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chapter 75 未知のレアジョブ 大輪の花

ご愛読ありがとうございます

「ファリス、君は魔力も知識もある。魔法のスクロールが写せるんじゃないか?」


「そうですね……試してみましょうか」


 ファリスは館の2階の自室から魔法のスクロールを持ってきた。初級魔法ライトヒールのスクロールだ。

 複雑な魔法陣や読めない文字が沢山書いてある。それをゆっくり丁寧に写している。


「魔力が……驚く程消費していきます。正直、魔力が減っているのを感じるのは始めてです……」


 額から汗が流れている。物凄い集中力が必要なようだ。村長はファリスは魔力が豊富だと言っていたはずだ。知識は間違いなく豊富だ。条件は揃っている。


「ふぅーーー 出来ました」


「上手く出来たか試す方法がないな……村長か、カナデなら分かるのかな」


「鑑定してみてはどうですか?」


「お! そうだ! その手があるな」


 早速、ファリスが写した魔法のスクロールを鑑定してみる。

 


 魔法のスクロール  ライトヒール



「おお! 成功しているじゃないか! これは凄いな!」


 ファリスはとても嬉しそうに微笑んでいる。


「はい! 何か仕事をしたって感じがとてもします」


 本来の司書の仕事に近いのかもしれないな。ひょっとして……


「魔力を消費したという事は経験を積んだ事にならないか?」


「あ! そうですね……生産職の人達と同じでこれを続けるとレベルが上がるのかもしれません。魔法で戦うのより魔力の消費がとても多いのでこちらの方が効率がいいかも」


「紙もインクも沢山ある。中級の魔法やレアな魔法を写せば経験が多く得られてレベルが上がりやすいかもしれないな。ディスペルマジックはもう使ったのかい?」


「いえまだです。まだ覚えられませんでした。恐らくレベル5にならないと無理だと思います」


 金色の羊皮紙もまだ残っている。原紙として1枚保存しておくといいな。

 

 これだけでも凄いぞ……


 幅広い知識でアルカディア国の内政を支え、オークとの戦いでも重要な役割がある。更にスクロールを作る事まで出来る。レアジョブだからと言えばそうかもしれないが、今まで積み重ねてきた事が実ろうとしているのかもしれない。


 ファリスの才能が開花し始めている


 全くレベルが上がらず苦しんできただろう。何とか貢献しようと弓の練習まで隠れてしていた。


「魔法のスクロールを写して原本にしよう。完成したらアルカディア国の宝になる……偉業と言っても過言ではないな」


「アルカディア国の宝、そして偉業……必ず成し遂げます!」


 ファリスは凄い勢いで2階に走っていった。紙とインクをファリスの事務所に用意してあげてから、北のダンジョン砦に戻った。



 数日後、ビッケとファリスがダンジョン砦にやってきた。


「魔法スクロールの原本が完成しました!」


 ファリスはかなりヘトヘトの様で目の下にクマが出来ていた。でもやり切った清々しい笑顔をしている。

 原本を見せてもらう。紐で結んだだけの紙の本だけど、アルカディア国にある魔法を全て写した物だ。ちゃんとディスペルマジックも金色羊皮紙で作ってある。


「素晴らしいな! アルカディア国で初めて出来た本だ。しかも本当の魔法スクロールの本。よくやってくれたな、ファリス。ありがとう」


 ファリスは目に涙を浮かべて何度も頷いている。


「ナック兄、ファリスのジョブ鑑定をしてあげてよ。かなり頑張ったからレベルが上がっていると思うなー」


 ファリスのジョブ鑑定をする。



 ファリス  特級司書  レベル  8

       狩人    レベル  2

       軍師    レベル  2

   スライムテイマー  レベル  0


   アクティブスキル  魔導召喚

 

        スキル  魔導書化

        

       魔法  マジックボール

           マジックウォール


「「「 えええ?!! 」」」


 今までほとんどレベルが上がらなかったのに一気にレベル8まで上がっている……レアモンスターを倒した様な感じだ。ディスペルマジックを写したのが効いたか?


「魔導召喚に魔導書化……さっぱり分からないな」


 ファリスはブルブル震える手で魔法スクロールの原本を持ち上げた。何か分かっているのか?


「魔導書は自分で書いた物ほど、力を発揮すると言われています。私がこの本を魔導書にして書かれた内容を召喚したら……」


「何だって! それじゃあ全部の魔法が使える事になるじゃないか!」


「はい……そうなります……」


 とんでもない事になったな。カナデ以上の魔法使いが突然現れてしまったぞ!


 でもファリスはまだ何か考えている……


「魔物図鑑……魔物図鑑を写し、魔導書にして召喚したら……」


「まさか……全ての魔物が召喚出来るのか?」


「分かりませんが……もし出来て、それをナック様が鑑定したら」


「全ての魔物がダンジョンに配置可能って事か!」


 とんでもないどころか、空前絶後の重大事件だぞ!


「必ずしも写す必要はありませんが……」


「魔導書にしても普通に読めるなら試していいよ」


 魔法スクロールの本も構わないが……


 ちょっと待ってよ……


 ファリスの武器は杖ではなく本という事にならないか?


 とりあえず本を使うのを見て見たいな


「この魔法スクロールの本を魔導書にして見てくれるかい?」


「はい! やってみます」


 ファリスは手に持っていた本に意識を集中し始めた。


 本が直視出来ない程の強い光を発している。フワっと本が一瞬だけ宙に浮き、光が消えた。


「成功しました!」


「凄いなー 早く使って見てよー」


 ビッケはとても嬉しそうにファリスと本を見つめている。


「回復魔法を使ってみますね」


 ファリスが本を両手に持ってビッケの方を向いて構えた。


「ライトヒール 召喚!」


 本が一瞬、輝いてファリスの手からフワッと浮きあがった。そしてパッとページが開かれ、ファリスの前に小さな魔法陣が浮かび上がった。


 ビッケが光に包まれている


「成功しました!」


「凄いな……魔力の消費はどうだい?」


「マジックボールと変わりませんね。あまり減った気がしません」

 

 これでは駄目だな……


 最高を目指さないといけない


 ファリスの武器は本だ


 武器は素材に拘らないといけない


 彼女の努力に報いるために


 大きく花を咲かせた才能のために


 最高の本を用意しなければならない


 アルカディア国の全ての力を結集しよう


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