第6話 弟は優秀
エリオルは子供の頃から大変愛らしく、
非常に優秀だった。
シュナイダー家はおそろしいほど田舎にあるので、
家庭教師のなりてはなかった。
そこでかつては王立の大学で研究をしていた父のヨハンがエリオルとリーニャに勉強を教えていた。
リーニャの出来は普通だったが、
エリオルは大変優秀だった。
また、エリオルはある時から
強くなりたいと言って、
剣の修行をしたがった。
しかしヨハンは勉強はできたが、
剣はからきしだったし、
シュナイダー家はおそろしいほど田舎にあるので、
稽古をつけてくれるひとも見つからず、
エリオルは独りで剣の稽古に励んでいた。
エリオルが10才のときに、
たまたまヨハンが王立大学にいたときに親しくしていた
カインが修行の旅の途中でシュナイダー領に立ち寄った。
カインはそのとき既に騎士団長を引退していて、
気楽な修行の旅に出ていたのだ。
ヨハンはカインを歓待し、
カインはしばらくシュナイダー家に滞在することになった。
そのときエリオルが剣を独学で修行しているときいて、
宿代替わりだと言って、
エリオルに稽古をつけてくれることになった。
カインはすぐにエリオルの剣術の才能があると気づき、
熱心に指導した。
最終的にはエリオルを一端の剣士にすることが、
最後の仕事かもしれないと言って、
ついにはカインはシュナイダー領に定住してしまった。
エリオルはメキメキ頭角を現し、
シュナイダー家のエリオルは非常に優秀だとすぐに噂が広がった。
エリオルは眉目秀麗でもあったので、
エリオルへの縁談は、
次々舞い込むようになり、
かなり高位な貴族からも是非婿にと乞われるようになった。
シュナイダー家は田舎の貧乏伯爵家だったので、
シュナイダー家はエリオルではなく、
リーニャが婿をとって継げば良かったので、
「シュナイダー家のことは気にせず、
どこかに婿に行ってもいいのだぞ弟よ!!( *・ω・)ノ!!」
リーニャはそういったが、
エリオルは見合い話も婿にいく話もなんだかんだ理由をつけて断ってしまった。
リーニャはエリオルの縁談を心配したが、
リーニャが心配すればするほど、
エリオルの機嫌は悪くなった。
「かーさま!!( *・ω・)ノ!!
かーさまはエリオルの縁談についてどう思いますか??( *・ω・)ノ??」
困ったリーニャはある日ジルに相談した。