第9話 姉とシリアス
リーニャが8歳、エリオルが7歳の時に、
ヨハンとジルは二人に血が繋がっていないことを話した。
本音を言えば、ジルはエリオルたちが知らずにすめばそれですましたかった。
しかし、ヨハンはリーニャと同じく焦げ茶色の髪、
焦げ茶色の目をした、
のほほんとした地味な顔立ちだった。
リーニャはヨハンに顔立ちがよく似ていたが、
エリオルは実父に似て、
金髪、翡翠色の瞳に、彫りが深く、
整った顔立ち、
エリオルはヨハンにもジルにも似ていなかった。
夫妻は相談し、変に二人の耳に入るよりはと
ある日二人を客間に呼んで、
エリオルはヨハンの子ではないこと、
リーニャとエリオルは血が繋がっていないこと、
最初は形式的な結婚だったが、
ヨハンもジルもお互いに愛し合っていること、
ヨハンもジルもリーニャとエリオルを我が子として愛していることを伝えた。
「私たちはお前たちを我が子として愛しているよ。」
父のヨハンは慈愛に満ちていた。
ヨハンの話を聞いたエリオルはひどく顔色が悪かったが、
リーニャは顔色も変えず、
「とーさま!!( *・ω・)ノ!!
なんか私たちが知らなかった感が出てますが、
私は知ってましたよ!!!( *・ω・)ノ!!!」
「「「ええ!!?」」」
リーニャを除く三人は驚愕した。
リーニャはこれまでそんな素振りを見せたことがなく、
ジルにかーさま、かーさまと言って非常になついていた。
「「「いつから!!?」」」
リーニャを除く三人は再び一緒に叫んだ。
リーニャは5歳の頃には知っていたが、
特に何かが問題だとは思わなかったとケロッと言った。
さっきまで部屋の中にはシリアスさんがふんぞり返っていたが、
リーニャの発言によりシリアスさんは雲散霧消した。
リーニャとシリアスさんは相性が悪いようだ。