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chapter 32 金の誘惑

ご愛読ありがとうございます

 

登場人物 紹介


ナック 錬金術師 のんびり生活が好きな青年

         村外れの小高い山の上で1人暮らし

         祖父から薬草作りと創薬の技術を学ぶ

         釣りが得意


ザッジ 戦士   村の門番 正義感が強い 熱い男

         ナックの幼馴染


ヒナ  狩人   エルフ双子姉妹の姉 村長の娘

         活発で陽気な女性

         オレンジのショートヘア

         ナックの幼馴染


ルナ  狩人   エルフ双子姉妹の妹 村長の娘

         落ち着いた女性

         青白色のロングヘア

         ナックの幼馴染


ビッケ 漁師   浜近くの小屋で1人暮らし

         ナックの弟分 素潜り漁師

         幼さの残る気楽な少年


カナデ 裁縫師  村1番の黒髪美人 


ファリス 司書  小柄な女性 冷静沈着

         金のセミロングヘア

         黒の丸縁メガネを愛用


アオイ 鍛治師  ハーフドワーフの女性 東の国出身

         元気に挑戦する人

         赤茶色のショートヘア

 

 館でファリスにフグスライムについて調べてもらっている。


「この魔物図鑑は王都でも名著と言われている書物ですが、フグスライムの名はありません。新種……いえ珍種でしょう」


 フグスライムは見た目もフグのままで背は黒っぽく独特な模様があり、お腹は真っ白だ。スライムらしい透明感は全く無い。

 スキルの痺れ毒の毒性は強い。大膨張は2段階あり、1回命令すると2メートル位の大きさになり、2回目は6メートル程で巨大に膨らむ事ができる。命令で膨らむのを解除するか、時間が経つまで膨らんでいるけど、膨らんでいる間は動く事が出来ない。

 

 フグスライムは普通のスライムなど相手にならない強さだ。凶悪な痺れ毒で圧倒してしまうので、やっとルナが回復役から解放された。



 ダンジョンにみんなで入ってレベル上げを行っている。

 

 ザッジとヒナは最初の部屋で夫婦喧嘩の様な訓練

 

 カナデとアオイは羊レベル4退治、弓と短剣で狩人のレベル上げをする

 

 ビッケはフグスライムのレベル上げでスライムレベル4退治

 ファリスがフグスライムの観察をする

 

 自分はルナのレベル上げで羊レベル5退治

 

 ちょっとしたデートみたいで嬉しい。ルナの武器は弓ではなくヒナの槍を借りている。不慣れな武器なのでたまに攻撃を受けるけど、自分で回復出来るので眺めているだけでいい。

 

 「槍って離れていても攻撃できるからいいわ」


 「そうだな。村人達にも試してもらうかな」


 しばらく戦っているとカナデとアオイが呼びに来た。


 ついに出た!



  金色羊がいた


 

 ザッジとヒナが攻略を考える。


「アイツは特別なヤツだ。睡眠魔法を使うかも知れない。でも倒せばレベルが1か2くらい上がるぞ」


「ルナ、カナデ、アオイ、フグスライムで戦ってみるか?」


「そうね。私達が加わるとレベルの上がりが悪くなるわ」


 レベルが高い人はすぐに助けに入れる位置で見学する事にした様だ。


「ルナが突っ込んでカナデとアオイが左右に展開する。フグスライムはルナの近くで待機して、隙を見て痺れ毒を、睡眠魔法が来たら大膨張で敵を弾き飛ばして詠唱を中断させる作戦で行くぞ」


「危なかったらみんなで倒しましょう」


 金色羊の討伐に挑戦する


「みんな! いくよ!」


 ルナの合図で金色羊を取り囲む。

 ルナが少し離れた間合いから突きを繰り出し、カナデとアオイはお互いを射線からずらした位置で弓を構えて矢を放ち、時々近づいて短剣で攻撃する。

 相変わらず羊の動きは単調で読みやすく、色違いでもあまり変わらない。順調に攻撃が重ねられていく。


「みんなで一斉攻撃するよ! ビッケ狙って!」


 ルナ、カナデ、ヒナが同時に突きを放った!

 羊の動きが一瞬だけ止まった。


「いけ! 痺れ毒!」


 フグスライムが白いお腹? をポヨンと弾ませて羊の背中に乗った。そして毛の中に埋もれていく。


「「 中に入ったぞ! 」」


「そのまま! 溶解!」


 金色羊はピクピク痺れて動きが鈍くなり、かなり苦しんでいる。

 フグスライムが羊に取り付いているので誰も攻撃が出来ない。

 

 急に羊が動きを止めた


 「睡眠魔法が来るぞ!」


 地面に魔法陣が浮かび上がった。


 「大膨張!」


 金色羊の背中で急にフグスライムが巨大化した!

