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chapter 30 幸せの時間

ご愛読ありがとうございます


30話まできました

 

登場人物 紹介


ナック 錬金術師 のんびり生活が好きな青年

         村外れの小高い山の上で1人暮らし

         祖父から薬草作りと創薬の技術を学ぶ

         釣りが得意


ザッジ 戦士   村の門番 正義感が強い 熱い男

         ナックの幼馴染


ヒナ  狩人   エルフ双子姉妹の姉 村長の娘

         活発で陽気な女性

         オレンジのショートヘア

         ナックの幼馴染


ルナ  狩人   エルフ双子姉妹の妹 村長の娘

         落ち着いた女性

         青白色のロングヘア

         ナックの幼馴染


ビッケ 漁師   浜近くの小屋で1人暮らし

         ナックの弟分 素潜り漁師

         幼さの残る気楽な少年


カナデ 裁縫師  村1番の黒髪美人 


ファリス 司書  小柄な女性 冷静沈着

         金のセミロングヘア

         黒の丸縁メガネを愛用


アオイ 鍛治師  ハーフドワーフの女性 東の国出身

         元気に挑戦する人

         赤茶色のショートヘア

 


 こういう時は必ず早く目を覚ます

 

 外に出て小川の水で顔を洗う


 とても冷んやりして気持ちいい


 祖父から引き継いだ薬草畑を眺める


 少し元気になったみたいだ


 エサを集めてビッケの家に向かい、釣り竿を物置から取り出す。

 まだビッケは寝ているかもしれない。


 1番大物実績のあるポイントへ向かう。辺りはまだ薄暗い。

 波は少し高いがこんな時はデカイのが釣れる。

 

 波打ち際にエサを投げ入れる 釣り竿を手に持ってそことは違う


 遠くの場所へエサ付の針を投入した 3回同じ事を繰り返した時


 竿の先が海の中に入り込んだ 

 

 少しだけ間を開けてグッと竿を体に引き寄せた


 重い手答えがした 波打ち際までゆっくり進んで


 糸を手に持って魚をたぐり寄せた


 大きな鯛が釣れた


 ビッケに教えてもらった場所に針を刺す


 ピクッと少しだけ動いて全く動かなくなった


 釣った魚を籠の中に入れ さらに大物を狙う



 アオイの店に行って釣った魚を3匹渡した。東の国の料理を作ってくれるそうだ。商人ルドネから仕入れた調味料も用意してあった。

 館に行くと既にたくさんの料理が出来上がっていた。ここの厨房設備はしっかりしているのでいろんな料理が作れるみたいだ。

 釣った魚を全部預けて出来た料理を運ぶのを手伝った。

 女性達は朝からお風呂に入って綺麗に着飾っていた。男性達は狩りに出ている。


 中央広場に人が集まって来た。ザッジとヒナの結婚式が始まった。

 盛大な拍手で迎えられて2人が中央に並んでいる。

 ザッジは髪を整えていつもと違う雰囲気だ。ヒナは頭から薄く透き通った白い布を被っていて、服も普段着る物よりとても華やかな感じのする服だ。

 たくさんの人に囲まれてお祝いの言葉をかけられている。すでに祭り状態でいきなり最高潮になってしまっている。

 結婚式自体が久しぶりなのもあるけど、駆除に追われて余裕が無かった反動もあるのだろう。

 樽入りの葡萄酒がグラスにどんどん注がれていく。

 並べられた料理を美味しそうにみんな食べている。

 

 みんなが喜びを爆発させていた


 

 「今日の鯛は大きいわね」


 「魚の大きさなんて運次第だよ」


 ルナが隣りに来て一緒に幸せそうな新郎新婦を眺める。



 「ハーブを使った珍しい料理もあって美味しいわよ」


 「アオイの作った活き造りにはとても驚いたよ」


 他の国や村から来た人の料理は珍しくて美味しかった。

 村長がこちらに来て一緒に新郎新婦のところへ行く。

 そこにはテーブルが置いてあって小さいカゴの中に葡萄酒のビンが倒して置いてあり、その横には火のついたロウソクと大きい空のガラス容器が置いてある。


 「この葡萄酒はヒナが生まれた年に作った物です」


 村長が静かに葡萄酒のビンを持ち上げてロウソクの火でビンの中を照らしている。ゆっくりと葡萄酒をガラス容器に移し替えていく。

 そして移し替えた葡萄酒をグラスに注いで配ってくれた。


 「 乾杯 」


 ザッジ、ヒナ、ルナ、俺、村長が葡萄酒を口に含んだ。


  ……みんな言葉が出て来ない


 「ナック、この葡萄酒を表現してみなさい」


 俺かよ…… あまり美味しくない……


 もう一度、口に含んでじっくり味わってみる


 ……とても深いところに何かを感じる……



 とても苦しんでいる 


 華やかな香りも豊かな味わいもこの葡萄酒にはない


 でも何だこの感じは……


 何とかして生きようとしている


 枯れた大地に深く根を伸ばし


 必死に生き残ろうとしている


 とても力強い


 とても生きる力にあふれているんだ


 それに気づいた時、ふと目から涙がこぼれ落ちた


 ああ……素晴らしい葡萄酒だ……


 葡萄酒とはこんな物だったのか……



「厳しさとそれを乗り越えた力を感じる。生命の葡萄酒」



 村長は静かに目を閉じてその表現を聞いていた。


「この年は天候が悪く、作物の出来が良くありませんでした。私の葡萄畑も例外ではなく葡萄酒に出来る実は、わずかしか収穫できませんでした。それを村人達が必死に葡萄酒にしてくれたのです。

 豊かに恵まれた時だけではなく、苦しい時でも人はこうして素晴らしい物を作り上げる事が出来ます。素晴らしさとは表に見えるものだけではありません。奥に何があるのか……

 それを感じる力をあなた達は養い、伝えていかなければなりません」


 そうだな。最初は美味しくないと思った葡萄酒もより深く味わえば奥に隠れていた魅力に気づき美味しく感じる。

 

 とても大きな違いだ


 王都とアルカディアの差もそんなものかもしれないな

 

 そうありたいと思う



 ステラ達が綺麗な声で歌っている。王都の騎士団でよく歌われている歌だそうだ。今日の彼女達はいつもの鎧姿とは違って可愛いらしい服を着ているので別人のようだ。

 ビッケとファリスが魚料理の前で話している。何やら楽しそうだ。

 アオイは自分が作った料理をみんなに進めていた。あまり生で魚を食べる人はいない、食べてみると美味しいんだけどな。

 カナデは若者達の輪の中で微笑んでいる。さすがにお嫁さんにしたい女性NO1だ。周りは男ばかりだ。

 

 夜まで続いた結婚式もそろそろ終わりだ。



 ザッジ、ヒナ、おめでとう


 

 夜の小道を登って家へ帰って行く。かなり道の幅が広くなった気がする。みんながうるさく言うので家の周りはしっかり柵で囲ってある。

 庭にはハーブが植えてあり少しいい香りがする。



 薬草畑の横に来て、2人で夜空を見上げた


 無数の星々が輝き


 祝福を与えてくれているようだ


 そっと肩を抱き寄せて


 口付けを交わした


 


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