第16話 ある日突然
リーニャが7才、エリオルが6才のとき、
ある朝突然王宮から使者が来て、
ヨハンとリーニャとエリオルに王宮に来るようにと言った。
ヨハンは抵抗したが、
使者になにか言われると渋々王宮に行くことを了承した。
ヨハンは顔色を真っ青にしたジルに心配しないように言って、
リーニャとエリオルを連れて、
王宮からの馬車に乗った。
リーニャとエリオルは訳がわからなかったが、
父のヨハンは今まで見たこともないくらい怖い顔をしていて、
二人は何も聞けなかった。
王宮に着くと三人は豪華な誰もいない応接間に案内された。
しばらくすると、
黒髪をきれいに七三分けた眼鏡の身なりの立派な男が現れて、
子供二人を残してヨハンだけ自分に付いてくるように言った。
ヨハンは眼鏡の男としばらくもめたが、
最後にはヨハンはリーニャとエリオルにおとなしくしてるように言って、
部屋から出ていった。
「あねうえ、どうしましょう……」
エリオルは不安になって、リーニャにしがみついた。
「エリオル!!( *・ω・)ノ!!
大丈夫!!( *・ω・)ノ!!
姉様がついているだろ!!( *・ω・)ノ!!」
本当はリーニャも何が何だかわからず不安だったが、
弟を安心させるために元気一杯にそう言って、
ぎゅーっとエリオルを抱き締めた。
しばらく二人で抱き締めあっていると、
扉をノックして、
失礼しますと言って侍女が数人入ってきた。
侍女は二人に庭にお菓子を用意したので、
庭にご案内しますと言った。
リーニャは父親におとなしくしてるように言われたので行きたくないと言ったが、
侍女たちはお父様には了解をいただいていますからといって、
二人をほぼ無理矢理庭に連れていった。
庭には大きいテーブルと椅子が3つ用意されていて、
テーブルには沢山のお菓子や軽食が並べられていた。