 金色羊は少しだけ屈んで勢いよく元の姿勢に戻り、フグスライムを跳ね上げた。ポーンと真上に飛んで行ってしまった。


 「……zzz」


 ルナ、カナデ、アオイは眠ってしまった。

 金色羊は上を見てフグスライムを狙っている。

 体勢を整えて頭突きの構えだ!


 「まずいぞ! 助けに入る!」


 「待って! まだやれるよー」


 ビッケに止めらて助けに入るのをやめ、様子を見守る。

 飛んで行ったフグスライムが真上から落ちて来た。

 羊が頭突きを繰り出そうとした!


 「大膨張!」


 フグスライムがさらに大きく膨らんで羊の3倍位の大きさになった!

 そこに金色羊が頭突きを放った。ポーンとフグスライムは斜め上に弾き飛ばされてプシューっと音を立てて小さくなった。

 金色羊は猛然とフグスライムを追いかけて行くが時々動きが止まる。痺れ毒が効いている様だ。


 その隙にルナ、カナデ、アオイを起こしてあげる。


 「フグスライムが危ない! 助けに行ってくれ!」


 起きた3人が慌てて駆け出して行き、金色羊をまた取り囲んだ。

 

 「カナデ、アオイ! 挟み打ちにして! 回復するわ!」


 「「 了解! 」」


 金色羊の左右からカナデとアオイで同時攻撃を加えている。


 「ライトヒール!」


 ルナの回復魔法がフグスライムを光で包み込んだ。


 「ビッケ! 一斉攻撃いくよ!」


 ルナ、カナデ、アオイがタイミングを合わせて突撃した!


 「いけ! 痺れ毒!」


 フグスライムがまた金色羊の背中に乗って埋まっていく。

 金色羊はもがいているけど動きがかなり鈍い。

 

 「さらに溶解!」


 金色羊はピクピク痺れて全く動けなくなった。

 しばらく様子を見つめる……


 金色羊が消えて魔石になった!


 ドロップ品として皮、毛、肉、血、骨を得た。

 最初の部屋に戻って休憩をする事にした。

 ルナが羊皮紙を出してきた。


 「レベルが上がっているわ。スキルも増えてる」


 ルナ ドラゴンクイーン レベル 6

        

        裁縫師  レベル 2

        

        革細工師 レベル 1

    

    アクティブスキル 竜魔槍

         スキル 命中率アップ 大

             槍適性    大

    

         魔法  ライトヒール


 「ファリス。アクティブスキルって何だい?」


 「任意で発動、解除が可能なスキルですね。魔力や体力と引き換えに発動させる物が多いそうです」



 カナデ、アオイ、フグスライムを鑑定した。


 ビッケが羊皮紙を見ている。


 「テイマーがレベル5になったけど変わってないねー」


 全員レベル5になった

 カナデは裁縫師から狩人にジョブが変わった

 アオイは鍛治師から狩人にジョブが変わった


「この皮はもの凄い価値があるらしい。もちろん、戦った君達の物でいいよ。これでジョブ鑑定をしてみるかい? 今までと違うジョブが出る可能性があるよ。カナデとアオイどうする?」


 カナデはちょっと迷っている。


「やっと狩人になれたのに……どうしよう」


「そうだね。金色羊皮紙で鑑定するとその人の奥に眠っているジョブを表に出してしまうと思う。ジョブが変わってしまう可能性が高い」


「私はやってみたいわ。ジョブは何でもいいし」


 アオイは狩人になっても鍛治職人なのは変わりない。狩人でも鍛治の仕事を続ければ再鑑定で鍛治師にいずれ戻れる。

 アオイのジョブ鑑定を金色羊皮紙で行う。


 アオイ ジョブ   狩人 レベル 5

        

           刀匠 レベル 4


          甲冑師 レベル 2


           剣豪 レベル 1

 

              スキル 命中率アップ 中


「わ、私が刀匠と剣豪?! 東の国では一流のジョブよ!

 ……防具作るのサボってるのバレちゃうね。これ」


 武器ばかり作っていたな……


「これなら狩人は残りそうね。アオイを実験台にしたみたいで悪いけど私もやるわ」


 カナデのジョブ鑑定を金色羊皮紙で行う。


 カナデ ジョブ   狩人 レベル 5

          

          裁縫師 レベル 3

        

         革細工師 レベル 2


         黒の魔女 レベル 1


              スキル 命中率アップ 中

    

「……黒……魔女……何これ? やめとけば良かった……」


 ファリスが結果を見て考え、話し始めた。


「恐らくこの黒というのは黒魔術の黒だと思います。黒魔術師は状態異常魔法が得意で非常に強力です。魔女も魔法使いの上位職です。腹黒い女という意味ではありません。たぶん……」

 

 いや……たぶんはマズイでしょう


「ま、魔法のスクロールの中に状態異常の物があったはずだ。初級の攻撃魔法は使えないのかな?」


「魔女はかなり多くの魔法が使えると思います。属性の適性を村長に相談してから覚えた方がいいですね。闇の可能性が高いと思いますが」


「黒……魔女……闇……」



 どんどん深みにハマってますよ



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