探索にお宝を求めるのは間違っているだろうか 2
遅れてしまってすいませんでした。
勉強などに忙しくて執筆時間がとれなかったんですよ……。
すいません不定期更新とさせていただきます。
ホントすいません……。
俺は今つい先程死んだエントランスホールに居た。なんでかって言うと種族スキルにある〈霧化〉を使ってみようと思っている、物理ダメージ無効の効果で、あの甲冑兵のハルバードのダメージを受けないように出来ないか試すために。
あの甲冑兵の名前もキルされた際にログに名前が残っていて、
名前は〈Spinning armor soldiers《カラクリ仕掛けの甲冑兵士》〉そしてLV85、叶わない相手だった。まぁ、レベル差ボーナスが入ったから良しとしよう。ちなみに敵が複数居たとしても一体分しか貰えないみたいだ、まぁ、妥当だと思うが。
ステータスポイントは既に振っていて、全てINTにつぎ込んだ。
2LV分振っていま175まで上がった。ノワールまでの道は遠いな………。
そうこうしてるうちに俺は甲冑共がいる廊下の前に立っていた。
「よし、行くか。〈霧化〉〈ハイド〉」
実を言うと〈霧化〉状態では前に進むことは出来なかったのだが、先程手に入れたスキルポイントで〈血魔法〉のLVを2に上げたところ〈血晶爆〉という魔法を使えるようになった。効果は血を結晶化させて爆発させるというモノで、結晶化させたものはアイテムとして貯蔵可能という便利なモノだった、実はこの魔法にはキャンセル技があることがあのスポーン部屋で遊んでいたら気付いたのだ。
それは結晶化させる途中で爆発させると、爆風のみダメージなしという魔法になったのだ。
俺はこれを使って扉までびゅーんと飛んでいく作戦を立てた。
あと三秒で〈血晶爆〉を使う……。2……1…今ッ…!
即座に爆発させる。霧化状態の俺は一気にまっすぐ飛んでいって、扉の前で実体化した。
「よし……ちっ、もう来てる…。とっとと開けねぇと…。」
扉は予想以上に重く、あと少しで甲冑共のハルバードが俺の体を刺し貫く前になんとか少しだけ空いた扉の隙間に体をねじ込んだ。
「ぐぅっ……。重めぇんだよっ……!」
必死に扉を押えると甲冑共と思わしい、奴らの重さが腕に伸しきってきた。
五分程押さえていると突如軽くなり、俺は扉におでこをぶつけてしまった。こっちから押して開くタイプじゃなくてよかった…。
扉の内部を見てみるとそこは玉座の間だった。
玉座の横にはエントランスにあったような階段の小型版があって、階段が玉座をぐるっと囲んでいる感じ。
「………王はいないのか…?こんな時はボスってのが相場だと思うんだが……」
するとピロンッ♪と電子音がなり、なんだと思ってログを確認すると
『マップ情報解放条件を満たしました。場所、地名、情報を開示します。』
マップを見てみると、ここの説明が書いてあった。
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[エーゼルシュタイン城跡]
[古代魔道時代に繁栄していた国、ルビリア王国の王城であった城、ルビリア王国の北に位置していた[魔の森]にて発生したスタンピードに丁度[魔の森]の[森化]の周期が重なり、森に呑み込まれ滅亡した国の一つ。
この国は魔道具工業によって栄えていたため、屈強な機械人形やゴーレム、そしてアンデットになった歴戦の兵士達、魔の森の強力な魔物達を退けられる者なら、恐ろしく強力な武具や魔道具を持ち帰ることが出来るだろう。]
[推奨LVランク 3](LV65~85程度)
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やっぱここは初期リスポじゃねぇだろう……!なんだよ推奨LVランク3って………!おかしいんじゃねえの!?
