第14話 姉と弟と母と
「かーさま」
一方家に残されたリーニャとエリオルは、
ベッドの脇に隣り合って座りながら、
気絶したままのジルを心配そうに見つめていた。
「かーさま…………
わたしのせいで気絶してしちゃったのかな…………」
リーニャは涙目になっていた。
「あねうえ……………
あねうえのせいじゃありませんよ…………」
エリオルはリーニャが母や自分と血が繋がっていないことを知っていたことのせいで、
ジルが気絶してしまったのではないかと、
リーニャが心配しているのだと思ってあねを慰めた。
「わたしが『かーさまはニンジンを食べてるときはめっちゃ不細工』って言ったから………………………」
「あねうえ…………………
絶対に違います………………………」
エリオルはガックリ肩を落としながら言った。
そうかなーと心配そうにしているリーニャを見ながら、
エリオルはため息をついた。
エリオルも大分前からもしかしてとは思っていた。
エリオルは父にまったく似ていなかった。
周りにもよく言われたし、
自分でもそう思っていたが、
もし本当にそうだったとしたらと思うと、
怖くて怖くて、
確かめることはできなかった。
今日、父母から真実を聞かされて、
世界が終わってしまうのではないかと、
怖くて怖くて、
この先どうなってしまうのだろうと、
不安で不安で、
泣きそうになっていたところに、
リーニャの話を聞かされて、
まさか姉がそんな前から知っていたことに驚いた。
あねの爆弾発言にびっくりしすぎて、
恐れや不安はどこかにいってしまった。
「…………あねうえ………
あねうえは、あねうえは僕とかーさまと血が繋がっていないって聞いてどう思っているの?」
エリオルは一番気になっていることをリーニャに聞いた。
エリオルの心臓は面白いくらいにバクバク音をたてて、
下手すると口から心臓が出るんじゃないかと、
馬鹿な心配をした。
「??( *・ω・)ノ??
オバサンにも言ったけど、
で??( *・ω・)ノ??
ってかんじかなー??( *・ω・)ノ??」
リーニャは手拭いを濡らしてジルの額にあてながら言った。
「だから何って感じ??( *・ω・)ノ??
オバサンにも血が繋がってると、
なんかいいことあるの??( *・ω・)ノ??
って聞いたらオバサンは答えられなくて顔を真っ赤にして気絶しちゃったんだよねー( *・ω・)ノ」