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chapter 36 野望

ご愛読ありがとうございます


登場人物と設定 紹介


ジェロ  戦士  ジェロ隊 隊長 いいヤツ

         やる気があるのか無いのか不明

         美少女騎士ミンシア推し


ジェロ隊 男4人で構成されている偵察陽動部隊 

     機動力重視  ビッケも所属している

     特殊な任務が多い クセ者揃い

 ジェロ隊4名と西の砦を出発した。ジェロ隊は全員男性でビッケもいる。広範囲で索敵しながら罠を仕掛けた巣で待ち合わせる。今日はビッケにも本気でやっていいと言ってある。

 巣の周りにジェロ隊が集まり始めたが、誰もゴブリンに会った者はいなかった。巣の中も特製スープが腐って大変な事になっている以外は何もなかった。


「ジェロ、どう思う?」


 隣りで面倒くさそうにしているジェロに聞いてみる。こいつの勘は凄いからな。


「そうだな……奇妙なくらいゴブリンがいない。嫌な感じだ。こういう時が1番危ない。俺なら逃げるぜ」


「よし! もっと奥まで行くぞ!」


 ジェロの勘を信じよう。広範囲に探るのは危ないので範囲を狭めてさらに西へ進んで行く。ジェロは呆れた顔をしているが仕方ない。


「おいナック、これ以上は未開の地だ。この先に駆除した巣はないぜ」


 地図で確認したが確かにそうだ。ジェロは地図を見ないで話している。さすがだな……頭に入っているのか。


「ジェロ、お前から見てゴブリンがいそうなのはどの辺りだ?」


 手に持っていた地図をジェロに差し出すと受け取らずに歩き出した。


「こっちにこい」


 ジェロの後をみんなでついて行き小高い丘に登った。


「俺は地図なんて全くあてにしてないぜ。この丘は結構遠くまで景色が見える。目で見て、空気を吸って、音を聞いて感じるんだ」


 丘を登りきって遠くを見ると確かに見晴らしが良かった。でも、どこにゴブリンがいそうかなんて分からない。

 

 ジェロはずっと遠くを見ている


「地図とペンをよこせ」


 ジェロに地図を渡すと2箇所バツ印を書き込んだ。巣がありそうな場所としては全く予想されていない場所だ。洞窟がありそうな場所にも思えない。


「なぜこんな所が怪しいと思うんだ?」


「なぜ? 説明するのが苦手だが……嫌な感じがする場所だな」


「行こう。ここへ」


「俺の勘を信じてどうする。ファリスちゃんから許可を得てないぜ」


「今日は徹底的にやってやる。アイツらのせいで畑も耕せないからな」


「おい。お前、また切れてないか?」


「行くぞ!」


 ここで話していてもしょうがない。とにかく見て見なければ。何も無いなら無いでいい。でも、何かあるような気がする。俺はジェロの勘を信じている。


 印の位置に近づくに連れてジェロ隊の緊張感が増してきた。


「ナック兄、これはマズいよ。みんな感じている。この隊は特殊だよ、みんな分かるんだ。マズいって」


 ジェロ隊が進むのをやめた。みんな戻ってジェロの所に集まった。


「ジェロ、砦みたいのがあるぜ……やっぱあんた天才だよ」


「中にゴブリンがうじゃうじゃいるよー」


「入り口は1箇所だけだ」


 ジェロ隊の隊員達から報告があがってきた。


「ゴブリンが砦を築くのか? 洞窟ばかり気にしすぎたか……」


「俺達をマネしたのかもしれないぜ」


なるほど。マネか……変な知恵をつけやがって!


「砦を落とす!」


「馬鹿か? お前。戻って出直しだ」


 ジェロは止めるがゴブリンを見て生かしておくはずが無い。


「俺とビッケで掃除してくる。ジェロは逃げるヤツを仕留めろ」


「本気かよ? またみんなに怒られるぜ?」


「内緒にしとけよ! 行くぞ、ビッケ!」


「いいよー」


 ビッケの武器は右手は王都で購入した物、左手はアルカディアでアオイがビッケの為に作った物だ。片手刀というそうだ。


 ビッケは抜刀した

 

 歩いて入り口の方へ向かって行く

 

 気付いて出て来たゴブリンを一撃で瞬殺していく


 普通に歩きながら倒して行く


「やれやれ……強いんじゃないかとは思っていたが」


 ジェロはやはり気付いていたな

 

