探索探索ぅ
調子が出て来たです。
休憩を終わらせた俺はお宝目指して探索を再開することにした。
まず行く場所は黒騎士…アーサーがいて通れなかったあの廊下の先に行くつもりだ。リポップはしてないと思うんだが…。
んで、とうちゃく。気配察知にも反応してないし大丈夫だね。行こかー。
てっくてっく、がっしゃがっしゃ…
アーサーの鎧うるせぇぇえ…。歩法の意味ねーし、ま、タンクとして前を歩いてもらっている時点で意味ないけど、隠密できないなぁ…。
なんとかならんかね……お?おお!?死霊魔法に死霊の箱庭ってのがあるぞ。
えっとなになに…死霊魔法のレベル×1のモンスターを異空間に収納することが出来ます、だって!?うってつけやないかい!
早速使お。どーやれば良いんだ?
ふむふむ。《収納:モンスターの名前》でいいのね…出すときは来るように念じれば良いのか、おけおけ、じゃ、《収納:アーサー》!
おおう…!なんかぎゅるるんって空間が捻れて穴が空いて…そこにアーサーが、がっしゃがっしゃ入って行ったぜ。
なんか、シュールだ……ぷぷっ…。
バイバイアーサー……。
よし!気を取り直して行きましょかー
それから三十分…歩き通すがなかなか進めていなかった。
原因は分かっている、足下を覆い尽くす蔦に足を取られるのだ。ホント勘弁。
あ…思いついた、歩法のレベル上げりゃ良いんじゃね?
よし、歩法のレベルを5まで上げてみるか。スキルポイントを2消費してっと。
おー、歩きやすく…なったか?うん、なったな蔦が全然絡まなくなった、すげぇ。
縮地も7メートル行けるようになったし、強いなー。レベルマックスになったらどうなっちまうんだろ?12メートルを一瞬でとか、瞬間移動かよ…まぁ、CTは一メートル毎に5秒延びるからそこそこなのかな?
そんなこんな歩いているとロビー?にたどり着いた。
どういう構造なんだろこの城。めっちゃわかりづらい。
テ◯ルズオブグレ◯セスの王城みてーだ。
十字路になってて、城の内部と城下町に通じてる大門へ行く道みたいだな。
うーん…外へ行くか中へ行くか……。
ここはまだ行ってない中へ行くか。てことでゴー。
おっ…中庭か、大きな木が…枯れてないな。噴水からちょろちょろ未だに流れてる水のおかげか、木の生命力が強いのか。
どうでもいいか。
……一応この水回収しとこ。あっ、ビンはあの部屋にあったやつだ。中身は何故か空だった。
はぁ…鑑定取ればよかった、装備とかならステータスは分かるけど詳細までは分かんねぇんだよなー…後から生えてこねぇのかなスキル。
掲示板機能とかもまだないっぽいし。アプデで追加予定らしいけど…。
ソロプレイって言うか、……ぼっちの弱みってこう言うのだと思うわ…。
あ、ヤバいそろそろ夜明けだ。中庭から奥にいけるな。よし、水を回収したし、あとは……あ、木の枝回収しよ、えーと、1本拝借…いや、3本だな。おし、回収完了。逃げろ逃げろ…。
ふう、なんとか日光が差し込む前に逃げれた。あぶねぇー…。
はぁ…やっぱ防具欲しいわ…。八割体を隠す装備か、ローブとかならありそうなもんなんだけど……。
まぁ、いいわ、いこ。
お?ここは?なんかの宿泊するところかな?あー…侍女とか、執事の場所か…なんでわかったかって…?マップに表示されたんだわ、『古き王に仕えしモノ達の休憩所』って。なにこの地名。ダセぇな(笑)。
あ…待てよ、執事とかの休憩所ってなら服あるんじゃね?だったら探してやるぜ…ネグリジェ一枚はキツい…。
クローゼットをがったがった漁ったがなかなか見つからない。
くそー…なんでだ…!!
「はぁ…見つかんねぇ、ないのか?予備とかあるだろふつー…おっ?あった!……ってメイド服かよっ!!執事服っ…執事服が欲しいんだけどっ!」
その後一時間探したが全く見つからない。マジかよ…はぁ。しゃあない、メイド服…着るのか、これを?嘘だろ?はぁ…しょうがない、着るかぁ…あ、今更だけど角と翼は収納できて、今は邪魔だから収納してんだよね。
いそいそと装備画面を操作してメイド服一式を装備した、なんで一式だって?こいつセット装備なんだよ……!!
しかも能力つえーし。はぁ。ただ、フレンチメイド服じゃなくて昔からのロングスカートのヴィクトリアンメイド服ってヤツで…助かったのか分かんないけど、まぁ、助かったわ。
しかもこいつガーターベルトまでセットにしやがって……!!ぜってぇ運営の趣味だコレ……!!あと、ホワイトブリムも着いてた、本格的だなオイ。
うわ…自分で言うのもあれだけど似合ってるのがツライ…。
なんで俺はリアルモジュールにしたんだっ……。はぁ、でもこいつのセットスキルは魅力的なんだよなー…。
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〖メイド長のメイド服:ヴィクトリアン型〗 《セット装備》
防御力300 耐久力∞
AGI+100 DEX+250 VIT+50
セットスキル
・家事LVMAX・生活魔法LV5・幸運LV3・礼儀作法LV5
付与魔法 《不壊》《不燃》
この装備は譲渡、売却不可能です。
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おい、おいおい!!よく見たら耐久力∞ってなんだそれ!?うひゃーつええし。家事とか、スキル凄いな…まぁ、嬉しい?かな?
…………てかこの装備呪われてね?ま、まぁ、いいや。でも八割隠れてれば大丈夫って言うけど顔でてて大丈夫かな?よ…よし外出てみよう。
恐る恐る中庭に出てみると、ダメージは喰らわなかった。
「あー…良かった…。少し不満だけど。」
「あら?あらあら?何が不満ですの?小さなメイド長さん」
「ふぁっ!?!?」
突然後ろから声が聞こえて俺は飛び上がった。後ろにいたのは…メイド服を着た妙齢の美人な女性だった。よくよく見ると体が透けてて、幽霊だと分かる。
「ふふっ。そんなに驚いてどうしたのかしら?」
「い、嫌だって急に現れて話しかけられたら誰でもビビるだろう」
てか、なんで見えるんだ!?………あっ、死霊魔法の詳細に幽霊などが見えるようになるって、書いてあった気がする……。
「男みたいなしゃべり方ですわね。ダメですよ直さなきゃ、可愛らしいのに野蛮なしゃべり方では品格を損ないますわ!」
「お、おれは」
「まぁ!!『おれ』だなんて!ダメですわ!そうね、今からあなたを教育します!」
男なんですけどぉ……。
ピコン♪
シークレットクエスト『メイド長の教え』が発生しました。
受けますか? [yes or no]
これは…noを押したい!……けどシークレットだって!?こいつはやるっきゃねーな。やりたくないけど……イエスで!
「は…はい。よろしく?」
「あら?お願いします。ですわよ?」
「おっ…お願いします!!」
くっそー…もう後悔してきたぁ!!
こうなったら最後までやってやるよ……!!