ま、魔道具とか手に入れられるみたいだから頑張ろう……。
俺は玉座の後ろに上っていった。
そこはテラスになっていて、外からは城下町が見える場所みたいだ、今は夜になっているのでダメージは受けないから遠慮なく外に出れる。あーそうそう、吸血鬼って夜目が利くみたいで、新月で星の光だけの今でも昼間みたいに見える。
眼下の都は木々に浸食されていて、アンコールワットみたいになっていた。変な火の玉とか浮いてるし……うわお、何あの狼?家一軒分位あるんじゃねえの?
うわーすげー。
てかここ他になんかねぇのか?宝物庫とか何処だ……
俺はテラスから〈霧化〉して飛び出して周りをぐるーっと一周すると目立った尖塔が4本あった、それらの内一本が他のに比べて綺麗で怪しかったので、壊れていた天窓から中に入って実体化してみると、そこは螺旋階段の途中で、何か不思議な光る石が入っているガラス瓶が壁に掛けてあった。
一番上には重厚な扉があり、開けようとしたが開かなかった、よくよく見ると扉には中心にある丸い窪みから溝が扉の端まで亀裂のように走っていたのだ。
「あーー、こいつはアレか、鍵が必要ってか?あー面倒臭ぇな。いかにも宝物庫見てぇなのに……。」
恐らくこの扉も魔道具なのだろう。魔力、もしくは鍵となるモノが必要で、その型は球型……。
………いけっかな……?コレ?
「〈血晶爆〉」
俺の手の中に現れたのは球型の澄んだ紅色の血晶爆、アイテム化した血晶爆弾だ。
「さて……どうなるか。」
ぴったりになるように造ったがどーなるか……よし嵌めよう。
カコン…という音と共にスッポリと嵌まった紅玉はドロリと溶け、溝を血液で埋めていき溝を紅色に光らせた……が、シュゥゥと言う音を出しながら乾き、消えていってしまった。
「ちっ、やっぱ無理かよ。うーーん、行けたと思ったんだがな…。
特定の鍵が必要か…それとも魔力量が足りないのか……。」
この場合は前者だろう、ま、仕方ない。もうちょい城の中を探してみるか……。
俺は霧化して、窓から外へと出た。血晶爆を使いまだ行っていない場所へ行く。
行っていない場所と言えば城の1階部分か……あのエントランスホールから行けたな、うし、行くか。
そしてとーちゃく。もうあのからくり共がいる所なんて誰が行くか。てかあそこ外から霧化で行けば良かった……あーー、バカしたー。
未だ時刻は[ED:PM11:42]EDってのはこの世界エルフォードの事だったはず。そういやこっちじゃ時間は3倍なんだっけか?ま、PKしたいだけだったからどーでも良かったんだが。
俺は階段を下りて1階へと入っていった。
1階部分は木々に浸食されていたようで、廊下や天井の壁一面に木々が生い茂っている。
「うっわ…なんか敵来そうだな、やぁな雰囲気……。」
歩き方を意識しながら、ハイドを使いつつ歩いて行くとカラカラ……と前方から音が響いた。前から現れたのは鎧を纏ったスケルトンで、2階にいたスケルトンと同じ種類だと思ったがどうやら違うようだった。
なぜなら鎧の色が黒色でドレスのようになっているドレスアーマーを着たスケルトンだったからだ。
………なんか強そうだな……うわぁ、何あの濡れたように光ってる剣…
俺はハイドを使って出来るだけ離れて横を通り過ぎた。が、奴はギュルンとこっちを向いて俺に剣を突きつけてきた。
おっし、逃げろ俺!!
「霧化ぁぁぁぁあ!!ついでに血晶爆!!」
あっという間にスケルトンから離れた俺がほっとひと息ついた瞬間目の前にあのスケルトンが現れて、俺に剣を振り下ろしてくる。
やべぇ避けらんねぇ!!
奴の剣は物理ダメージ無効の俺にダメージを与えてきて、一瞬でHPがゼロになり俺の体は爆発四散しながら消えていった。
なんでダメージ食らうんだよぉぉ!!!?
つーかいい加減お宝よこせや!!