第2話 姉と弟
「あねうえ!!
何回言ったら分かってくれるんですか!!?
母上が言ったのはそういう意味ではありません!!
だからあねうえはそんなことをしなくていいんです!!」
そういうエリオルは、
綺麗な翡翠色の瞳に涙を浮かべて、
両手でサラサラした金色の髪をグシャグシャにかきみだした。
エリオルは今年で16才になり、
17才から24才頃までが結婚適齢期であるこの国では、
そろそろ結婚相手が気になるお年頃だった。
「弟よ!!( *・ω・)ノ!!
そっちこそ何度言えばわかるのだ!!( *・ω・)ノ!!
最初こそジルかーさまの夢を叶えるために始めた活動だが、
この活動は最早私の夢でもあるのだ!!( *・ω・)ノ!!
私はエリオルに世界一素敵なお嫁さんを見つけて、
私は世界一素敵な小姑になるのだ!!ヾ(・◇・)ノ!!」
そう言って両手を脇につけて、
仁王立ちで、
ワハハハハと笑うのは、
肩より少し長い焦げ茶色のくせっけの髪に、
同じく焦げ茶色の瞳をした、
今年で17才になるリーニャと言う名前のエリオルの姉だった。
エリオルとリーニャが今言い争いをしている
ここシュナイダー家は一応伯爵家だったが、
おそろしいほど田舎にあるので、
貴族の常識はここでは通用しない。
「それに!!
エリオルはジルかーさまはそういう意味で言ったんじゃないっていつも言うけど、
じゃあどういう意味なのって聞いてもいつも教えてくれないじゃないか!!( *・ω・)ノ!!」
それでは納得などできるはずもないと、
リーニャはキリリとした顔でエリオルに言い渡した。
「~~~~~~~~~!!!?
それは!!!!」
「それは??( *・ω・)ノ??」
「それは!!!!
~~~~~~~~!!!
あねうえは知らなくていいんです!!!!」
二人のこのようなやり取りは今回でめでたく100回を超えた。