているはずだ。武器の見直しも進んでいる。ミスリル素材が使われ始めて、洞窟からもミスリルが採掘されている。防具類は鎧だけはジェロが居ないから手付かずだが、服は強化している。


 アルカディア軍は以前に比べて数段は強くなっている


 豊かで幸せな国であるのに軍事強化が加速している


 疑問に思う者もいるだろうが 信じてついて来てくれる


「羊娘、お前も何かアイデアは無いか? ダンジョンの事では無いかもしれないが世界が滅ぶぞ?」


「こちらが意識している様に向こうもこちらを意識しているわ。必ず仕掛けて来るはずよ! だから恐れているのよ。もっと強くなるしか無いわ。出来る事は全てやっているわ。ここがやられたら世界が滅ぶわ。先に仕掛けた方が有利よ!」


 本当に心配しているみたいだな。いつも同じ調子だからイマイチ分かりにくいが……


 先手必勝だな


 こちらの準備の方が整っている様にも思える


 東の国の状況は分からないが……長城のこちら側は間違い無くアルカディア国の方が有利だ。


 村長達が帰り次第


 やるか


 館でファリス、ザッジと話し合う。


「先に仕掛けようと思う」


「ほう? 慎重なお前にしては珍しいな」


「ザッジ、レベルはいくつだ?」


「もう14にした。ヒナもだ。アルカディア騎士団もあと少しだろうな」


「早いな……」


「みんな、何かを感じているぞ。かなり必死になって訓練している。焦っている者もいるな」


「残りの鑑定はウエストゲート村だけですが、建設中の港からも訓練に参加したいと申し出が来ています。北の隣り村からもジョブ鑑定をして欲しいと相談がありました」


 みんなが立ち向かおうとしてくれている!


 何か言ったわけでもないに……


 みんなが力を……


「焦って失敗はしたくない。万全の準備をして仕掛けよう」


 アルカディア国の全てで北進する!


 各村の工房では着々と準備が進められている。


 みんなが真剣に取り組んでいた。戦闘の準備をしているのに暗い気持ちにはならなかった。


 信じている 未来のために行動していると


 ウエストゲート騎士団と訓練をした。若者が多いだけあって体力、気力共に充実している。勢いだけなら1番だろう。

 訓練を終えて一緒にウエストゲート村まで行軍し、村に入った。来る度に村の様子が変わっていてどんどん発展しているのが分かる。

 騎士団の鑑定をするとやはり全員クラスチェンジをした。

 どこの村でもお祭りになってしまう。


 翌日、診察をして村長達の帰りを待つ。帰ってくる予定は今日だが時間までは決まっていない。

 夕方になり、ようやく馬に乗って村長達が帰って来た。ジェロが先頭で橋を渡ってくる。村長、カナデ、ルナの姿も見えた。

 だが、やけに人数が多い。商人ルドネの姿もある。


「ん? 国王様がお出迎えだぜ?」


「村で診察をしたついでだ」


「そうか? 俺には誰かに会いたくて仕方がないようにしか見えないぜ」


「否定はしないよ」


「弱気だな。これからだぜ?」


 それは分かっているさ……


「ナック、どうしたのわざわ……!!」


 ルナの姿を見たら思わず抱きしめていた。


「やれやれだぜ……みんな、先に行くぞ。今日はここで泊まるぜ」


 ルナ……必ず……幸せな世界を……


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