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ぐだりぐだり 〜放課後に

作者: ミンチ


前にあった小説をベースに、書き足しと設定を変えてみました。


「ぁあ!!」


「ん? どうした?」


 ここは、とある高校。


「なんか、かめ○め波うてる気する!」


 二人しかいない放課後の教室で、カズマという少年が急に叫んだ。


「ぁ〜。 その気持ちはわからなくもねぇな でもま、気のせいだ気のせい」


 このイスに座って本を読みながら返事をした美形の少年の名前はアキヒト。


 特にやることもない二人は、ただダラダラと教室で時間が過ぎるのを待っていた。



「わからへんで? もしかしたらできるかもしれへんやん?」


「じゃあやってみろよ」


「おう! ちゃんとみててや!」


 カズマは例のポーズをとりながら、本を読んでいてこちらを見ようとしないアキヒトに話しかける。


「わかったから早くしろ」


 アキヒトは本から顔を上げ、カズマを見る。


「か〜め〜は〜○〜波ァ!!!」


「………」


「………」


 教室が静まりかえる。


「ごめん…」


「あぁ… 気にすんな、誰がやってもそうなるんだよ」


「次、アキヒトもやってみてや」


「俺が? 嫌だよ」


「頼むわ! お前のみじめなとこオレも見てみたいねん!」


「なおさら嫌だ!」


「お願いします! このとおり!」


 カズマはアキヒトに土下座して頼みこむ。


「はぁ、一回だけだからな」


「ぃやったぁい!!」


「喜びすぎだろ… か○はめ波ー」


 アキヒトはまったくやる気のないかめは〇波をうつフリをする。


「ドカァァン!!!」


「ぉわ!?」


「……ニヤリ」


「びっくりさせんなよ… なんだよドカァンって」


「いや、迫力をだそうと思ってな」


「それで迫力はでたのか?」


「でやんかった」


「………」


「………」


 アキヒトは無言でイスに座り直し、本の続きを読みだした。


 10分後。


「なぁ」


「ん?」


「今週の日曜ヒマ?」


「ヒマだけどなんで?」


「実は今週の日曜、彼女とデートやねん」


「うん… え? それで?」


「それだけ」


「なるほどな… なぜ俺の予定聞いた?」


「意味はないけど、何してるんかな〜て思って」


「あっそ…」


「それで一緒にお化け屋敷行くんやけど、そん時どーゆーリアクションとればいいんやろ?」


「堂々としとけばいいんじゃねぇの?」


「ん〜… ちょい予行練習したいから手伝ってくれへん?」


「別にいいけど、彼女役でもすればいいのか?」


「いや、遊園地に行く途中に立ち寄る予定のファミレスの店員の役お願い」


「そこからすんのか!? せめてお化け屋敷の入口からにしないか?」


「んじゃお化け屋敷から『恐かったね〜♪』って言ってでてくる女の子の役してや」


「…こ、恐かったね〜」


「はいよかったな。 じゃあ次彼氏役、つまりオレの役して」


「……カズマは何すんだよ?」


「彼女役する」


「逆じゃねぇのか?」


「私こわ〜い」


 そう言ったカズマは突然、アキヒトの腕にしがみついた。


「まて。 さすがにまずくないか?」


「ぇ〜 なにが〜 私わかんな〜い」


「…お前の彼女ってそんな感じなのか?」


「まぁだいたいこんな感じやな」


「そ、そうか…」


「ねぇねぇ〜」


「なんだよ?」


「お金ちょうだい?」


「……お前の彼女ってそんな感じなのか?」


「うん。 まぁこんな感じ」


「それ、早く別れた方がいいぞ」


「別に大丈夫やで」


「なぜ?」


「ウソやから」


「なんだウソか。 さすがに金せびってくる彼女なんかいねぇわな」


「いや、もうちょい前から」


「え? お化け屋敷行くとこか?」


「ちゃう」


「じゃあどこからだよ?」


「かめ○め波うてる気するってとこから」



「そこからか…」


「うん」


「………」


「………」


「帰るか…」


「やな」


 二人はそのまま黙って教室をあとにした。


まぁコラボレですね



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― 新着の感想 ―
[一言] 超シュールな笑いでした。続編希望。
[一言] ミンチさんこんにちは! とても楽しく読ませて頂きました。 あの、ほのぼのした感じの会話が大好きで、見ながら画面の前で笑ってしまいました(笑) カズマ君とアキヒト君の掛け合いがホント楽しくて、…
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