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第8話 母親になった日

ジルはリーニャの発言にガックリうなだれた。


「エリオルに任せておくと、


今のかーさまが言った条件を満たさない子がお嫁さんになってしまうかもしれないですし!!( *・ω・)ノ!!」


リーニャは私に任せてくださいと張り切った。


「いや、わたしが言いたかったのは……」


ジルは慌てて否定しようとしたが、


リーニャはそうと決まったら善は急げだと言って部屋を飛び出していってしまった。


これがリーニャの「エリオルのお嫁さん大作戦」の始まりであった。


リーニャ15歳、エリオル14歳の春であった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ジルは部屋を飛び出していったリーニャを呆然と見送ってしまったあと、


小さくため息をついた。


ジルはこのとき34歳で、


まだまだ20代に見えるほど若々しく、


美しかった。


ジルは腰くらいまで伸ばした綺麗な黒髪を片手で触りながら、


同じく黒い瞳に憂いをたたえて、


窓の外を見つめた。


「もうあれから10年以上経つのね。」


ジルはひとりごちた。













ジルがエリオルを産んだのは20歳の時であり、


ジルはエリオルを産んですぐにリーニャの母親になった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ジルは子爵家の娘だったが、


行儀見習いもかねて、


18歳の時、王宮の侍女になり


その後色々な事情があって、


エリオルを妊娠した。


エリオルの父親については公にすることができず、


ジルは妻を亡くし、


リーニャを男手ひとつで育てていたヨハンと形式的に結婚した。


リーニャの産みの母親は産後の日達が悪く、


リーニャを産んですぐに亡くなってしまっていた。


エリオルはヨハンの実子とされた。


リーニャはジルによくなつき、


ヨハンも生来温厚な性格だったので、


最初はぎこちないながらも、


一家は次第に普通の家族のように、


暮らせるようになった。


当時ヨハンは王立大学に勤めていたので、


一家は王都で暮らしていたが、


リーニャが7歳の時に事件が起こった。


事件をきっかけに、


ヨハンは王立大学を辞め、


領地に引っ込んだ。


以来一家はものすごい田舎のシュナイダー領で、


ささやかながらも幸せに暮らしている。





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