サイコパスはVRゲームの夢を見るか?
どうしてもVRゲームもの書きたくてしょうが無い………。
もう一つのと頑張って週1でやっていきたいと思ってます。
気ままに、付き合ってください。
『精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy、サイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。 その精神病質者をサイコパス(英: psychopath)と呼ぶ』
俺──桐生 蓮司もその一人、だが、反社会的と言うことはなく極普通の高校生だ。
一般よりも裕福な家に生まれたが、両親からほっとかれる事も無く、愛情一杯に育てられたと思っている。まぁ、両親は二年前中学一年生の時に病気で立て続けに無くなってしまったが。
その時、なぜか俺は何の感情も抱かなかった。あぁ、死んだんだな……と、どうでも良いことのように、他人事のように考えていた。
両親の遺産に目をくらませた親族共は死ぬ直前に両親が雇っていてくれた弁護士が全て追い返してくれたから、俺が豪遊でもしなければ一生は生きていられる金額が残った事には流石に感謝した。
それからだ、定期的にどうしようもなく人を殺したい衝動に駆られるようになったのは。両親の生気のない青白い死体のことをなぜか満月の前の日の夢に見るようになり、朝になって外を歩く通行人のことを見ると、どうしても殺したくてたまらなくなった。
次の日になると治まったが、不思議に思ったので病院に行った。なぜか全く怖くなかった。
そして、俺は『精神病質』、『境界性人格障害』と診断された。
つまりサイコパスと殺人衝動の病気を患ったと言うことだった。
親が死んで混乱しているから、大丈夫だよ、とは言われたがそんな気は全くしなかった。
満月の日に来る殺人衝動を抑えるために精神安定剤を飲むことで押さえ込んでいるが、だんだん薬が効かなくなってきたのが高校入学の一月前で、そこから毎月が辛かった。
殺したくてしょうが無くて……首筋を食いちぎって殺す事を精神安定剤が効いてるはずの時間に考えてしまったり、とにかく大変だった。
そして高校生になり、ちまたを騒がせているニュースがあった。
今もテレビでやっているな。
女性のニュースキャスターが大声で紹介していた。
『完全没入型VRゲーム機 〈カラッド〉ついに発売!!
同時にVRMMO 《Another World Online》β版の募集決定!
β版応募定員は一千名様!さらに〈カラッド〉が無料でβ版に当たった人には配布されます!!』
久しぶりだ、面白そうだと思ったのは……。なんて考えながら、
《Another World Online》β版に応募したのだった。
俺はクラスに馴染むことは出来て、友達だって複数出来た頃のことだった。ついにβ版の当選者に《Another World Online》
の発送が始まった。当選者は発表されてはおらず、当選者の自宅に直接送ると言うものだった。当たらなかった人たちによる犯罪行為を心配したんだろう。まあとにかく、八月二十三日は学校は休日で良かったと思う。
来るのか………。
ピンポーン♪
来た。やった。なんて思いながら玄関の扉を開けると、配達員がいて小声で話し始めた。
「おめでとうございます。蓮司様、こちら《Another World online》β版と〈カラッド〉の二つになります。印鑑をお願いします。」
やった。まさか当たるなんて……。こんな気持ちになったのは両親が生きていた頃にもなかったんじゃないかな……。なんて思いながら印鑑をぱぱっと押して、《Another World Online》と〈カラッド〉を受け取った。
そのまま部屋に直行して、箱を開けた。中には〈カラッド〉が入っていて、その形はヘルメットのした部分と首輪が繋がったような形をしていて、ダークグレーの塗装がしてあった。
「かっこいい……。」
説明書に〈カラッド《Another World Online β版》同梱版〉
と書かれていて、セットアップの仕方も書かれていたので早速始めることにした。
まずセットアップだ。
とりあえず、現実でやるセットアップは終わったので仮想世界でのセットアップを始めた。
えっと、確か言う言葉は……。
《コネクト スタート》だったな。
「《コネクト スタート》!!」
『認証システム作動………………マスター〈桐生 蓮司〉脳波データを登録………。』
『《Another World Online》に使えるデータがあります……
使用………。』
『リアルモジュール開始………10%……25%……40%…72%…98……100%実行終了……。』
『現実防犯システム登録……………。登録完了。』
『当該データのバックアップ成功……。』
『これでセットアップ完了です。お疲れさまでした。このまま《Another World Online》を遊びますか?』
『YES』 『NO』
俺は迷いなくYESを押して、《Another World Online》の世界へ入っていった。