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chapter 79 ファリスの怒涛

ご愛読ありがとうございます

 ガレキの砦が鎮火したのでダンジョンの入口の探索が始まった。

 村のほぼ中央にぽっかりと下に続く階段がすぐに見つかった。


「中を見たい気もするけど危険だよな……」


「はい……敵陣に飛び込む様なものですから止めて下さい」


 こうしている間にも水路の工事がどんどんと進んでいく。


「一気にかなりの水量が流れ込みます。更にガレキの燃えカス等も流し込みますので掃除にもなります」


 ゴミ処理も兼ねているのか! 無残な燃えカスが全部無くなれば再建する時にも楽だな。


 2本の河川からの引き込み準備が整った。ゴミもダンジョンの入口に山になっている。


「では始めます」


 ファリスが淡々と指示を出していく。2箇所の堰が切られダンジョンの入口に向かって水が一気に流れて出していく。


「杭を投入して下さい」


 先の尖った太い丸太が水路へ転がされた。水流に乗って凄い勢いでダンジョン入口の扉に突き刺さり、そのまま中に流れていった。

 扉が壊れて水がどんどん流れ込んでいく。


「ゴミを投入して下さい」


 兵士達がスコップがゴミを水路に少しずつ投入していく。ゴミは水の流れに乗ってダンジョンへと吸い込まれていく。


「いいみたいです。ゴミをもっと入れて下さい」


 兵士達が一斉にゴミを投入し始めた。水攻めと言うよりは汚泥攻めと言った方がいいかもしれない。


「ウヒャーー これキツイぜ! ファリスちゃんは鬼だな!」


 ジェロ達が楽しそうにゴミを水路に投入している。なぜかこういう時にはヤツらが率先して動いている。


「ジェロ、西はどうだった? 思い通りにいったのか?」


「西か……時間がかかるぜ。アストレーアはいい領主だがな……」


 あまり浮かない顔をしている。何か気になる事があるのか?


「アストレーアが大領地の領主になったのは自分の道を歩く為だ」


「自分の道? 何だそれは?」


「身分を上げて王の妃になるんだろ? これで資格は十分のはずだぜ救国の英雄でもあるしな」


 王の妃になれば西の領地は他の領主が来るか……それまでしか安心出来ないって事か。


「アストレーアと少しだけ話をしたが、お前が領主でもいいと言っていた。だが、ここですら欲しがらないのだから無理だな」


「それは当然、無理だな」


「まあ、頑張って王の直轄地にしてくれればいい。そうすればアルカディア国も援助しやすいぜ。それよりもファリスちゃんの計略は冴え渡っているな。一皮剥けた感じだぜ。自信が漲っていてこちらも安心出来る」


「あの陣形の時、お前の部隊の動きは良かったな。眺めていたが上手く隙を埋めていた。あの動きはお前しか出来ないぞ」


「そこに俺を使う事が重要なんだぜ? しっかりと特徴を把握しているって事だ。俺ならそれが出来ると信頼してあの場所を任せた。さすがに応えてあげないと格好悪いからな」


 8部隊全てがしっかりと機能していた。それでもジェロ隊の動きは特殊に見えた。物見台から見ている訳ではないのに、弱そうな所へ素早く助けに入るのは陣を上から見ているかの様だった。


「だが、あの陣形は弱点があったな……ザッジの所から入ってクレアちゃんの所に押し込むとクレアちゃんは危なかったぜ? まあ俺も戦いの最中に気がついたんだがな。逆のパターンはザッジの強さで耐えれそうだったがな」


「気がついて何か手を打ったのか?」


「もしそういう動きがあったらビッケに助けに行けって伝えたぜ。ビッケが動いて、俺達がそこを埋めれば間に合うからな。俺達の分はお前とファリスちゃんで埋めれるはずだ」


 さすがだ……弱点を見抜き、すぐに手を打っていたか。


「お前だけだろうな。その弱点に気付いたのは……眺めていた俺でも気が付かなかったぞ」


「いや、違うなそれは。ヒナとルナも気付いていたぜ? 矢倉の位置を少し変えてザッジとクレアちゃんを助けに行ける位置にしていた」


「そうなのか……全く分からなかった」


「次、あの陣形を使う時はほとんど穴がないぜ。ザッジみたいなヤツが無理矢理突っ込んで陣形を滅茶苦茶にするしかないな。だが、ただでは済まないぞ? 突っ込んだヤツはボロボロだぜ」


 そうだろうな。防護柵や人が密集している所を通り抜けないといけない。当然、そんな事をしたら狙われてしまう。


「しかし、ダンジョンも良し悪しだな……まさかゴミで埋められるとは思ってないだろう。やられたら最悪だぜ」


 話をしながらでも必死にゴミを投入している。余程楽しいらしい。


「中がどうなっているのか分からないが、最悪なのは間違いないな。マスタールームを上手く隠していても扉は必ずある。圧力が掛かって扉は壊れるだろうな」


 3日間、汚泥攻めが続いて辺りはスッカリ更地になってしまった。


「しぶとく耐えてますね。土砂が足りないので村の外周に堀を作る事にします」


「堀か……堀があれば多少は守りやすいな」


「はい。水路から水を流せば侵入するのは難しくなります。外壁を作り矢倉を建てれば、より強固になりますね。跳ね橋を作れば万が一の時にも安心です」


 結局、二重の堀が出来上がり、ようやくダンジョンの入口が消えて無くなった。


「予定とは違いましたが、村の再建が出来る状況になりました」


 二重の堀に囲まれた村……これはもう野城だぞ



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