「俺も行く。頼んだぞ。根絶やしだ!」


 俺も歩いてビッケの後をついていった


 襲ってくるゴブリン等いない


 みんな倒れている


 息が残っているヤツすらいない 


 無数にいるゴブリンの真ん中をビッケが歩いている


 砦は木の棒を地面に突き刺した物だった 単なるマネだ


 丸太が2本立っていて門みたいにしてある


 ビッケは門の中へ歩いて入っていった


 俺はビッケに群がるゴブリンを外側から倒していく


 レッドキャップもたまにいるが相手にならない


 もう研究し尽くした


 ビッケは砦の真ん中で低く構えた

 

 周りにはゴブリンが40匹程か


 ゴブリンが凄い勢いで弾き飛ばされていく


 奥の方に小屋のような建物が見える


 手を小屋の方に向けて精神を集中する


 最高の品質を作り上げるイメージだ



「マジックボール!」


 手から白く半透明に光輝く巨大な丸い玉が小屋に向かっていく


 そして 小屋の周辺が


 跡形も無く消し飛んだ


 ゴブリン達が固まっている場所がある


「マジックボール!」


 ゴブリン達が消し飛んだ


 ビッケの方を見た


 立っているのはビッケだけだった


 入り口の方を見た


 ジェロが門を塞いで立っていた


 無数のゴブリンが倒れている


 左右の木の棒を乗り越えて逃げようとしているヤツは


 乗り越えようとした瞬間に斬られていく


 さすがジェロ隊だ 棒の向こう側で待ち構えているな


 ビッケが右奥に走り出した


 俺は左奥に走り出した


 逃げようとしてるヤツを全て斬っていく



 ゴブリンは全滅した



「やれやれだな……これどうする気だ。軽く100匹はいるぜ?」


 ジェロは呆れた様子で言ってきた。


「印はもう1個あったな。それを片付けてから考えるさ。今、焼却すると黒煙が上がるからな。後でまた来る」


「やれやれだな……今度から印は1個にするぜ」



 西の砦に戻ったのは3日後だった。捜索隊を出そうか悩んでいたそうだ。やはりジェロのつけた印の位置に砦が出来ていた。全て駆除を行い焼却した。倒すより焼却の方が大変だった。

 

「おい。今回の事は誰にも言うなよ。またやらされたらたまらんぜ」


 ジェロ隊と俺の秘密とする事にした。ゴブリンを探して奥に行って道に迷った事にする。迷うようなメンバーではないが……


 西の砦で長い休息を取ってから村へ帰る。砦にいるのがミンシア隊なのでジェロが帰ろうとしないが限界だ。さすがに風呂に入りたい。

 

 帰り道には新しい村が出来ているはずだ。新しい村の近くに行くと道が急に太くなっていた。物資の運搬の為に馬車が通れる様に道幅が拡げられていた。右に曲がれる道があるので見に行く事にした。

 道を曲がってすぐの所に門があり村人が立っていた。声をかけて中に入れてもらう。外周はしっかり木の壁で囲われていて、壁の内側には木が1本もなく平らな更地に小屋が8軒建てられていた。更地の部分もかなり広かった。これなら畑もやれそうだ。

 これだけの作業を3日で本当に行うとは国力が違いすぎる。アルカディアなら3か月はかかりそうだ。

 ファリスとヒナが何やら相談していたが、軽く声をかけるだけで帰る事にした。さすがのジェロ隊も疲労困憊だからな。

 

 村に着いたら風呂に直行した。ルナが受付をしていたので風呂に入ると言うと、今は女性の時間だけど誰もいないからと許可が出た。

 ジェロ隊4人と一緒に風呂に入った。


「なあ、ナック。この風呂はどんな仕組みなんだ?」


 ジェロが不思議そうに聞いてきた。何の疑問も持たずに使っていたがたしかに不思議だな。魔術具かな? でも魔石を使ってないぞ。


「さあな? あったから使っているだけなんだ」


「お前は変なところで適当だな。俺は風呂が気に入っているんだが、さっきみたいに交代制なのが残念なんだ。俺の隊は特に特殊だから時間が合わなくて入れない事が多い。他の国の事よりここに風呂をもう1個作ってくれよ」


「そうだな。よし! 作り方を調べて最高に気持ちいい風呂を作ろう」


 やっぱりジェロは俺に無い発想を持っているな。


「なあ、ジェロ。他に何か思いつく事はないか?」


「他か……もう1個風呂を作ろうぜ」


「ん? 2個も作るのか?」


「ああ。男用、女用、男女用だ! 最高だぜ!!」



 それは確かに最高だな!


応援ありがとうございます




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